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『神の手違いが生んだ報われぬ者の転生録』  作者: Lark224a


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第21話 同じ道を。

「鑑定を始めます。」


鑑定士は俺の顔の前に手を向けて鑑定を始めた。


初めて俺じゃない人の鑑定をしているところを見るが、俺の鑑定は相手を見るだけで、どんなスキルを持っているかだけじゃなく、相手の名前、年齢、スキルの詳細、アイテムと、見れないものはないと言える。


これが出来るのは、俺の鑑定のスキルのレベルが高いからだ。


もし、ここにいる鑑定士が俺と同じレベルの鑑定を持っていれば、国で管理され、もっと重要な鑑定を任されているだろうから、この鑑定士のレベルはせいぜい2か3ぐらいだろう。


鑑定士は手元の画面を見つめたまま、しばらく動かなかった。瞬きもせず、まるで表示されている数字を何度も頭の中で確かめているような、そんな沈黙だった。


そんな沈黙を壊すように、鑑定士が椅子から急に立ちあがった。


椅子が床を擦る音がやけに大きく響き、鑑定士の呼吸が僅かに乱れているのが分かった。それだけで、この人が見ているものが“普通じゃない”と嫌でも伝わってくる。


それも、そのはずだ。姉が成長したように、俺のスキルもこの7年で大幅に化けている。


白瀬 悠真 12歳 Lv33


・ステータス


体力 443

筋力 421

魔力 410

速さ 390

頭脳 514

魅力 50

精神力 523

運 60


・スキル

鑑定Lv5・身体強化Lv3・探知・自然治癒・速読Lv3・言語理解Lv3


・称号

なし


この7年で俺のステータスは、ここまで変化を遂げていた。鑑定はLv5で、これは探索者が持つスキルのなかでは最高レベルで、これ以上の成長をすることはないと言われているが、俺はこの先があると思っている。


そして日々のトレーニングと勉強のお陰で、身体強化と速読・言語理解のスキルを手に入れていた。このスキルのお陰で勉強は随分と楽になったし、トレーニングもどれだけしても疲れなくなった。


こうして俺は普通の人間を辞めたわけだが、別に俺のやることはこれからも変わらない。


「‥‥鑑定は終わりましたよね?じゃあ、自分はこれで失礼します。」


「ちょ、ちょっと待ってください!!あなた‥‥自分がどれだけの力を持っているのかを知ってますか?こんな力を放置できません!!」


「知っていますが‥‥それを決めるのはあなたじゃないでしょ?あなたはただの鑑定士だ。ただの鑑定士が口を出していいことじゃあないと思いますけど‥‥それは理解できてますか?」


「それは‥‥そうですね、失礼しました。はい、鑑定は無事に終わりました。ただ、あなたの鑑定結果を然るべきところに見せることになります。それでもよろしいですね?」


この人が言いたいことは“この結果を見せることで、あなたは普通の生活は送れなくなります”と言っているのだ。そんなの別に大した問題じゃない。既に、何個かの解決方法を持っている。


「はい、問題ありません。好きに見せてあげてください。それじゃあ。」


と部屋を出て、姉のところに戻った。


そして悠真が出て行ったあと、鑑定士はこういった大物が現れた時用に決められていた規則があり、それ通りに行動しなければならなかったが、鑑定士は一度、深く息を吸ってから机の上の受話器を見つめた。


鑑定士は極度の緊張状態だった。


これから自分がするのは、訓練で何度も聞かされてきた“想定上の対応”で、実際にそれを使う日が来るなど、誰も本気では考えていなかったはずのものが、自分の目の前で起きたのだ。


夢かと思って何度も鑑定結果を見直したが――画面に映る数値は変わらず現実だった。なら、鑑定士は最後にふぅ~と一息吐いてから受話器を取って報告を開始した。


「Sランク以上の素質を持つ者を発見しました。対象の名前は白瀬 悠真。鑑定結果をデータで送ります。」


いざしてしまえば簡単な報告だった。だが、その内容は重く、その重圧から解放された鑑定士は椅子にへなへなと座り、何度も深呼吸して体を静めていた。


これで明日には悠真の能力が国・クラン全てに伝わるだろう。それはもちろん、雪が契約したクランにも伝わることだろう。これから始まるのは悠真を狙った争奪戦だ。金・物・人と、ありとあらゆるものを使って悠真と契約しようとする組織が現れるだろう。


それほどまでに悠真が持っている力は絶大なのだ。鑑定Lv5は世界で見ても2人だけで、その人物を一時的に雇うだけで国家予算並みの金額が動くほどだ。


そんな人物を自分のクランに入れることが出来れば、それは金と利益を常に生み出す木になることは間違いないだろう。


そして翌朝、悠真の予想通り“家には国のお偉いさん”がやってきて「家で契約しないか?」とすぐに契約を持ち掛けてきた。

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