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57. T 、非公認マスコットに出会う

後半にバリーとダンのオマケ話があるので、いつもより少し長めです。気が向いたら読んで下さい。

「やっぱりイチカは居ないかぁー。」


独り言を言いつつゲームを進める。


城を出てから街道と森の中を進み、フレミッシュ領の街に着くと街の人々に話を聞く。プログラム通りに進行しているようだ。


公爵邸へ行き、相変わらずズカズカと公爵の許へ行く。ここでは、公爵から盗まれた証を保管してある場所の鍵を取り戻すように依頼が来るはず。


なのに、なぜか俺たちは森の中で迷子の捜索をしている。


「ファジール様ー!」


「ボッチャマァァァーー!! あぁぁ、坊っちゃま可愛らしいから早く見つけてあげないと、悪い人に拐われて売られちゃうわぁー!!」


森の中に居るメイドや執事服よような服を着た人々に話しかければ、ファジール付きのメイドなのか、半狂乱状態で探している。確かに、攻略対象の中で唯一の年下でキャラクターは可愛い感じの設定だ。


因みに、ピックアップゲームは落ちものゲーム。。空から落ちてくる飴を主人公が左右に動きながら、持つ籠でキャッチするもの。合計点が170/200あればピックアップ確定の権利が得られる。


ファジールを探して森の中を歩き回っていると、丸く何かに囲まれている大きな木がある。入ってみれば画面はズームし、この国の御神木にたどり着く。


周りを囲っている物は結界で、王族、もしくは人獣が一緒に居なければ結界内に入るどころか、認識することすら出来ない。


「ああ、勇者の鎧の隠し場所か。」


と、見てみれば、御神木の虚を隠すように付けられていた扉が無い。アレ? ここ、扉が付いてなかったか??


御神木を念入りに調べる。と、虚の中から『何かの証明書』が出てきた。調べるのコマンドを選択すれば、『ずいぶんボロボロだ。』と言う注釈が入った。持ち物には『ボロボロの証明書』が加わった。


他に何か手がかりになるようなものはないかと、木の周りをくるくる回っていると、木の根元にいた茶色いネズミのようなヤツが居る。話しかけてみる。


「なに? ……あれ?? マリア殿?」


コマンドで はい と返事をする。


「ここら辺で、イチカを見ませんでしたか?」


誰だコイツ? とテロップの名前をみれば、バリー&ダン の表記。バリーは分かるが、ダンってホント誰だよ……。


見た・見てない の見てないを選ぶと、拡大されたハムスターの映像が、両目からダバッと涙を流して話し始める。


「イチカがいないのぉー!


うるさい! 今、他の者にも調べさせて居るから落ち着け!!


ヒッ、ヒック、僕が、僕が離れちゃったから……寝ぼけてどっか行っちゃったのかもぉー。


それは違うと思うがな!! いいから泣くな! 視界が霞む!!」


物凄い独り言である。要は、イチカと一緒に居たが、寝ていたから一旦離れて、戻ってきたら居なくなってた。ってこと……かな?


「マリア殿、もしイチカを見つけたら、ネズミでもリスでもモモンガでも良いから話しかけてくれと伝えて貰えるか?」


はい・いいえ・実は…… のコマンドが出てきた。この流れなら間違いなく 実は……だろうな。


「なんと!? 神より神託で、魔王ではなくイチカを探してると?」


はい と言えば、連れていってくれ。と仲間になる流れ……受け入れれば、案の定、仲間が増えた時の音楽が流れ、ハムスターが仲間になった。


うん、設定してないキャラクター第2号……コイツもどっかに本体があるのだろうか?


最後にもう一度、木の周りを探ったが、何も無さそうなのでフレミッシュ邸に戻り、手がかりになりそうな証明書について公爵に話を聞く。


東の国の人獣は元々、猫と卯と丑がなるはずだった。のだが、猫の儀式の途中で、何故か突然寅に交代したらしい。理由は伝わっては居ないらしく、詳しいことはよく分からないそうだ。


ただ、その時の猫種は中途半端に人化して神力も中途半端、獣人に成るには魔素を受け付けず、どちらでもないままで代々生きてきて居るらしい。


この証明書は、中途半端とはいえ、神力を分け与えた証として、何代か後の王さまが儀式を受けた猫達の子孫に渡した物だと言われているそうだ。


それがイチカが居たであろう場所に落ちてた、と言うことは、猫族がイチカを連れていった? もしくは付いていったか。


フレミッシュ公に聞けば、街のどこかにアジトがあると『噂』があるらしい。


ってなことで、次は猫達のアジト探し。アジトって堂々とあってくれればいいけど、地下牢みたいに隠されてたら見つけるの大変かも……。やる前からゲンナリする。


◇◇◇◇


探し始めて1時間、あった。ありました! 雑貨屋の階段の裏側に回り込んでやっと見つかる位置になぞのボタンが!!


押してみるとやはり地下に続く階段。


降りた先の部屋には牢屋が2つ。1つは空、もう1つには可愛い男の子、ファジールが隅の方で蹲っておりました。


鍵は空いており、牢が開くとセレネスの顔を見るなり


「セス兄さま!!」


と抱きつくショートムービー。急に始まるからちょっとドキドキして眠気が飛びました。


何はともあれ、探してたファジールが見つかったのでお屋敷に帰ろうとすれば、


「セス兄さま! 僕と一緒に捕まっていた天創人の女の子が奴隷市場に売られちゃった!! 助けてあげて!」


ですって……。え、まさか、イチカじゃ無いよね??



ーーーーーーーーーー


57.5 BとD オマケ


制御が出来ない……


「ウワーン、イヂガァー!! どこぉー……」


周りを確認しようにもダンのヤツが涙を流すから視界がぼやけてよく見えん!! はぁ……いつもなら意識自体を借り受けられるのに……


何はともあれ、取りあえず物事を順序たてて話せないものか。こやつの頭の中を覗き見ても意識がバラついてて分かりにくい。


「ダン! イチカを見つけたいならまず泣き止め!! そして説明しろ。」


「ヒック、ヒック。 わか……ヒック……た。」


「よし、で、お前に意識が戻ってからの事を話せ。」


ーーーー


何とか聞き出したが、イチカを守る為に集めた眷属達の中に兄弟がいて、挨拶に行って戻ったら木に近づけなくなったってなんだ?


……あぁ、そうか、ここは王族か人獣が居なければ、中から出ることは出来ても、外からは入れないのか……。


しかも、猫族が来たからといって、イチカの見張りに付けていた奴等、全部が全部逃げ出して、皆が戻れずに一匹も居なくなるとは……


まあ、本能的に致し方ないとは言え、探し出すのは苦労しそうだ……。


猫とネズミ、先祖からの因縁の相手……、イチカが捕まってたら厄介だな。


「イ一ヂガァァァ!! 置いてかないでぇー!! どこー?」


…………いや、その前に何故か制御出来ないコイツが一番厄介かもしれん………。


読んで頂き、ありがとうございました。

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