↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/106

74話 百獣夜行

オデコちゃん達を見送り開け放たれた拠点に入る。


中に入るとアオバラとサクラ、その他パイア戦に参加していたメンバーがいて他にも百花絢爛のサイトやムネトの主要なメンバーとワルキューレのティアーナとディアナもいた。


アカツキはいない様でひと安心。

アイツがいると色々とややこしくなるからね。


自分は端の方の席を探して座る。隣には誰もいない、ポッカリと空いた空間に座った。

そして両サイドをハクレンとケイトで埋める。

因みにハクレンとケイトを連れてきたのは、このためでは無い。断じてない。


にしても勢揃いって感じがするな。

ひょっとして、自分が最後だったりしたかな?


スタスタと前の方に座っていたサクラが目の前まで来る。


「パイアの件はこの会議が終わり次第、話しますので残ってくださいね」

サクラはそれだけ言い放つと颯爽と自分の席に戻る。

ひええ、なんか怒られるかと思った。

あの威圧的な態度はなんとかした方が良いと思う。


「すみません。少々遅れました」

そう言って入ってきたのは以前、従術士ギルドで会ったガットさんだった。ガットさんの後を追う様に1人の女性プレイヤーも入ってきた。

ガットさんは進化の事を教えてくれたとても親切な人で確か何処かのクランの団長をしていたはず。


どこのクランだったかは忘れた。と言うか教えてもらったかな。


ぼーっとガットさんを見ていると此方に気づいた様で、足早に近づいてきた。


「お久しぶりですね。ミヅキさん」

「どうも」

相変わらず巨体の割に紳士的な雰囲気を醸し出してんな。


「なっ⁉︎ガット様になんて態度をとっているんですか!まずはガット様が挨拶してくださっているのですから立ってちゃんと返事をしなさい!」

ガットさんの背後をついて来ていた女性プレイヤーが突然、怒り出した。


こう言うタイプの人か。面倒臭いタイプの人だ。


「いやいや、マルグリットさん。ミヅキさんは私の友人ですから大丈夫ですよ」

「いえ、しかしガット様。ガット様は我々の団長です。そんなガット様が舐められてはこの場にいない他のクラン員に私が叱られてしまいます」

ええー、コレは困った。

自分が今口を挟むと余計にややこしくなりそうだから、何も言わないがコレって自分が悪いのかな。

自分の態度が悪かったんだろうなぁ。


「まぁまぁ、落ち着いて。私が大丈夫だと言っているんですから大丈夫ですよ。もしそれでマルグリットさんが責められる様な事があれば私に教えてください。マルグリットさんは私が守って見せますから」

「ガット様...」

うわぁ。なんか、ガットさんはあくまで紳士的に対応してる感じなのに、マルグリットさんって女性は心酔してる感じがする。


「ミヅキさん、改めてましてお久しぶりですね。ミヅキさんの猫ちゃんは進化いたしましたか?」

「えっ、ええーと。ええ、進化しましたよ。今日は連れて来ていないですけど、ホワイトキャットになりました」

「ほうほう、やはりそうでしたか。実はミヅキさんとお会いした後、他の子達も進化いたしまして、その中にミヅキさんと同じホワイトキャットに進化した子がいたんですよ。そうなると今判明している進化先はブラックキャット、ホワイトキャット、魔猫、化猫、猫又の5種類でしょうか」

5種⁉︎聞いた事がない名称が出て来た。

ブラックキャットと魔猫は以前聞いてたけど、化猫と猫又は聞いた事がない。


「ああ!すみません。ミヅキさんは知りませんでしたね。まず化猫は『変化』を覚えている猫が進化する種族です。猫又は卵から孵化させて進化させた猫が進化する種族です。卵から孵化した猫が『変化』を覚えていたら、化猫に進化しました。いやあ、奥が深いですね。まさかこんなに進化先が分かれているとは思いませんでした。もしかしたら、これ以外の進化先もまだあるかも知れません。楽しみですよ」

確かにこんなに進化先があるのも驚きだが、ガットさんが少なくとも5匹以上の猫を『テイム』している事が1番の驚きだよ。


この人どんだけ猫好きなんだよ。

いや、仮にガットさんのクラン内に他にも猫を『テイム』している人がいて情報を共有しているって事であればガットさんが猫を5匹も『テイム』する必要はない。

それにしても何で猫の情報だけなんだよ。


「おや?ちょっとお話に熱中しすぎた様ですね。では、この場は失礼いたします。是非、私共のクランホームに遊びに来てくださいね」

「失礼致します」

そう言ってガットさんとマルグリットさんは前の方の席に移動して行った。今はアオバラと喋っている。

多分、ガットさんのクランと協力する事になるのだろう。


その後、暫くすると会議は始まった。


「...では、初めに皆さんも気になっているかとは思います。こちらにいらっしゃるのは百獣夜行の団長のガットさんです。今回の島を徘徊しているボス級モンスターの討伐、及び恐らく最終ボスであろうテュポーンの討伐まで、正式に協力する事となりました」

とサクラが話し出す。


えっと、百獣夜行って聞いた事があるな。

確か、百花絢爛と神楽騎士団に並んで現状、攻略組と呼ばれるクランだった気がする。


ガットさんってそんな凄い所の団長だったの?知らなかった。まぁでもよくよく考えればアオバラと同列と考えれば別に大した事も無いな。

強くはあるんだろうけど、別にそれでどうにかなる訳では無いし。

ただ、戦いたくは無いかな。


その後はサクラから今後の予定と作戦が伝えられる。

現在、中堅クランからクラン未所属のプレイヤー達がゾロゾロと西側から此方に流れて来ているとのこと。


しかも、比較的西側に位置していた一つ目の拠点場所、現在は神楽騎士団に攻撃を受けて殆ど廃墟とかした拠点を中心に行動しているらしい。


捨てた拠点を自由に使うのは良いのだが、ここの拠点からさほど離れている訳では無い為、此方の活動の邪魔になっているらしい。

具体的に言うと獲物の取り合いや資源の奪い合い、単なる隣人トラブルなどなど、あげればキリが無いほど。


まぁVRMMOというゲームをやっている以上そう言ったいざこざは避けて通れないと言うのは百も承知であるが、なんとかしたいと言うのがクランの総意である。


では、どうするのか。

簡単な話、彼らが西側の拠点を追われた元凶を絶ってしまえば良い。

じゃあ、元凶って何よ?って事になるのだが、困った事にヒュドラと言う毒を撒き散らす最悪生物である。


そんな奴相手にするだけ無駄ですよー。辞めときましょうよー。って意見も出たらしいがそもそもの話、我々はイベントのクリアを目指している。

もっと具体的に言えばイベントで活躍してクランの名を上げ、運営から良い報酬を頂きたい。


現状はテュポーンが強すぎて倒せる見込みはないから、周りに徘徊しているボス級のモンスターを倒すしかイベントを進める方法は無い。

だったら、ヒュドラを倒すしか無いでしょう。って事だ。


ただ、ヒュドラなんて倒せそうに無いから百獣夜行と協力して倒そうって事らしい。

百獣夜行としても倒したいボス級モンスターがいるらしく、それに協力してくれとの事。


百獣夜行が倒したいのは海獣、ケートス。

そう、海獣って事は海に棲息している。

なんでもボス級モンスターが出現する前までは美味しい魚が海で取れていたのだが、最近は魚どころか海産物全般が収穫できないらしい。


そこで原因を探った所、島の周辺をケートスが泳ぎ回っているせいで魚達が怯えて逃げたりケートス自身に丸呑みにされているとの事。


美味しい魚が取れなくなったせいでガットさんの愛する猫ちゃん達の元気が無くなり、なんとしてでも倒したい。だが、ケートスが海中にいる以上、自ずと海中での戦闘になる。


百獣夜行には獣人族が多く同盟のクランもエルフ族や精霊族ばかりで余り海中戦には期待できないとの事。


百花絢爛には現状、最前線でも優秀な働きが出来るぐらい強いアンズさんがいるし、ここ最近は魚人族の仲間を募っており、アンズさんを慕ってクランに入団した魚人族が3人いるらしい。


第5の街の先に行くには海を渡る必要がありそうだもんな。確かイベント前に海であった時にそんな会話をアンズさんとしていた気がする。


それにしても、その時はクラン内にアンズさんしか魚人族がいないって話だったんだけど、そこから3人も増えたのか。アンズさんの人徳恐るべし。


そんなこんなでお互い困ってる訳だし助けあって、ついでに神楽騎士団を差し置いてイベントの1、2フィニッシュ決めようぞ。って事らしい、建前は。


まぁ最後の最後で出し抜こうとしているのか、裏で他と繋がっているのかは分からないが、そう簡単には信用しないよ。って威圧感がお互いの団長の側に立っているサクラとマルグリットさんから放たれている。


その点、アオバラとガットさんは顔の面が厚いのか、本当の善人なのか、唯のバカなのか、和かな表情でいるのは流石は団長だなと思ったよ。


その後は具体的な作戦内容を決める為の話し合いが行われていた筈なのだが、それ以降の記憶は何故か途切れていた。


「zzz...」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。