72. T 、フラグ発見②
「ユリノトがね、パーティーを組んでたときに好きだった男に、僕の顔が似てるんだって。だから側に置いておいたらしい……」
「…………」
「薬師としての知識や、街での買い物や生活の仕方とか、色々教えて貰った。そのうち、街の夫婦の真似事をするようになって、ユリノトが子供が欲しいって言ったんだ。」
え、この先は聞いてきていい話? ちょっと休憩時間にするには重くない!? なんて思ってもノリアスは話続ける。
「だから、乞われて僕の半身をユリノトに宿す事にしたの。ただねー、予想以上にユリノトの魔力が大きくて、僕自身が取り込まれちゃった……。」
おおっと、それは俺も予想外! と驚いた顔をすれば、クスクスと笑いながら話を続ける。
「ユリノト自身はね、僕を取り込んだことに気づかないで、居なくなったと泣いていたけど、どうにもならなかった。そのうちね、家の周りが騒がしくなった。今まで近づきもしなかった魔物や魔人が結界内に入ろうとしたり、街に薬を売りにいけば襲われたり。お腹に子供がいるって分かってからは販売を委託してる人達に取りに来て貰ったりしてたんだけど、その人達も襲われたりして大変だった。」
空間魔法なのか、コップを2つ、何処からか出すと水筒に入っていた水を分けてくれた。ありがとう、と受け取り飲み干す。
「僕が生まれてから、街の近くに移り住もうと色々準備してるときに、結界を素通りしてセレネスとマリアがきたんだ。」
あっ! 思い出した!! ウリーボ領の北の森の赤い屋根の小屋だ!! 本編にない、ローブを着たキャラが居た居た!!
「ユリノトが……その人達にはユノって名乗ってたけど、街に出るためにユリノトが作った薬やら新種の種をその人達に売って、やっと越す事が出来る、って移動し始めた所でやられちゃった……。」
「え……やられちゃったって……」
「だから最初に言ったでしょ? 母親は殺されたって。」
「うん。 聞いてたけど……いつの話……?」
「森で迷う前だから2日前?」
「最近じゃん!! って、え? ちゃんとお医者さんとかに見せたの?」
「僕はね、子供になる前に、最上位の回復者と呼ばれるユリノトに色々叩き込まれた一番弟子でもあるんだよ? 助けられたなら僕が助けてる……。」
そりゃそうだ。治癒も治療も出来るって言ってたもんね。
「まあ、治癒や治療に関する魔法は使えないんだけどね。」
「使えねーのかよ!」
ハッ、思わず突っ込んでしまった……ってか、たんたんと話してるけどやっぱりダメだったのか……
「ほんとにタイラはオモシロイね。顔に全部出る。……ユリノトが万全なら、そもそも50の魔物や魔人に襲われた所でビクともしない程強かったんだけどね、僕が産まれたときに魔力を殆ど貰って来ちゃったんだ。だから、たった10匹の魔物と魔人にやられちゃった……」
「ノリアス……」
笑顔も時折見せながら話してはいるが、
どこか悲しげに見える。魔人だと言うが、感情はあるのだろう。
「その時にね、ユリノトの血が僕にかかったの。そしたら何でか僕成長して大きくなった。」
「え?」
「それでね、なんだかとぉーっても! イライラしたから、片っ端から魔物と魔人をやっつけてやったんだ。で、ユリノト共々取り込んでみた。そしたらね、急にスラスラ話せるようになった。」
「……とり、こんダ……? ユリノトさんもやられちゃうような魔物達だったんだよね? よくやっつけられたね……」
「ユリノトも大分弱くなってたからね。僕を庇いながらじゃなきゃ勝てたかも知れないけど、僕、あの時はまだ赤ん坊? って言うの?? それだったから動けなかったんだよね。まあ、成長して大きくなった僕の敵では無かったけど。そうそう、取り込んだら、ユリノトに残っていた魔力や知識も全部僕に吸収されたみたい。今なら人獣3人位なら倒せそう!」
いや、まてまて、そんな事あるハズがない。魔王は魔物が進化したものであって、魔人は魔王にはならない……よね? と、ノリアスをみる。
ん? っと可愛く首を傾げてるけど、可能性は無くはない?
「因みに、なんで急に魔物が襲ってくるようになったんだろうね……?」
ノリアスを見つめながら聞いてみる。
「あぁ、魔王として魔物達が作った国に連れていきたかったみたい。」
ノ、ノォォォーーー!!!! お前か! お前が魔王か?? え、これって俺がフラグ回収!? 親子か? って感じで一緒に手を繋いで歩きましたけど? 俺にもこのくらいの子が居ても不思議じゃないよなー……なんて、ホッコリしてましたけど??? ノリアスが本当に魔王??
この子を倒すの? 寄って集って倒れるまでボコボコに? いやー、無理だわ。俺、きっと助けちゃう。やめてあげて! って訴えちゃうわー。
マリアなんてHPもMPもカンストで魔法も殆どAとかだったじゃん。闘ったら苛めだよ。
………………よし、決めた!! 俺は創造主として、この子を悪い事をしないような立派な魔人にする!
ユリノトさんとやら、応援してくれ!!
本編ガン無視で、超絶可愛い男の子、ノリアスを育てる決意をしたのでした。……ってテロップとかゲームに出てないかなぁー。
そもそも、俺がゲームに入ことに気づいてくれているだろうか?? あの2人の事だから気を遣ってギリギリまで起こさなさそう……反応無いからって過労死扱いされたらどうしよう……
取りあえず街に着いたら教会でお祈りしてみよ! と、休憩を終わりにしてノリアスと歩き始めた。
読んで頂き、ありがとうございました。




