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死神の尋問

突然現れた黒縁眼鏡の男も死神なのだろうか、そのことを確認しよう紫音の方を見た聡介はその顔が真っ青になっているのを見て事態が刃物を持った男から逃げ回っていた時よりもよろしくない方向に向かっていることを知った。

 恐怖する紫音と完全に状況を把握しきれていない聡介に対してその男は問いただす。

「確認ですが、あなたたちはこれまでもいくつかの運命を変えて来ましたよね?」

「いえ、そんなことはありません。今日だけです!」

「では今までは如月聡介が単独で行っていたと、、、」

「え?あんたそんなことやってたの?」

「ん、まぁ結果として、、、」

「ちょとぉ~、あんたが余計なことするから目つけられたんだわ。最悪!」

 男の口から自分の名前が出てきたことで緊張のレベルが一段階上がった。

「死神のあなたは運命を故意に変えることが重大な規律違反であることは当然しってますよね。」

「、、、、はい。ただ先ほど彼が言ったように結果として運命を変えてしまったようで、、、」

「本当にそうでしょうか?」

「、、、それは、、、、」

「そもそも眼鏡を渡す際に、運命を変えてはならないことを伝えていましたか?」

「いえ、そんなことをするとも思っていませんでしたので、、、以後気を付けます。」

「では、彼がやってしまったことについてはたまたまだったとして、、、、死神であるあなたが何故彼が死ぬはずの運命を変えたてしまったのですか?」

「、、、それは、、、、」

 完全に防戦一方となった紫音は言葉に詰まりその場に長い沈黙が訪れた。


「恐らくこの状況ってヤバいよね?」

 騒ぎを聞きつけた警備員たちがこの場に向かっているので場所を変えましょうという死神の提案で三人は人目を避けつつ移動していた。

 男の後ろに続いて歩きながら聡介は小声で紫音に話しかける。

「、、、、とっても。」

「当然、彼も死神だよね?」

「、、、うん。最初会った時に言った鎌持ってる系の。人間も死神もバッサリいける。」

「あぁ、そう。っで、でも俺の炎も緑に戻ってたんだよね?」

「大丈夫、そういう理を一切合切無視していけるらしいから、、、、」

「あぁ、そう。ヤバいね。」

「えぇ、とっても。」


「この辺でよいでしょうか。」

 そう言うと男は立ち止まった。ショッピングモールの駐車場の更に奥、今後駐車場が拡張される時のための予定地なのだろうか人気は一切ない。ここでバッサリやられてしまうのだろうか、半分諦めに近い境地となっていた。

「それでは早速先ほどの続きを。何故あなたは運命を変えてしまったのですか?」

「彼にはまだ聞きたいことがあったからです。」

「それはどんなことですか?」

「言えません。」

「、、、そうですか。」

 再び沈黙が訪れるのかと思った矢先に男はある名前を出してきた。

「聞きたいというのは御堂巌の居場所ですか?」

「ミドウイワオ?そんな名前の人を俺は知りませんけど?」

 全く聞き覚えのない名前にそう答える聡介に対して、紫音の驚いた表情はそれが本質であることを語っていた。

「我々は処罰されるのでしょうか?」

 声を絞りだす紫音。

「そうしたいのは山々なのですが、上からはそこまでする必要がないと言われてしまっています。残念ながら今日は警告までです。

 次はありませんよ?」

 その後ナイフを持った男との関係等いくつかのやりとりをして日野と名乗り死神は帰って行った。緊張の糸が完全に緩み聡介と紫音はその場にしゃがみ込む。

 二度も命の危機にさらされた長い一日がようやく終わりを迎えるのだった。

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