死因との遭遇
聡介はショッピングモールのフードコートでコーヒーを飲み紫音の到着を待っていた。
周りを見渡してみる限り赤や黄色の炎は目に付かないのだがここなら安全なのか、自分を見殺しにしようとした死神を本当に信じてしまって良いのか、朝の電話のやり取りを冷静に思い返してみる。
「生きてる?良かった、家に居るんだったら今すぐそこを出て!」
電話に出た聡介が文句を言う前に紫音はまくしたてる。
「どういうことだよ?」
「今日、あんたの家に強盗が入るの!あんたはたまたま居合わせて殺されちゃうの!」
「はぁ?何でそんな、、、家には金目の物なんかないぞ?」
「んもぉ、いいから早く出なさいよ!こっちだってかなりのリスク覚悟でその情報手に入れたんだから、、、」
「ってかお前、、、俺が死ぬ運命だって知ってて黙ってたな?」
「、、、、それは今置いといて、あんたに今死なれたら困ることになったのよ、早くそこを出て!」
懐かしさすら感じる理不尽。
そして詳細は後で話すからとこのフードコートが指定され今に至る。
時間を守るという概念がないのであろう約束の時間から20分ほど遅れて紫音が合流した。
そしてその第一声は遅れたことに対する謝罪ではなく非難の言葉であった。
「ちょっと、、、何で炎が赤いままなの?」
「やっぱり?来る途中にそれとなく確認したけど緑には戻ってないよな。」
「う~ん、、、、って何で眼鏡なしであんた見えるの?」
「何か急に見えるようになった、実はそのちょっと前から霊魂の声も聞こえてる。」
「そうなんだ、前そんなこと言ってたわね。」
「意外とすぐ受け入れるんだな。」
「まぁ、死神の能力を受け継いでいても不思議ではないし、私と接触したことにより影響受けた可能性もあるわね。」
「?話が全く読めないんだけど、、、、」
「それがあんたに死なれちゃ困るってことに繋がるんだけど、、、、」
紫音が言いかけた時に後ろから大きな音と女性の悲鳴が聞こえた。
振り返った二人が目にしたのはサバイバルナイフを構えた男の姿であった。
、、、、またかよ。
一瞬そう思わずにはいられなかったが前回出張先で見かけた男とは違い目は充血し口からは泡が噴き出しているその様子から今回はすんなりお引き取り頂けないだろうと即座に考えを改めた。
「見つけたぞぉ、如月聡介ぇ~。」
自分の名前が不意に呼ばれターゲットが自分であることを知った。
「お前、、、まさかはめた?」
紫音を睨むが驚いた顔をしているのは彼女も一緒でどうやら完全にイレギュラーらしい。
「何で?予言の書と違うじゃん、、、、あんたそんなに恨み買うようなことしてんの?」
「んな訳ないだろ、俺はしがないサラリーマンだぞ。」
「無理やり何かを売りつけて一家をめちゃくちゃにしたとか?」
「うちの会社はそんなブラックじゃないよ!」
そんなやり取りをしている間にもナイフを持った男はどんどんと近づいて来る。
「何かバ~ンとやっつける術みたいなの無いのかよ、死神って?」
「あることはあるけど、、、ここじゃねぇ。」
「じゃぁ。」
「とりあえず逃げる!」
二人は男が居るのとは反対方向に駆け出した。




