第44話 唐突のご招待。
「異世界帰りの錬金術師は、祈る彼女と契約関係を交わして――世界を救う。」
https://ncode.syosetu.com/n6756lr/ 新作です!!
「悠真!!後ろよ!!」
「分かった!!」
と返事をして、後ろを確認することなく振り向きざまに回し蹴りを出すと、咲の言う通り蹴りは空中でハイ・ゴブリンに命中し、そのまま振り抜くと“ぶしゃーー!!”と頭が潰れた。
その後も戦闘は続き‥‥戦闘が終わった時には、床に大量のドロップ品が落ちていた。
戦闘が終わると、咲が近寄ってきて「ふぅ~~今のは少し危なかったわよね?」と、ドヤ顔をしながら言ってきた。
私が助けてあげたと言わんばりのその顔に腹が立ったが、助けられたことは事実なので「そうだな。助かった」と返事をすると、咲はすごく嬉しそうな表情をしていた。
恐らく、さっきのが咲のスキル“天啓”の効果なのだろう。スキルによって、本来なら感じられないものを感じ取れるようになり、ハイ・ゴブリンの攻撃を予見した。
最初はスキルの発動の感覚というものが分かっていなかった。だから、どれだけスキルを使おうとしても発動することはなかったが、魔物との連戦で、その感覚もなんとなくだが掴み始めていた。
そして、今回の戦闘で初めて開花した。一度スキル発動の感覚を掴んだ後は、体に完全に馴染むまで反復するだけで、マスターできるだろう。
咲のスキルは戦闘面ではあまり活躍は出来ないが、パーティーの頭脳として、将来は活躍できるだろう。
そうして咲が「スキルの発動」を完璧に出来るまで6層の探索を続け、スキルの発動をマスターしたのは1時間後だった。咲はもっと探索したいと言っていたが、初日から飛ばす必要もないので「ここまでだ。」と言って、無理やり切り上げさせた。
そして、その後はギルドへと戻り、換金を済ませた。お金に関しては折半にしようと思ったのだが、咲が「要らないわ。あなたが全て受け取りなさい。」と言うので、全て受け取ることとなった。
そして、すべてが終わり解散となる‥‥はずだった。
◇
「あの~~これはどういうこと?何で‥‥俺は咲の家にいるんだ?」
「だから言ったじゃない。私の騎士をお父様に紹介する必要があるから、家に来なさいって。」
「うん、そう言われたから断ったよね?この時間から行くと、約束の時間まで家に帰れなくなるって。そしたら咲も『分かったわ。じゃあ家まで送ってあげるわ』って言ったのに、何で着いた先が咲の家なんだ!!」
「そうね。何もおかしなことはないわね。私は『家まで送る』と言っただけで、悠真の家に送るとは一言も言ってないし。そもそも、あの時私が言った『分かった』っていうのは、そういうことならご家族には私から言っておくから心配しないで、という意味の『分かった』なの。」
「こいつ‥‥本当に‥‥いい性格してるねぇ。覚えてろよ。絶対にいつかやり返してやるからな。」
「ふふ。騎士が守るべき姫に、そんな口を利いてはダメよ。」
「‥‥ソレハ、ドウモスミマセンデシタ。」
こうして、法律ギリギリの、半分拉致されたと言っても過言じゃない方法で咲の家へと連れて来られた俺は、あの大グループでもある東雲グループのCEOでもあり、東雲 咲の父でもある「東雲 源蔵」と顔を合わせることになった。
正直、どんな顔で会えばいいのか全く分からないので、とりあえず“学校”の時の俺の“良い子ちゃん”モードで会うことにしよう。あっちの顔であれば、然程のことがない限り、相手を怒らせることはないはずだ。
そうして、咲の案内を受けて、騎士としての挨拶をしに行くのであった。




