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93. I のステータス

食事を終え、場所を移動しお茶をする。


さっきの場所でいいじゃないかとも思うのだが、バセットさんによると、貴族とは"そういうもの"らしい。言われるがまま、正面にジェパットさん、右手にハスキスさん、左横にバセットさんで、後ろの扉の横に執事さんが配置され話を聞かれる。


私、何か悪いことをしましたかね……? と言いたくなるような布陣の中、食事前に話していた私のステータスについて、もう一度聞かれる。


「ステータス、もう一度出して貰ってもいいかい?」


ジェパットさんに言われて目の前に表示する。先程はレベルと魔法の項目しか気にしなかったが、バリーさんに見てもらった時より、色々な物の数値が変わっている。それに▼が付いていた『愛想笑い』のスキルが条件を満たしたからか、『蠱惑の微笑み』に進化している。


結局、条件とはなんだったのだろう……? でも、微笑みって、もしかして私が笑うと皆が動かなくなるのと関係あるのかしら……?


「さっき聖属性があるって言っていたね? ランクは分かるかい?」


「ランク……?」


「属性の横にAとかBとか出てないか?」


この世界でも英語があるのか。と妙な事に感心しながら、


「SSですね。」


「「「「!!??」」」」


何故か、扉横の執事さんまでも息を飲む気配があった。AとかBは分かるけど、なんでS? しかも2つ……。極小の服のサイズじゃ無いんだから……


「……お前、神様かなんかかよ……」


バセットさんがひきつった顔で言う。


「え? 待って、なんで神様?? まず、そのランク……いや、魔法に関することを教えて! 私のいた世界では無かったものだから。」


皆、魔法が無かったって事に驚いたようだが、ジェパットさんが答えてくれた。魔法のランクはFが1番下で、E→D→C→B→A→Sとランクが上がり、SSは最高ランクを示すそうだ。


習得出来る魔法は、自分と相性の良い物だけで、悪いものはいくら練習しても、基礎魔法すら使えないそう。あと、相性の良い属性は努力と閃きによって、ランクを上げることが出来るそうだ。


「聖属性ってのは、特殊中の特殊だな。初代の勇者パーティーで、ビャクコムって人獣が使えたんじゃなかったか? えーと、西の王さまになった人……。あとは、教皇と、枢機卿位か。」


ハスキスさんが思い出しながら言う。


「特殊って言うのは、使える人があんまりいないって事ですか??」


「それもあるが、ランクが上位だったビャクコムは死んだ人間さえ、生き返られる事が出来たらしいぞ。」


「あらゆる状態異常を、それこそ、死んだことさえ、聖属性の魔法で打ち消してしまえる力があるって噂だ。」


「噂……。」


「あぁ、何せ、数が極端に少ない上に、聖属性と分かった時点で教会に連れていかれちまう。一回の魔力の消費が激しいらしく、聖属性の魔法自体が滅多に使われる事が無いらしいから、その噂すら本当かどうかもわからない。」


口々に聖属性について教えてくれる。とにかく、聖属性を持つ私はレア者らしい。そして、その噂、魔力の消費が激しいってのは、二桁の魔力しかない私が使える時点で間違っていること確定だ。


私の尋問? は終了し、明日の夜に約束したオラウータンの獣人、オラウの話をする。


最初はオラウを捕らえる、捕らえないとで揉めていたようだが、泳がせてアジトを見つけ出そう。と言う話で纏った。


その後、食事だけではなく、部屋まで用意してくれたので、それぞれの部屋に入り、久々にゆっくりと寝かさせて貰った。


余談ではあるが、『蠱惑の微笑み』について簡単に説明し、3人に協力して貰った所、5回やって一度も成功しなかった。……のだが、実験を終了したとたんに何故か3人の動きが止まってしまい、ビックリするという事があった。


のこスキルの発動条件はもう少し調べようと思う。


◇◇◇◇


コンコン、とノックの音。目を開ければ見知らぬ天井……慣れたものだが、何回経験しても自分がどこに居るのか把握するまでに時間がかかる。


「イチカ様、お早うございます。お支度をさせて頂きたく……」


メイドさんだろうか。一瞬、ウリーボさん家に行った朝を思い出す。恐る恐る扉を開けると、白いブラウスに黒のロングスカートの女性と、黒のワンピースにフリフリエプロンのいかにもメイドです! といった服の女性頭を下げた。


「お早うございます。お着替えがどういった物が良いか分かりませんので、幾つかお持ち致しました。」


カラカラと衣装がかかったハンガーラックを押して部屋に入ってくる。驚いた事に、お姫様が着るようなヒラヒラとしたドレスをはじめ、北の国で見たヨーロッパの民族衣装のような服や、三國志で見るようなチャイナドレス、インドの民族衣装サリー、それに、浴衣やリクルートスーツ等々見たことのあるものから無いものまで沢山掛かっている。しかも全て青系で統一されていてとても鮮やかだ。


「お好きなものをお選び下さい。形が決まれば、色違いものものもご用意出来ます。」


ありがたい話だが、この世界に来てからの経験上、動きやすいものがいい。折角用意して頂いたが、ワンピのメイドさんが着ているような服をリクエストすれば、驚きながらも探して来てくれた。


因みに、先程の衣装(ドレス以外)は、この世界のそれぞれの国や領地の平民が着る民族服だそう。ジェパットさんの娘さんがオシャレな方で色々と買い揃えたそうだ。お嫁に行ってしまって着る人が居ないんだとか……折角だから、コスプレだと思って着ておけば良かったかも知れない……。


ちょっと後悔を残す支度を終えた私は、案内されるまま、皆が待つ食堂へ向かった。

読んで頂き、ありがとうございました。

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