表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『神の手違いが生んだ報われぬ者の転生録』  作者: Lark224a


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/41

第31話 初めて魔物。

探索者登録を終えた俺は“加藤さん”からダンジョン内でのいくつかの注意事項を聞いて、いよいよダンジョンに潜れるようになった。


あ、因みに加藤さんっていうのは受付嬢の名前で、これから加藤さんが俺の担当になってくれる。担当っていうのはダンジョンで出た物を換金したり、オークションに出したりと、簡単に言えば事務処理をしてくれる人だ。


一人の受付嬢で10パーティーぐらいの担当を持っていることが普通だ。加藤さんも以前は何十パーティーもの担当をしており、東京中でも優秀な受付嬢とのことで、そんな人に専属で担当してもらえる俺は運がいい。


さて、余談もこれぐらいにして――行くか。


学校の門よりも遥かに大きな門がある。中学の入学式では、その門に対して何も思うことも感じることもなかったが、この門は違った。


俺の心は明らかに強く脈打ち、体の奥からは楽しみで仕方がないほどの“熱さ”を発していた。そんな自分を見て“何だ‥‥俺もまだまだ子供だな”と思ってしまうほど、ワクワクしていた。


薄っすらと笑みを浮かべながら、門に向かって走り出すのだった。



『ダンジョン』それは全てが詰まっている場所だ。


例えば万病に犯され、もう死を待つだけの人生だとしても、ダンジョンであればそれを救うことができる。もちろんそれだけじゃない。ダンジョンであれば“お金”“名誉”“地位”と、人が求める物の大抵は手に入れることが出来る――まさに夢を叶える為の宝庫と言える。


だが、夢を叶えるということにはそれなりの代償が伴うのが常であり、ダンジョンに潜るということは死と隣り合わせであるということだ。現にダンジョンでは今だに世界規模で毎日数万という怪我人を出し、数千という死者を出している。


しかもこの数字は目に見える範疇での話で、誰にも知られずに孤独に死んでいる者もいる。


そんな死と隣り合わせの仕事だと皆が分かっているが、誰もダンジョンから逃げようとはしない。何故なら人は夢の為に生き、夢の為に死ぬ生き物であるからだ。


そして今日も夢を掴む為に『一人の青年』がダンジョンの中に入るのであった。



「ここが‥‥ダンジョン。」


壁は洞窟のような岩壁で出来ており、試しに身体強化をして殴ってみたが、まるで効果がなかった。これは加藤さんから聞いていた注意事項の一つで、『ダンジョンの壁は通常破壊することは出来ない』という話の通りだった。


他にも注意事項がある。


『宝箱にはトラップがあるので容易に開けてはいけない。』


『ダンジョン内のマナが急激に増えた時は、何か危険なことが起きる前兆なので、すぐさま脱出し、ギルドへの報告が義務付けられており、この報告を怠れば罪に問われる可能性があるので注意しましょう。』


『ダンジョン内でのトラブル、または人同士の争いは禁止で、その事実が分かり次第『探索者の資格』が剥奪となり、その度合いによっては罪になります。』


『ダンジョン内で怪我をして動けなくなった場合は、むやみやたらに動かず、他の探索者が来るのを待ちましょう。』


まぁ、その他にも色々な規則やら注意するべきところはあるが、要するにルールを守って問題は起こさず、出来るだけ安全に探索をしてくれってことだ。


それだけを意識しておけば特に問題になるようなことはないと、ダンジョンの中を歩いていると‥‥探索者になって第一号の魔物と接敵した。


「グへへ‥‥」


肌の色は緑で、顔は醜い鬼のような顔つき、体は小柄で俺の膝ぐらいの大きさ、手には木で出来た棍棒を持っていて、探索者であれば全員一度は倒したことがある『ゴブリン』が現れた。


「うわ~~本物のゴブリンだ。アニメやら漫画では醜い顔として描かれていたが‥‥本当に醜い顔をしてるんだな。」


ゴブリンに対しての恐怖はなく、寧ろ実物を見れたことに対する関心の方が強くあったので、特に意味はないが「鑑定」を使って調べることにした。


名前 ゴブリン 性別♂


ステータス


体力 10

筋力 8

魔力 0

速さ 11

頭脳 2

魅力 -30

精神力 10


スキル

繁殖Lv2


生態

個体の能力は低いので群れで行動していることが多い。個体はオスしかいないので、人間の女に種を産み付けて何匹も繁殖させる、女性にとって最悪な魔物。


「うわ~~顔だけじゃなく生態までゴブリンとか‥‥本当にどうしようもないな。」


ゴブリンに対してドン引きしていると、ゴブリンはよっぽど腹が減っているのか、醜い顔がさらに歪み、俺を見て舌なめずりをしていた。


流石に見るに堪えないので、さっさと殺して進もうと決めてゴブリンへ近づくと、相手は何の警戒もなく飛びかかって来たので、ヒョイと躱した勢いのまま体を半回転させて、後頭部にかかと落としをかました。


――ビシャ!!と、周りに紫色の血が飛び散った。


そしてゴブリンの頭は跡形もなく吹き飛び、首から下だけが残るが、絶命したことで体が灰のようにポロポロと崩れていき、最後は米粒程度の魔石だけを残して消えた。


「これが魔石か。確かゴブリンのような雑魚の魔物から取れる魔石はFランクで、100個集めてようやく1000円になるんだよな。これなら集める意味はないな。」


と思っていると、脳内に『初めての魔物の撃破によりボーナスを支給します』と、いつものあの声が聞こえた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ