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『神の手違いが生んだ報われぬ者の転生録』  作者: Lark224a


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第26話 新入生代表の挨拶。

「続きまして、新入生代表による挨拶です。新入生代表――白瀬悠真。」


「はい!!」


新入生代表として呼ばれる悠真に、生徒とその保護者の視線が集まるなか、悠真は特に緊張を見せることなく、れっきとした態度で壇上へと上がり、代表としての挨拶を述べ始めた。


『新入生代表を務めさせて頂きます、白瀬悠真です。


本日は私たち新入生の為に、このような立派な入学式を開いて頂き、ありがとうございます。


私たちは今日から、この白王中等教育学校の生徒として新たな一歩を踏み出します。期待と不安が入り混じる中で、それぞれが違う思いを胸に、この場に立っていることと思います。


ですが、この三年間は、ただ勉強や成績だけで決まるものではなく、何を考え、何を選び、どう行動したかという“自分自身の在り方”が問われる時間でもあります。


この学校には、様々な考え方や価値観を持った人が集まっています。その中で時に意見がぶつかることもあるかもしれません。それでも、お互いを尊重しながら学び合える環境を、私たち自身の手で作っていけたらと思います。


私自身、まだまだ未熟ではありますが、新入生代表として、皆さんと共にこの学校生活を歩んでいく覚悟です。


どうかこの三年間を、後悔のない時間に出来るよう、共に努力していきましょう。』


壇上で話す悠真は、日々のトレーニングのお陰もあってその体格は中学生とは思えないほど成長していて、話す姿は“王子”のような風貌を醸し出しており、既に何名かの女子生徒は魅了されてうっとりしてしまっていた。逆に男子生徒は、そんなイケメンの悠真に男としての嫉妬心を向け、既に敵として認識するのだった。


そんな女には好かれ、男には嫌われた悠真自身は、他の生徒など全く目に入ることはなく、心の中にあるのは『早く帰りたい』という気持ちだけだった。


そんな悠真の挨拶も――


『これをもって、新入生代表の挨拶とさせて頂きます。』


代表の挨拶を無事に終えると、進行的にも何もないので入学式も終わり、一年生たちはそれぞれの担任の後に続いて、保護者達の拍手の中を歩いて体育館を出て行った。



新入生代表の挨拶をやり遂げた俺は、黒板に貼られた座席表から自分の席を見つけて座り、目を閉じて気を休める。


はぁ‥‥終わった。マジで疲れた。


何で今年に限って推薦組じゃなく一般から代表を選ぶんだよ。別にテストの点数が良くても、面接の結果が良かったとしても、推薦組でいいだろう。それにだ。向こうは、これからお家のやり取りとかがあるんだから、俺がやるよりそっちがやった方が練習にもなるのに‥‥何で、俺なんだ。


俺の心の中は愚痴塗れで、一刻も早くこの責任から逃れたいことしか考えていなかった。


まぁ、前期だけだ。前期が終われば生徒会も辞められるわけだし‥‥前期だけ、前期だけ‥‥我慢だ。と自分に言い聞かせるのだった。


そうしていると「みんなおはよう!!」と元気よく教員が入って来ると、チョークを持って黒板に『清水 照美』と書いた。


「初めまして。清水(しみず)照美(てるみ)です。この度、皆さまの4組の担任になりました。担当の教科は数学です。担任を持つのは初めてで、間違えることもあると思います。だから、自分もみんなと同じで新しい生活を過ごして行きますので、同じ初めて同士で、この一年間を楽しく過ごせればいいなぁ~と思っています。一年間、よろしくお願いします。」


担任は女性で、見た目的には恐らく20代だろう。若くして担任を任されるということは、それだけの実績を持っているのだろう。じゃないならお家の力でも使ったのだろう。OBの生徒が推薦をもらえるなら、先生も優遇されてもおかしくない。


まぁ、俺は誰が担任でも別にどうでもいいけど。


などと考えていると、担任が「自己紹介をしてもらいます。じゃあまずは、新入生代表の白瀬くんから」といきなり俺を指名してきた。


こういうのって普通は端から始めるものじゃないのか?何でほぼ真ん中の俺から?まぁいいか。どのみちするはめになるんだから。


席から立ち上がった。


「初めまして、白瀬 悠真です。第一小学校から来ました。この学校には特に知り合いなどはいないので、仲良くしてもらえたらいいなと思っています。一年間よろしくお願いします。」


と挨拶を終えると、担任が不満そうに「それだけ~?趣味とか?好きな物とかはいないの?」と言ってきて、こいつ、と思ったが、まぁ‥‥我慢しよう。俺は寛容だから。


「趣味は“トレーニング”です。筋トレやら運動を日々していますが、部活には入るつもりはないです。好きな物は‥‥ないですね。」


「好きな物がないってなに?食べ物とかゲームとか、何でもいいんだよ?何かない?」


「うーーーん‥‥無いですね。強いて言うなら、寝ること?ですかね。」


「な、なるほど‥‥寝ることね。いいよね!!うん、寝る子は育つっていうし!!じゃあ、前に行こうか!!」


と担任は明らかに動揺して次の番の人に回したので、釈然としない気持ちで席に座った。


何だよ‥‥好きなものがなくたって別にいいでしょうが。誰かに迷惑を掛けているわけでもないんだから、まだ見つかってないだけの話なのに、おかしいみたいな感じで扱ってきて‥‥凄くうざいわ。


と、自己紹介を聞く気がなくなったので、耳をシャットダウンさせて自分の世界へと引きこもるのだった。

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