第5話 弟と姉と幼馴染。
お隣の白河さんと公園デビューを果たした結果、両家の仲は深まり家族ぐるみで出掛けるようになり、俺と雪はお隣から幼馴染へと昇格していた。
そして、今日も白河家は白瀬家へと足を運んでいる。
「でさ~あそこの人がね。」
「あ~それはとってもわかります。」
とママさん同士で仲良くママ友トークを繰り広げているなか、俺は雪のおもちゃになっていた。
「んだっ!!」
雪は俺の指を握るのが好きらしく、一緒に遊ぶ時はいつも“指を掴んで”笑っている。まぁ、俺としては無理におもちゃとかで遊ぶよりは手を犠牲にするだけで済んでいるからこれと言って嫌な感情はなく、こうしてされるがままになっている。
「んだっ!! だっ!!」
いつもなら片手で満足するはずなのに、今日は何故かもう一方の手も貸せとアピールしてきた。
えぇ‥‥両手はちょっと‥‥嫌だな。
俺は手を隠して片手で満足させて手を広げて勘弁してと言うが、雪は首をぶんぶんと振り回して手をジタバタさせて早く!! 手を貸して!! と言ってきた。
そこで俺は考えた。このまま嫌とお互いに拒否し合うと間違いなく雪が泣いてしまう。そうなると、俺が雪を泣かせたと母親に怒られる。それは両手が使えなくなるより断然めんどうくさい。なら、ここは‥‥。
雪と向かい合う形になって両手を差し出した。
俺の両手を見た雪は満面の笑みを浮かべて両手で遊び始めた。
「アハハハハっ!! んだっ!! んだっ!!」
楽しそうに俺の手で遊ぶ雪と、その遊びに耐える俺という構図が出来上がった――が、俺は考えが足りなかった。このまま雪とだけ遊んでいるなら何の問題もない。だが、家にはもう一人“子供”がいる。
「ただいまーーー!!」
と姉の声が玄関から聞こえて来た。どうやら幼稚園から帰ってきたらしい。
ヤバい!! 非常にまずいぞ!! このまま姉がリビングに来たら‥‥どんでもないことが起こってしまう。早くこの手を離さなければ!!
俺は急いで自分の手を引こうとするが、ガシッと雪が手を掴んでいて離れることが出来ない。
お前‥‥まだ赤ちゃんだろ!! 何で、こんなに力が強いんだ!! 早く離さないとヤバいんだよ!!
と願うも――ガチャとリビングの扉は開けられて姉が「悠斗ーー!!」と元気に入ってきて、俺と雪が手を繋いでいるところを見つかってしまった。
「何してるの!! 手を繋いじゃダメーーー!!」
当然の激怒からの俺に向かって全力ダイブをして俺を雪から引き剝がそうとするが、雪も簡単に離すわけがなく抱き着くようにして断固として離れなかった。
そして最終的には左半身は姉が、右半身は雪が陣取り、俺が自由に動かせる体は無くなった。
だから、嫌だったんだ。2人が揃うといっつもこれだ。雪だけなら手の犠牲に済む。姉だけなら頭のナデナデだけで済むのに、2人が揃うと全てが奪われる。
そして、こっから片方が帰るまでずっーーとこの体勢が続くのだ。本当に、勘弁して欲しい。
◇
とうとう‥‥この日が来たな。はぁ‥‥本当に辛くキツイ一週間だったが、どうにか達成することが出来たな。全てのウィークリークエスト達成だ!!
思い返せば“魔力の波動”を感じるとか意味の分からないものから“友達を作る”という一番苦手としているものまであったが、どうにかなったな。
さて、じゃあウィークリークエストの報酬を確認しますかと――クエストウィンドウを出した。
『1、魔力の波動を感じる。――達成』
『2、言葉を発する練習を10時間行う。――達成』
『3、体力のステータスを10にする。――達成』
『4、父母姉とコミュニケーションを500回とる。――達成』
『5、友達を作る。――達成』
《全てのクエストクリア!! クリア報酬と初クリアボーナスと特別ボーナスを贈呈します!!》
《クリア報酬より“全ステータス+10”。初クリアボーナスより経験値+500。そしてウィークリークエスト初クリアを祝してスキル“鑑定”を贈呈します。》
《ウィークリークエストが全てクリアに基づいてクエストが更新されます。》
1、魔力を100・頭脳を150まで成長させる。
2、スキルを成長させる。
3、言葉を発する練習を100時間行う。
4、父母姉とコミュニケーションを1000回とる。
5、親友を獲得する。
《ならびに獲得したステータスと獲得経験値によりレベルが上がりました。すべてを反映しステータスを変更します。》
白瀬 悠真 0歳 Lv1→5
・ステータス
体力 11→21→31
筋力 11→21→31
魔力 15→25→35
速さ 10→20→30
頭脳 18→28→30
魅力 11→21→31
精神力 14→24→34
運 20→30→40
・スキル
鑑定
・称号
なし
《――反映終了。》
《白瀬 悠真が一定のレベルとステータスを獲得しましたので、成長プログラムを開始します。
成長プログラムとは白瀬 悠真が日々の生活によって得られる学習をステータスへと変換するシステムです――以上で成長プログラムの説明を終わります。
また、もう一度説明を見たい場合はヘルプをご覧ください。》
えっーーーと、ちょっと待ってね。
色々と起こり過ぎて‥‥どれから反応したらいいのかが分からないんだけど‥‥つまり、俺が生活で勉強をすれば頭脳のステータスが上がり、俺が運動すれば体力や筋力が上がるってことであってるよな?
うーーーん‥‥ってことは、鍛えまくれば鍛えた分そのまま強くなるってことか‥‥よし、なら鍛えるか。




