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2話 初戦闘

キャラクタークリエイトの時に立っていた空間から変わり、現在はどこかの街の中に立っていた。


立っているだけでは何も起きない。

こう言うのってチュートリアルがあるものかと思ってたけど…


周りの人達は何かしら空中で指を動かしてさっさと何処かへ移動している。


どうすれば良いんだろう…



取り敢えず

「…ステータス」

小さく呟いてみる。


何も起きない…

小さく呟く程度にしておいてよかったぁぁぁ

大きな声で言っていたら恥ずかしくて暫くゲームにログイン出来なくなる所だった。


うーむ、そうなるとログアウトとかってどうするんだろうか?


周りの人は何事か呟いてるみたいだったから、ステータスって言えば表示されると思ってたんだけど。


うん?何やら今自分が立っている広場の中央付近に大きな掲示板みたいなのがあるな。

周りの人はチラ見してる程度だったから特に気にして無かったけど、この状況を打開するヒントかもしれん。


掲示板の正面に立ちじっくりと掲示板を見てみると明らかに読めない文字が記載されていると思った。


すると目の前に何かの画面が表示される。


『ゲーム説明!!!』と記載されていた。

おお!色々と書いてある。


ステータスではなく、メニューと呟けば良い様だ。

全くこの掲示板に気づかなかったらログアウトもできないから大事件じゃ無いか。


ログアウト不可で閉じ込められるとか想像しただけでも震えてしまう。


「…メニュー」

周りに聞こえない様に小さく呟くと今度はちゃんとメニュー画面が表示される。


メニュー

・スキル

・装備品

・所持アイテム

・プレイヤー情報

・フレンドリスト

・ヘルプ

・ログアウト


まぁ取り敢えずスキルは時間かかりそうだから、装備品でも見るかな。

初心者防具上、初心者防具下、初心者の靴。


左胸、肘、膝に少しばかりの鉄が施された装備と裏に鉄が施されたブーツっぽい靴の装備のみみたいだ。


まぁ私生活で言えば十分守られてはいるが初心者用の装備という事もありステータスに補正はない。


これはなるべく早く装備を整える必要がありそう。

じゃあ次に所持アイテムを開いてみた結果、何も無かった。お金はあると思ったけど無いみたい。


次、プレイヤー情報


名前:ミヅキ

種族:人間族(キメラ亜種)

種族Lv:1

残りSP:100


称号

なし


所持金:5000G

所持スキル数:3

所持アイテム数:0

フレンド数:0


と表示されていた。

どうやらこっちにお金は表示されてるみたい。

5000Gがどれだけの価値かは分からないが所詮、最初に貰う程度だから大した事なさそうだな。


後、スキルはまだ1個も取って無いはずだけどなんで3になってるんだろう。

まぁそれは後でみれるか。


他はどうでも良いかなー。

ゲームやってけばいずれ分かるだろう。


良し!じゃあお待ちかねのスキル選択だ。


残りSP:100


種族スキル

『好奇心』

『合体』

『亜種』


アクティブスキル

なし


イナクティブスキル

なし



『好奇心』必要SPスキルポイントの低下(-1)


『合体』モンスターと合体する。解除可能。

魔力と素早さ、器用値以外のステータスが常時低下。

種族Lvに応じて、同時に合体可能なモンスター数が増える。

合体可能数:1体


『亜種』全ステータスの常時低下、アクティブスキル枠を2個追加。


むぅ、一応スキルの説明まで読んだ。

『好奇心』のスキルは人間族の種族スキルだろうから大丈夫。

問題は『合体』と『亜種』だ。


『合体』ってなんだ?キメラだからかな。

良くファンタジーなアニメとかに出てくるキメラは尻尾が蛇になっていたり、別々の動物の首がついてたりするしなぁ。


そう考えるとなんか気持ち悪いかもしれん。

まぁ選んだものは仕方ない。使ってみて思ったより気持ち悪ければ、スキル自体使わなければ良いだけだ。


次に『亜種』だが、これに関してはいくら考えてもどうしようもない。

全ステータスの低下は痛いがアクティブのスキル枠が2個追加されるのは良しとしよう。


『合体』と『亜種』を合わせてステータスが低くなってるっぽいがどのくらい下がったんだろうか?


ゲームの仕様上、ステータスの値が見れないのが怖いな。



気を取り直してスキルを取得していこう!

残りSPは100。


多分、『合体』を活かす為にはモンスターと仲良くならなくてはいけない。

とすると『テイム』は必須だな、後は『料理』とかかな。


どうやって『テイム』するのかは分からないけど飯で釣るのも一興だろう。

『テイム』が消費SP:25、『料理』が消費SP:15になって種族スキルでマイナスされるから、『テイム』の消費SPが24、『料理』の消費SPが14になる。残りSPが62だな。


まぁ、『テイム』しなくても素材だけゲットして『合体』ってすれば良いのかもだけどね。


取り敢えず近接戦闘とか出来たら良いから『剣術』で、あと魔法も使ってみたいから『水属性魔術』かな。


消費SPは『剣術』が19、『水属性魔術』が29で残り14。

一気になくなっちゃったなぁ。


そう考えると人間族の毎回SP-1っていうのは結構強いのかもしれん。

本当はステータスを常時補助してくれる『筋力アップ』とか『素早さアップ』とかのスキルも取れたら良かったけどレベルが上がってから取ろうかな。


思ったよりスキル選択に時間がかかっていた様で周りからは人が少なくなっていた。


この後は街の中心部にある冒険者ギルドっていう所に行って冒険者登録しよう。

さっきの掲示板に書いてあった。


と言うわけで早速冒険者ギルドに行ってささっと登録を終わらせました!


スキンヘッドの酔っ払いに絡まれることもなく、ナルシスト自己中な自称攻略組が、ナンパしてる事もなかった。


ギルドカードなる物を貰ったので取り敢えずアイテムボックスにしまう。


アイテムボックスって言ってもメニュー画面の所持アイテム欄に押し込むだけで中に入った。


まっこと、便利である。


てな訳で冒険者ギルドで早速、西にある草原で角ウサギを狩ってくるという依頼を受けたので草原に向かう。


冒険者ギルドから西の草原に向かう間に、武器や防具を売ってる店があったので、剣を買ってきた。


まぁ剣といっても短剣なんだけどね。


元々、素早さに関してはそこまでステータスが下がっていないから、素早さを生かした戦い方を考えているって店の人に言ったら、短剣をオススメされた。


『剣術』のスキル説明に『剣系統の武器装備時にペナルティを無くす。スキルLvに応じて技を覚えることが出来る』と書いてあった。


なんでも『剣術』スキルを持っていない人間が剣を持つとステータスが低下するらしい。

知らずに剣を持ってたら危なかった…


少し脱線したが、説明に剣系統って書いてあるから短剣も行けるだろう、何しろ短剣術みたいなスキルは見当たらなかったし。


そうこうしている間に、西の草原に到着した。

現在、自分は短剣を右手に持ち草原を闊歩している。


「キュウ!!!」


おっと早速、角ウサギとエンカウントだ。

角ウサギの特徴としては普通のウサギの額に角が生えているのが特徴。


主な攻撃手段は角による突進、後は自分よりレベルが低い相手には攻撃してくるが自分よりレベルが上の相手からは全力で逃げるらしい。


自分は種族レベルがまだ1だからこのウサギは1以上という事になる。


って言うか種族レベル0な生物っていないんじゃないか?

仮にいたとしてもそれ、もう死んでるんじゃない?


今の無駄な思考時間、0.1秒。

目の前には突っ込んでくる角ウサギ。


それを華麗に躱す。

まぁ、普通に横に一歩ズレただけだけど。

でもどうやら自分の素早さステータスは思ったよりも低いみたいでめっちゃギリギリだった。


となると素早さよりも低い、他のステータスが心配になってくる。

取り敢えず攻撃を当てない事にはしょうが無いので、正面に短剣を構える。


再度、突っ込んでくる角ウサギをギリギリで躱し、角ウサギが着地する瞬間を狙って背後に短剣を突き刺す。


当たりはしたが、思ったより刃が刺さらずに致命傷にはならなかった。


角ウサギの頭上にはHPをバーで表したものが表示されている。全体の1割ぐらいしか減ってない。

これってもしかして俺の物理攻撃が低すぎるからかな…


こんな序盤の敵モンスターに苦戦する事になるなんて思ったよりショックだよ。


角ウサギも先程の反撃に警戒したのか、お互いに間合いをはかりつつジリジリと近づいていく。


「キュッ!」

飛び跳ねてきた角ウサギの顔面に合わせる様に、咄嗟に短剣を逆手に持ち替えて腕を固定する。


後は角ウサギ自身の突進力と合わさって大ダメージを出せる筈!


「くっ」


と思っていたが角ウサギの方も咄嗟に頭を下げて自慢の角で短剣を受け止めた。

その為、角ウサギの突進力より劣る自分の力では角ウサギと共に後の茂みに飛ばされる。


「ブヒッ」


思わぬ背後のクッションでなんとか視界の端に表示されているHPは然程、減らなかった。

でも、なんか嫌な音が聞こえた気がするなぁ。


背後を見ると1匹の猪が恐らく何かにぶつかったのだろうか倒れており、その背後には倒れている猪より大きな猪がいた。


どうやら猪の群れに遭遇したみたい。

そもそも猪って群れるのかな?ゲームだからとかかな?


ってそんなこと考えてる場合じゃねぇ!!!

勢いよく立ち上がり短剣を構えつつなるべく猪に背後は見せ無い様にゆっくりと離れる。


ガサガサ。


音のする方を見るとどうやら先ほどの角ウサギが草に絡まりうまく逃げられない様だ。


うーん。正直、あの角ウサギを囮にして逃げるにしても絶対、あの猪って俺より速いよね。

死んで街に戻る未来しかない。


このゲーム死んだ場合のペナルティってなんなんだっけ?


いかん!いかん!既に死んだ場合の事を考えてる。

なんとかこの場を生き残らなければ!


正直、あの角ウサギだと猪1匹すら倒せんだろうし、期待できるとすればあのスキルだけだな。


「おい、角ウサギさんや。俺の言葉は多分理解できてないと思うけどこのまま話させてもらうよ」


何事か言い出した自分に猪も角ウサギも警戒し始める。


「俺が隙をついてお前の足に絡まってる草を切る。その後、お前をテイムしようとするから受け入れてほしい。そうすればこの状況を打開できる策を俺は持っている」


どうだ?と角ウサギの方を見てみるがやっぱり理解はできていないみたい。

まぁ、そりゃそうだよなぁ。


幾らこのゲームのAIが優れていると言ってもモンスターが言葉を理解できるとは思えないし。


だから自分は死に戻り覚悟で角ウサギが俺のテイムに応じてくれる事を願うしかねぇな。


まずは…

「アクアボール」

猪の3匹のちょうど中間、地面を狙い水属性魔術のアクアボールを発動する。


アクアボールは読んで字の如く水の球体を放つだけの魔法で多少、HPは削ることができるが攻撃という点においてはあまり役に立たない。


だが今回は地面に打つことで地面の土や砂を撒き散らし目くらましにすることができる。


この隙に角ウサギに駆け寄り足首に絡まっていた草を切ってあげる。

自由になった角ウサギはすぐ様、自分から距離を取る。


若干警戒している様だが助けてあげた事で少し心を許してくれたみたい。

角ウサギに手を差し伸べる。

鼻をひくひくさせながら、ゆっくりと近づいてくる遂に触れられる所まで来た…


「「「ブモォオオ」」」

どうやら土煙も落ち着いた様で怒り心頭の猪3匹。


ふっ、もう怖いものは何もない。

先程まで死闘を繰り広げていたこの角ウサギとならやれる!


無事テイムに成功し角ウサギを抱きかかえて猪の正面に立つ!


「行くよ!イナバ!」

「キュ!」

「『合体』!」


初めての『合体』はちゃんと成功したみたい。

そもそも、失敗する事があるのかは分からないが。


体が軽くなった気がする。

成る程、角ウサギであるイナバのステータスが自分にプラスされているのが体感でわかる。

素早さが劇的に上がってる気がする。


素早さだけなら、猪を圧倒できてる気がする。

良し!これなら行ける!

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