表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『神の手違いが生んだ報われぬ者の転生録』  作者: Lark224a


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/87

第71話 タッグマッチ⑲

《――悠真視点》


「‥‥どうだ?流石に終わっただろ。」


過去最高の一撃だった。タイミング、角度、距離、力の入れ時など、全ての要素が完璧に合うことで放てた一撃――まさに”会心の一撃”だった。


会心の一撃が決まった時点で俺は”勝利”を確信していた――が、奴はまだ倒れてはいなかった。


奴は足をふらつかせながらゆっくりと歩いてくる。


一撃で倒すことは出来なかったが、奴は限界だ!!休む時間を与えてはいけない‥‥押せば倒れる。次の一撃で倒すんだ!!


と俺は、さきほどと同じように姿勢を低くして走りだそうとした時だった。


ピコン!!と危機感知が発動した。すぐさま横にジャンプして何かを回避すると――ジャシュ!!と地面に何かで斬られたような跡が刻まれた。


あぶねぇ~~!!少しでも避けるのが遅かったら、完全に俺の体が斬られていた。


「ケホッ!!この攻撃も避けるか~~。本当にウザいスキルだなぁ~。」


奴は血を吐きながら話しかけてきた。


「‥‥これはお前のスキルか?」


「あぁ~~”斬撃”ってスキルだ。こんなことならよぉ~~最初から使っておけば良かったな~~俺も無駄な傷を負わなくて済んだからな~~じゃあ、死ねよなぁ~~!!斬撃~~!!」


奴が腕を振り下ろす。


すると、さきほどと同じように危機感知が発動し、横へと避ける。


「どれだけ逃げても無駄だよなぁ~~もう、お前は‥‥ケホッ!!へへっ~~逃げられねーからよ。斬撃!!斬撃!!斬撃!!」


奴は連続で見えない刃を飛ばしてくる。それを危機感知だけを頼りにして避けていくが、次第にきつくなってきた。


いくら飛んでくる場所が分かるといっても限界はある。このまま足を止めていたら、いつかやられる。だったら、ここで引くのではなく前へと進み出る。


奴は既に虫の息だ‥‥スキルを使えば使うほど、その体力は確実に削られていく。なら、もっとスキルを使わせる為に避けて、避けて、避けまくって‥‥小さくてもいいから‥‥ちょっとずつ前へと進む!!


悠真は小さくではあるが、見えない刃を避けながら前へと確実に進んでいた。敵も敵で、その進行を止める為により多くの斬撃を放つ。一撃ごとに体が悲鳴を上げ、奴の口から血が流れるが、それでも止まらなかった。


なぜなら、奴にとって痛みは快楽であったからだ。


自分が生きていることを痛みでしか実感することが出来ない。だからこそ戦いこそが奴にとっての生きる意味であり、勝利の暁には獲物を残虐な方法で殺すことを――最後の楽しみとしていた。


そこまで痛みに固執していた奴だが、心は痛みに耐えられても体は違う。最後の斬撃を放つと、奴の動きがピタリと止まった。


どれだけ痛みを好もうと、人間の構造は全ての傷に耐えられるようには出来ていない。奴の体は幾度のスキルの使用によって限界を迎えたのだ。


そして、悠真はこの隙を逃さなかった。素早く踏み込み、懐へ入り――がら空きの体へと”会心の一撃”を叩き込む。


鈍い衝撃音が響き、男の体がくの字に折れ曲がり男は吹っ飛び――そのまま地面へと倒れた。


この2対2の勝負は、悠真と雪の勝利で幕を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ