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『神の手違いが生んだ報われぬ者の転生録』  作者: Lark224a


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第69話 タッグマッチ⑰

《――悠真視点》


もう一人は雪に任せて俺は目の前の敵に集中する。


さっきの一連の攻防で分かったが、こいつが持っている戦闘の知識と技術は俺より圧倒的に高い。技術と知能は奴の方に分がある。俺が奴より上回っている物は――身体強化だ。


純粋な力と速度は俺の方に分がある。なら、それを活かして戦うべきだ。雪からもらったポーションのお陰で体のダメージは感じない今なら全力の身体強化を発動できる。


技術と知能の介入の余地がない。純粋な殴り合い‥‥下手な芝居はなしだ!!全力の攻撃を真正面から一点集中で貫く!!


強く地面を蹴り、その間合いを一瞬で埋める。そして、勢いが乗った渾身の右ストレートを放つが、奴は首を傾けて躱して拳は空を切る。だが、この一撃はあくまでも挨拶で、決定打ではない。


――決定打は、最後の最後に相手を仕留める時に放つものだ。


すぐに体勢を整えて二撃目の左のリバーの攻撃を放つ。


速度は俺の方に分があるので、二撃目のアクションは俺の方が速く”当たる”と思ったが、その拳は奴の左膝に阻まれた。


「まだまだ青いな~~。そんな攻撃‥‥当たるわけがないよなぁ~~。次は俺だよなぁ~~」


奴はそう言うと左膝を上げたまま完璧なバランスを保ち、流れるように左手を突き刺してきた。


普通は相手の急所に攻撃を仕掛けてくる。現に俺だって”顎とリバー”を狙ったが、こいつが狙ってきたのは俺の目だった。急な反撃と予期していない場所への攻撃に俺の対応は遅れる。


顔を全力で逸らして何とか攻撃を避けて、バックステップで距離を取ったが、完璧には避けられていなかったのか頬に鋭い傷が出来た。


「んぁ~~若い血は美味いなぁ~~。惜しいな~~今の完璧に決まったと思ったんだけどなぁ~~まぁいいや~~長く戦闘が出来て俺も嬉しいしなぁ~~。」


こいつ。マジで気持ち悪いな。こんな気持ち悪いくせに戦いに関しては強いのが、尚のことムカつく。絶対に倒す――が、熱くはなるな。ここで冷静さを失ったら絶対に勝てない。


やっぱり、予想通り。身体強化を持っている俺の方が「力と速度」には分があることが確信できた。なら、やっぱり攻め方は純粋の方がいいが、たった二回の攻防で技術の差が出た。


それを考慮すると、力ではなく速度を優先した方がいいな。奴が認識できないほどの速度で突撃して‥‥その体に一撃お見舞いする。


思い出せ。マンティコアとの戦いで見せた‥‥あの時の全力の走りを。あの時の速度は過去最高の速度だった。なんせマンティコアのブレスを完璧に避けたんだからな。


今ここで――あの時の再現をするだけだ。


俺は奴との距離をさらに空けて、ゆっくりと地面を蹴ってスタートする。


イメージするのは、あの走りをした自分の姿‥‥イメージしろ‥‥もっと低く‥‥もっと‥‥もっと‥‥回転させて‥‥一挙手一投足に力を込めて‥‥地面を蹴るッ!!


その瞬間――背中に翼が生えたのかと錯覚するほど、体が前へと引き出された。


景色が流れたのではない‥‥世界の方が、僅かに遅れたのだ。踏み込んだ足の感触も、空気を裂く音も、全てがワンテンポ遅れて追い掛けて来る。


るで、自分だけがこの場の時間から切り離されたかのように、俺の体は一直線に、奴の懐へと滑り込んでいた。


「はぁ~~!?」


奴が反応した時には、既に懐の中に入り込んでいた。右足を軸に体を捻り、そのまま全身の力を一点に集約させる。


――これで、終わりだ。


渾身の右ストレートを、奴の顔面へと叩き込んだ。

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