第47話 騎士の生活。
東雲 咲の騎士になったことを家族に報告したんだけど、両親は凄く驚いていて”自分で決めたことなら頑張りなさい”と言ってくれたから親に関しては特に問題はなかったんだけど、姉がバチ切れてたね。
あんなに怒る姉を見たのは初めてだったね。
そんなに怒ることなのか?とも、思ったけど家族だからね。何かしら思うことが姉にもあったんだと思う、多分ね。でも、最終的には両親の説得もあって姉はしぶしぶ納得していた。
そうして両親が認めてくれて正式な騎士になることが出来た。
そして、騎士になって今日で丁度、一ヶ月になる。
最高の騎士を目指すと言ってしまった以上は、俺も努力して、騎士としての役割を果たせるようにと決めたわけだけど、正直‥‥騎士ってなにするの?っていう話で、俺は騎士が何をするのかを知らないで、受けてしまった。
結論から言おう。
この一ヶ月は騎士らしいことはほとんどしてない。人を守る為に戦ってもないし、重大な何かに巻き込まれることもない。別に事件を求めているわけではないから平和なことは凄い良い事よ。
でも、俺のこの一ヶ月は騎士というよりは完全に執事だったね。
学校の登校は咲を迎えに行くところから始まって、いざ学校に着いたら咲の勉強を見てあげて、昼食は俺が生徒会の仕事はない限りは一緒に食事を取るわけだけど、いきなり「食べさせなさい」とか訳の分からないことを言いだして、拒否すれば「私の騎士でしょ」と言ってくる。
これのどこが騎士やねん完全に執事やないかい。そりゃーこんな変な関西弁にもなるわ。
まぁ、でも‥‥そんな生活にも一ヶ月もすれば慣れるし、学校が終わればダンジョンに行くから、そこではちゃんと騎士らしく出来ているから、私生活をもう少し変えさせるよ。
ってわけで、今日もあのアホの姫さまを迎えに来ているわけだけど、そろそろ、この迎えも止めたい。
「何を止めたいのかしら?」
「あっ‥‥おはよう、咲。」
「えぇ‥‥おはよう。それで何を止めたいのかしら?」
「ん?そんなこと言ったっけ?俺、何も言ってないぞ?聞き間違いじゃない?」
「いえ。確実に止めたいと言っていました。私の耳が聞き間違えるなどあり得ないわ。」
「それは嘘だね。だって、この間の数学の授業で聞き間違えて「解く場所」を間違えてたよね?俺、この目で見て、この脳でしっかりと覚えてるよ。あれは聞き間違いじゃなかったのかな?」
「違うわ。あれは私が間違えたのではなく教師が間違えたのよ。ところで、今日のお昼は空いている?」
「あっ、話を変えた。」
「変えてないわ。もともと、お昼のことが聞きたかったのよ。さっさと、私の質問に答えなさい。」
「今日は特にないはずだよ。生徒会も、この間の会議で3週間後の一年のイベントについてはまとまっているはずだから、急な呼び出しもないと思う。」
「そう。だったら、お昼休みにおじい様に会いに行くわよ。」
「え?おじい様ってことは、学校の校長だよね?どうして?挨拶的な感じ?」
「それもあるわ。でも、用件は別よ。概要はその時に話すわ。」
「いやいや。今、話してよ。その時になって急なことを言われたらキツイでしょ。だから、せめて内容ぐらい知っておきたい。」
「ダメよ。さぁ~学校に行きましょう。」
「ちょっ‥‥咲!!」
こうして俺達は学校へと向かうのであった。




