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5話 豹

ゲーム2日目。


「おはようイナバ、シロツキ」

「キュウ」「にゃあ」


昨日は棒高跳びの練習して終わった。

今日は実戦してみようかと思う。


再び平原にやってきた。

さっそくシロツキに敵を見つけてもらった。


角ウサギに向けて昨日、練習した棒高跳び、からの空中からの体重を載せた突き!


上手くいったけど、角ウサギに当たらなかったから、横薙ぎで倒した。


練習の成果か上手く棒高跳びは出来た。

だけど、思ったより空中で体制を整えるのも敵に狙いを定めるのも難しい。


「ごめんね。イナバ、シロツキ。もう少し付き合って」


〜〜

ポーン。

レベルが上がりました。

スキル『軽業』が取得可能になりました。


苦節5時間。

ようやく敵に当てることが出来た。

レベルも3つ上がった。


気になるのはスキル『軽業』について。

取得可能になる条件は『空中から敵に攻撃を加える。』ことで取得可能になるみたい。

効果はジャンプ力強化と素早さ微上昇か。


なかなかに良スキルなのでは。少なくとも今の自分の戦闘スタイルには合っている。


さてさて、取得に必要なSPはっと、、、

SPは24も必要なのか。レベルも上がったお陰でSPが35もあるから取得は出来るけど、『鑑定』を取ろうと思ってたんだよな。


『鑑定』の消費SPはどのくらいだろう?29か。

とすると2つとも取得するにはあと、レベルを2つあげる必要があるのか。


あっ、でもそう考えると先に『軽業』を取得しちゃってサクッとレベル上げしてしまってから『鑑定』を取得すれば万事OKって事で。


今度はイナバとシロツキと連携しつつ、上手く空中攻撃出来るか試してみようかな。


「よっしゃ!じゃんじゃん行くぞイナバ、シロツキ」


シロツキ先導の元、角ウサギを倒しつつ平原を突き進んでいると小川に到着した。


流石に休みとはいえ5時間くらいゲームにぶっ続けだと疲れるだろうから少し休憩がてら、ログアウトした。


因みに宿屋以外でログアウトした場合、ゲーム内の自分のアバターは光となって消える。テイムした動物も一緒に消える。


そしてログインする時はログアウトした場所からスタートになる親切設計だ。


宿屋で休んだ場合は自分のアバターも残るみたいで、テイムした動物もその間も自由に行動できる。


トイレとか水分補給して再びログインする。


ログインして気づいた。

自分、意外とこのゲームにハマってたんだね。


まぁ川辺で角ウサギからドロップした肉を焼こうかな。


そこら辺で木とか石を拾ってきて、ってそう言えば火ってどうしよう...


...めっちゃ頑張った。

頑張ってレベルを2つ上げて『火属性魔術』を取得した。『鑑定』は?とかどうでもいい。


とにかく火をつける事に夢中になって角ウサギを討伐した。


「ふっふっふ」

さっそく『火属性魔術』を使って焚き火をする。木を削って作った串を肉にぶっ刺し焼き上げる。


まぁ何とかなるだろう。


「キュウ」「にゃあ」

「おっお前達も食いたいか。よしよし食わせてやろう」

まぁ、調理器具はおろか調味料すら買ってないからただの素焼きになるんだけど。


そういえば、イナバとシロツキに食事を与えて無かったけど、必要なのかな。まぁ昨日も串焼き食べてたし食べれない訳ではないだろうけど。


考えても仕方ない。

それにしても、日が落ち始めたな。色々と時間をかけすぎたし、これを食べたら街に戻らないとな。


いい匂いもしてきたし、そろそろ食べれるかな。


「いただきます」

うん、うまい。イナバやシロツキにも分けてあげる。


「ガルゥ」

おっ黒い虎?豹かな。が現れた。

もしかして、匂いに釣られて来たのか。


明らかに、昨日の猪よりデカくて強そう。

体長2m近くありそう。これは戦っても負けるなぁ。

それなら、大人しく肉を差し出して穏便に済ませるしかない。イナバもシロツキもさりげなく自分の後ろに隠れてるし。


アイテム欄からとにかく大量の肉を取り出して焼き始める。


上手い具合に焼けた肉を黒豹に向かって投げると上手く咥えて食べ始める。


何回かそれを繰り返すと黒豹も満足したのか大きな伸びをして自分に擦り寄ってくる。


「グルゥゥ」

「うおっと」

自分を押し倒して膝枕を要求する。

なんて我儘な猫ちゃんだよ。


便乗するかの様にイナバとシロツキも近づいて来て丸くなる。


黒豹を撫でながら私生活ではあまり感じることが出来ない自然を堪能するとする。




「...…はっ!!」

寝てた。だいぶ日が暮れてるな。そろそろ街に戻らないとな。


自分が起きたのに気づいたのか、イナバもシロツキも、黒豹も起き上がった。


「イナバ、シロツキ行こうか。黒豹もまたね」

と歩き出そうとすると黒豹が擦り寄って来た。


「なんだ?一緒に来る?」

手を差し伸べるとその手に擦り寄ってくる。


可愛いなぁ。

さっそく『テイム』をする。


「名前は...テスカでどうかな?うん、よろしく」

ではでは、ちょっと急ぎ目で街に戻らないと。


「うぉっとっっと、どうした?」

街に向かって歩き出したところテスカが足に突進して来た。


「ひょっとして乗れってこと?」

「グルゥ」

じゃあ、お言葉に甘えて。

一瞬乗れるのかと思ったけど案外すんなりと乗れた。


胸元にイナバとシロツキを抱えてテスカの首元に手を回して落とされない様にする。


風が気持ち良い。テスカも自分達に気を使って速度を緩めてくれてる。


一瞬で街に着いたな。


「ちょっと君!待ちたまえ」

テスカに乗ったまま街の門を通ろうとした所、門番らしき男に呼び止められた。


「はい?」

「その動物は君の従獣かね」

じゅうじゅう?ジュウジュウ...ああ、従獣って事か。多分、『テイム』した獣の事を言ってるんだろう。


「ええ、そうですよ」

「そうか。流石にそれをほど大きな獣を素通りさせるわけには行かないからね。それより君は従術士ギルドには登録しているかね」

従術士ギルド?聞いた事ないな。冒険者ギルドとは違うのかな。


「いえ、従術士ギルドとやらには登録していないです。冒険者ギルドには登録していますけど」

「そうか。であれば冒険者ギルドで従術士ギルドについて詳しく聞いてみると良い。君みたいな大型の従獣がいると、色々と大変だろう。従術士ギルドがサポートしてくれる」

「ありがとうございます。聞いてみます」


「そうしてくれると此方としても助かるから。じゃあ、またね」

「ええ、また」

門番さんとはそこで分かれた。


本日は宿屋に泊まり終わりにしよう。

宿屋の人にテスカも部屋に入れていいか聞いたら入るなら問題無いって言ってたから、従術士ギルドには明日行く事にした。


ここで、宿泊を拒否されたらさっそく従術士ギルドに頼るか野宿になってたからありがたい。


てな訳でゲーム2日目は終了。ログアウト。

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