表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/106

41話 海底神殿

アンズさんの後を追いながら海中を進む事しばらく。


神殿の様な建物を見つけた。

アンズさんも初めて見つけたのか、トラップを警戒しながら慎重に中を進む。


自分もその後に続き進む。

幾つかの部屋を見たが特に何もなかった。


ゴウ!


今度はサメが数匹出てきた。

白凪をアイテム欄に直して短剣を取り出す。


攻撃力は低いがこっちの方が水中だと戦いやすい。

短剣でサメの注意を引きつつアンズさんの魔術が完成するまで注意を引ければ大丈夫。


自分の背後にいるアンズさんから水の刃が飛んでサメを攻撃する。

胴体を真っ二つとはいかないが深く傷が入った。

次の魔術が来るまで再び自分がサメの注意をひきつける。


再びアンズさんから水の刃が飛んできて今度こそをサメの胴体を真っ二つにした。


ちょっと、ステータス的にしんどくなってきたかも。

もう1、2体ぐらい『テイム』しておきたいな。


その後も神殿を探索していく。

何度目かの戦闘を繰り返していると神殿の中で大きな空洞に出た。


どうやら、海面まで上がってきてしまった様で、普通に空も見えて空気も吸える。


「ブハッ」

「ちょっと疲れたわね。ここまで奥に来たのは初めてよ」


「ここ、どこなんですかね?」

「どうやらBOSS部屋のようよ。ほら、あの小島に柱があるわ」

「えっ。あっ本当だ」

小島って言うより公園の砂場程度の広さでそこに見慣れた柱がぶっささっている。


小島に近づくにつれて水深は浅くなっている様だ。


「ちょっと休憩しましょうか」

「ええ、そうですね」

そう言って小島に並んで座る。


「まさか、本当に海の先に柱があるとは思わなかったわ。しかも水中に沈んだ神殿の先にあるから、確実に潜る為の何かが必要になってくるわ」

アンズさんの言う通りこの空洞の周りを見渡す限り外から入る為の道はなく、確実に海中を進む以外の方法はない。


自分も何か方法が無いか空を見ながらぼーっと考えてふと思いつく。

「...もしくはあの空から入れないですかね?」

「空か...確かに不可能では無いし海中を潜るより現実的かもしれないわね。こんどムネトを連れて試してみようかしら」


その後も、近くまでは船で来てとか、空洞の外側はどうなっているのかとか、よじ登れる様な岩肌になっているのかとか、色々と会話した。


「今日はこの辺で戻ろう...腰が光っているわよ」

「え⁉︎あっ本当だ」

腰にあった袋から卵を取り出して、砂の上に置く。


「これってもう直ぐ生まれるのよね?何が生まれるの?」

「生まれるまで自分もわからないです」

暫くすると卵は光を増して次第に収まっていく。

いつも通りだ。


いつも通り光は収まり、光の中から卵の中にいるモンスターが姿を表す筈だったが、ある程度の大きさまで光が収まると止まった。


光の球は今目の前でフヨフヨと浮かんでいる。


「この光の球がモンスターなのかしら?」

自分は『鑑定』して確認してみる。


「そう見たいです。スピリットって言うモンスターらしいです」


名前:なし

種族:スピリット

種族Lv:1

スキル(1/4):『魔力攻撃』


称号

なし


「スピリット。確か精霊とかそう言う類だったと思うけど。その子戦えるの?」

「どうでしょうか?一応、『魔力攻撃』って言うスキルはありますけど」

「『魔力攻撃』か。聞いたことがないわね」


取り敢えず、名前を決めてしまおう。

「マナ!これからよろしくね」


マナは嬉しそうに自分の周りを飛び回る。


「可愛いわね。私も『テイム』で可愛い子を連れ歩きたいわ」

「あははは」


必殺!愛想笑い!を炸裂させた所で、マナが水中でも行動できるのか試してみる。


自分が海中に潜りそれについてくるマナ。

なんの躊躇もなく海中まで入ってきて地上より、少し暗かった海中を照らしてくれる。


暫く様子を見たが海中でも問題なく動き回っておりこれなら大丈夫そうだ。


一旦、海面まで上がる。

「ブハッ、アンズさん!大丈夫そうです」

マナが海中でも問題なく行動できるかを試している間、小島で待ってくれていた。


「わかったわ。じゃあ、戻りましょうか。そろそろカナタちゃんが心配しているわ」

アンズさんと共に海底神殿を後にして、来た道を戻る。


来た時同様、サメとか槍頭の魚と何度か遭遇しながらも、危なげなくアンズさんが魔術で倒してくれた。

スピリットの『魔力攻撃』も試してみたが、魔力の塊を投げつけるだけの様で若干、敵が怯むものの大した威力にはならなかった。


スピリットを育てるのは大変そうだなと思う。


「ブハァ」

「あっ!アンズさん!ミヅキさん!お疲れ様です!」

元気よく手を振るカナタさんとその後ろに控えるハクレンが出迎えてくれた。


陸に上がると、思ったより疲れていたのか?海水の浮力が無くなったからなのかどっと体が重くなった気がした。


「こっちは何もなかった?」

「はい!偶に敵モンスターが湧き出てきて今まで隠れてやり過ごしてたんですけど、ハクレンさんが倒してくれてたので安全でした」

確かに『鑑定』してみるとハクレンのレベルは上がっている様だ。


それにしても、

「ハクレン、その足元にいる亀はどうしたの?」

陸に上がってずっと気になっていたのだがハクレンが亀を足で踏みつけているのだ。

亀の方も大して気に留めている訳でもなく、ゆっくりとヒレを動かしている。


「.....................」

ハクレンに質問したものの、ハクレンが喋られるわけでも無くじっと自分を見返してくる。

何を伝えたいのかわからない。


「あっ!その亀さん以外にも何体か亀さんに襲撃されまして、ただその亀さんは他のより大きくてそれを見たハクレンさんが、他のは容赦なく倒していたのにその亀さんだけ、ある程度弱らせると踏んづけて動かない様にしちゃったんですよ」

成る程。カナタさんの説明でなんとなくわかった気がする。


多分あれだろ、ここに来る前にブラックドックのファングを『テイム』した時みたいに、この亀も通常の個体より強いから自分が『テイム』出来る様に捕まえてくれてたんだろう。


「ありがとうございますカナタさん。ハクレンもありがとね。『テイム』」

亀に向かって『テイム』を使うと簡単に『テイム』出来た。結構弱っていたんだろう。


ハクレンは亀の上に乗せていた足をどかす。

「名前はシェルで。シェルよろしく」

「クワァ」


手を差し伸べたら欠伸で返された。

なんだコイツ?チラリとハクレンを見ると自分の視線の意味を察したのか再びシェルを踏んづける。


「ふふ、終わったかしら?」

「ええ、お待たせしました」

「私とカナタはこの後、クランホームに戻って情報共有をしようかと思うわ。明後日からはイベントで攻略はイベント後になると思うけど、あそこの攻略の時はミヅキちゃんにも手伝ってもらう事になると思うから、その時はよろしくね」

「わかりました」


アンズさんはニコニコしてそのまま帰っていき、カナタさんも自分に一度ペコリと頭を下げると、アンズさんの後について行く。


取り敢えず、踏んづけられたままの亀、シェルを解放して両手で抱えると海に向かう。


正直、シェルの動きが遅すぎる。

海亀だから仕方ないとは思うんだけど、あまりに遅くて今後が心配だったので取り敢えず海だったら早いのか確認する。


シェルを海中まで持っていくとさっきまで眠そうにしていたのに先程とは比べられないくらいの速度で動き出した。


心なしか性格まで変わっている気がする。


うん。まぁ良かった。


これで海中の戦力も大丈夫になってきただろう。

普通の魚のレインと海亀のシェル。


後、水中でも関係なく行動できるスピリットのマナ。


今日は疲れたしこの辺で終わろうかな。

シェルに召喚石を装着してマイホームへ送還させる。


自分はレインと『合体』したまま、ハクレンとマナを引き連れて王都まで帰還しログアウトした。

なお、マイホームでレインとシェルを庭にある池で泳がせたところ、普通に元気に泳いでいたが、広々とした庭にある池といえど、手狭に感じた。


今度、レインやシェル達用の施設を作る必要がありそう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ