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宿場町の片隅に

作者: 瀬川なつこ

夢の幕間。黒子の演劇者がやってきて、人を殺す舞台にでています。

黒子は時折、人を殺す。宿場町の暗殺者です。

鬼やらいとも対峙します。

夕立、雷雨。雨が通り過ぎた後は、花も咲くだろ

通り道に、黒子の洋服だけが雨でぐちゃぐちゃになって落ちています。

嗚呼、溶けてしまったか。

宿場町の理。

黒電話が鳴ったら、過去へ旅せよ。

郵便ポストの影で、小鬼が踊っている。

あめふらしが、跋扈して、人々の魂を喰らう。

窓ガラスに映る、死人の顔。あちこちにお札をはる、狐面の少女。

しょっちゅう祭りをやっている。

宿場町の家々の戸棚には抜けた歯が入っている。


夕べの夢。

パントマイムを踊る小鬼が、宿場町の片隅に。

顔のない影法師が、歯を磨いていると、鏡の中からこちらを眺めている。

彼女はドッペルゲンガーだ。

通り道の塀の上に、まねきねこが置かれていて、見たこともないような美しく輝いている。

四辻に、かまいたちが立ってつむじ風を起こしている。

夢。


黒電話がじりじり鳴っている。過去へ旅せよとの合図だ。

まねきねこが、にやにや笑いながら、六文銭寄越せとのたまってくる。

嫌だから、逃げ出したら、あめふらしにつかまった。

魂を抜かれて、地獄へ旅をする。

何度も体を引き裂かれる者、血の池に浸かっているもの、

鬼たちは屏風の裏で賽子を転がして賭け事をしている

しかし、あめふらしは、お前はまだ生きていい人間だから、と息を吹き返した。

葬式の最中に生き返ったもんだから、お坊さんをはじめ、親戚中びっくりしている。


いたいたいの飛んでいけ。

母親だったか

ちちんぷいぷい

父親だったか

昔の人は、色々な呪いで私たちをあやしてくれた。

糖りゃんせ、ここはどこの細道じゃ。

これは違いますね

恐ろしい歌です。

部屋の隅に蹲った赤い目の小鬼が、そう、唄っています。

ここは不思議なことの起こる、宿場町。



遠い過去はノスタルジー

夢見の世界は、今だ近しい。

夕べの夢が転がって、お坊様が大福もちにした鬼を飲みこむ。

不思議なことがある。

六文銭を寄越せという旅の雲水さんが現れると、必ず雨になる。

六文寄越さないと、呪われると、言ってくるのだ。

お坊様は夜現れる。

妖しい出来事。

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― 新着の感想 ―
[良い点] こんにちは。 いつも不思議な世界を見せてくださってありがとうございます。 今回もとても素敵でしたが、家紋様の「夢幻企画」にはご参加されないのでしょうか。 どの作品も夢幻の世界を感じさせ…
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