若き電子の神は、愛し子を囲う。前編3分の1
読んでくれてありがとうございます。
時間に余裕のある方はできれば『ゲーム友達に首噛まれた。』を読んでからきてください。
電子神として生まれて8年。
11年を超えると何の神になるのか決めないといけなかった。
何になりたいかその時の私は決まっていなかった。
私が守護すべきヒトはどんなものか詳しく知りたくなった。
ヒトの考えを知りたかった。
だからゲームを始めた。
だからゲームに強くなった。
強い人ほどたくさんのヒトが寄ってくる。
誘いに乗ってあげて一度遊んだらすぐに、誘ってこなくなる。
自分を調べれば、ついていけない、協調性がないと書き込まれていた。
強いものについていけないのが良くない。
自分が強いだけで、何も悪いことはしてない。
そんなつまらない日々を過ごしていた。
このゲームで勉強できることはない。
人なんて受精細胞の状態のまま保存しておけばもっとこのコロニーの管理は楽になると思う。
そう思いつつ、今日もフレンド申請を受け入れ、共同クエストに挑む。
二人以上でないと進まないクエストをやりたかったから。
申請者の名前はヒーラか。
いかにも初心者という装備をしている。
数分でチーム解散になりそう。