第74話 予想外すぎる結末。
俺は二人の肩を借りて落ち着いて話ができる場所にやってきた。
「あれ‥‥この場所って確か。」
連れて来られた場所は、病院裏にあるちょっとした公園であった。この公園は俺と咲が初めて出会った場所で、俺にとって特に思い出として残っていない場所であったが、咲とそれなりの時を過ごしたことで何気ないただの公園が、今は大切な場所のように感じた。
「まさか、またこの公園に来ることになるなんてなぁ‥‥思いもしなかった。」
「そうね。私もこの病院に戻ってくるなんて思いもしてなかったわ。でも、原点となった場所に戻ってきて、悪くない感じもするわ。」
「そうだな。それで、どうして二人は一緒に行動しているんだ?仲‥‥悪くなかったっけ?」
そう。イベントが始まる前の咲と雪の仲は最悪であったが、今はそんな悪い感じもしないし、寧ろ二人で並んでいても違和感を感じなかった。俺が眠っている間に、この二人に何があったんだ?
「そうね。最初は最悪だったわね。でも、今は‥‥私のれっきとした友達よ。ねぇ?雪。」
「そうだね。友達だね。」
何故だろう。友達という言葉に別の意味を感じる。二人は本当に友達になったと思っていいのか?すごくダメな気がするが、二人がそういうならそうなのだろう。
でだ。俺が最も気になっているのは‥‥イベントの結果だ。
「それで、イベントはあの後どうなったんだ?結局、あの二人は一体誰の仕業だったんだ?」
「それに関しては私の家族の者の仕業ではなかった。東雲家の全員の身辺を洗ったから間違いないわ。だから、あの二人は私を殺す為に送られた本物の刺客よ。」
「で、その正体は?送って来た黒幕については?」
「そこに関しては情報なしね。あの二人も金で雇われただけで、それ以上の情報は持っていなかったわ。」
「嘘だろ?あれだけ東雲家に恨みを持っていたのに、何の情報もないっておかしいだろ。」
「そうね。私もそこが気がかりだったから、専門の医者に頼んで記憶の調査をしてもらったのだけど、どうやら誰かに記憶をいじられているようで、東雲家に関しての記憶は植え付けられた物だった。」
「そういうことか。なら、黒幕に関しても認識していても記憶ごと消されているから、意味がないってことか。なるほど理解した。で、イベントの結果に関してはどうなんだ?」
「‥‥‥‥」
咲は何も答えなかった。
「おい。黙っていても分からないだろ。おーーい、聞いてるか?結果はどうだったんだ?」
「悠真。咲ちゃんはね、結果を言いたくないんだよ。」
言いたくない?優勝したなら普通は自慢するところじゃないのか?
「それはどういうことだ?マンティコアを倒したんだから優勝しているはずだろ?」
「悠真の質問に答えてあげたら?咲ちゃん。」
雪がニマニマしながらそう言うと、咲がようやく口を開いてめっちゃ小さな声でゴニョゴニョと言うが、全く聞こえないし、何を言っているのかも分からない。
「ごめん。全然聞こえない。なんて言ったんだ?」
「だ、だから‥‥私達の順位は―――ゴニョゴニョだったわ。」
「いや、その肝心の順位が聞こえない。もっとはっきり言ってくれ。」
「ううぅぅ!!もう!!リタイアよッ!!つまり最下位よ!!」
この言葉を聞いた瞬間に俺の中でパリーンと何かが割れた。なぜだ?何で俺達がリタイアで最下位なんだ?俺はあの二人と戦ったから、戻れていなくても咲は逃がしたはずだ。それで、なぜ最下位になるんだ?二人揃っていないと失格になるのか?いや、そんなルールは聞いていない。
「ど、ど、どう、どうして最下位なんだああああ!!!!」
俺の悲痛の叫びが響き渡った。




