表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『神の手違いが生んだ報われぬ者の転生録』  作者: Lark224a


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/39

第38話 Eランク。

「じゃあEランクになった悠真に朗報です。Fランクでは1~5層の間でしか探索することが出来なかったと思うんだけど、Eランクでは15層まで探索が可能になります――パチパチ。


ただ、深く潜れるようになるということは、もちろん出てくる魔物も強くなります。6層からはFランクの魔物が出てくることはなく、最低ランクもEになるし、10層以降からはDランクの魔物もちょくちょく出てきます。


うちのダンジョンだと“ハイ・コボルト”や“ハイ・ゴブリン”が一番多くて‥‥特殊個体で“シャーマン”や“エリート”個体が出てくるようになるから、しっかりと準備しておくこと。特に悠真はソロだから、準備は念入りにね。


あと、悠真はしないと思うけど、Eランクから正式にクランを立ち上げることが出来るようになるの。だから、そういう仲間にしたい人と出会ってクランを立てる時は、遠慮なく私に言ってね。


ランクアップで出来るようになるのは、これぐらいかな?何か質問はある?」


「クランを立てると、どういったメリットがあるんですか?」


「メリットか。ぶっちゃけ、クランを立てるだけじゃあメリットはないんだよね。立てたばっかりの時は、人を雇うお金も無いし、知名度もないからスポンサーも取れない。だから、立てるだけ立てて活動してないクランもたくさんある。


じゃあ、何でわざわざクランを立てるのかと言うと、そこに“夢があるからだ”と私は思うよ。


何か一つでも偉業や珍しいことを成し遂げられれば、知名度も上がって優秀な人が入ってくる可能性もあるし、スポンサー契約だって取れるようになるかもだから。夢だよ‥‥クランは。」


「なるほど‥‥夢ですか。」


クランっていうのは、要は“会社”だ。


自分の会社を立てる人は、その会社が日本を背負って立つぐらいの大きな会社になる未来を想像し、一生懸命に活動をするが、現実は甘くなく、想像通りに物事が進むことはなく倒産する。


その姿が、活動しなくなったクランなのだ。


なら?今の俺がクランを立てればどうだ?俺には財力はないが――力はある。それも、ただの力じゃあない。Sランクと同等、あるいはそれ以上の力を持っている。


この力があれば、クランを立ててもやっていけるんじゃ‥‥いや、ないな。だって俺は、人を信用しないから。俺が信用するのは、俺自身と家族だけだから。


「で、他にはある?」


「いや、大丈夫です。ありがとうございます。」


俺はそう言って、新しくなったギルドカードを受け取り扉に手を掛けた‥‥その瞬間だった。


ギルドの自動ドアが、こちらが押すよりも先に開き外の光が差し込み、そこに立っていたのは見慣れた制服姿。学校という閉じた世界の色が、そのまま切り取られたようにギルドの中に紛れ込んでいた。


一瞬、状況を理解出来なかった。


ここはダンジョンに向かう者と、帰ってきた者が交差する場所だ。命の値段が、数字としてやり取りされるそんな危険な場所に――東雲咲が、当たり前の顔で立っている。


現実感が、一拍遅れて追いついてくる。


「はえ?何で‥‥ここにいるの?」


「ふふ。お父様に聞いて、悠真が八王子で活動してることを知ったからよ。今日からEランクになったのでしょ?私も一緒にダンジョンに付いて行くわ。」


「はぁ!?」


目の前で起きていることの情報量が多く、パニックを起こしていると、後ろで加藤さんが「悠真‥‥その人って、まさかあの東雲グループの御令嬢じゃないよね?」と話しかけてくるのだった。


俺は、この二つの状況をどうにかしないことにはダンジョンには行けないと判断し、とりあえず二人を連れて静かに話せる場所へと向かうのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ