50. T のお告げ
教会に向かってくれる? とマリアに言ったはいいが、操作するのは俺自身。今更ながら変な感覚である。
教会に入ると神父服をきたキャラが祭壇の横に立っている。話しかければ どうされましたか? と毒の治療やら復活など幾つかの選択肢があるコマンドが表示される。でも、そうじゃない。マリアの後ろにくっついて歩くセレネスが祭壇で祈ってくれなきゃ始まらない。
祭壇に異動してみた。と、何か行動が起こせる表示が出る。押せば、 マリア・セレネス の選択肢。セレネスを選ぶと、マリアは一歩下がり、セレネスが膝まずき祈りのポーズをとる。
「セレネス!!」
マリアに話しかけるように話してみるも返事はない。
「反応無いっす……」
後ろの2人に話しかけると、ファイトー! と御座なりの応援をくれるプロデューサー、どっかボタン押しながらとか? 古いゲームの知識なのか、一応やってみたら? 的な提案をハルさんからされた。
ガチャガチャとボタンを押しながら、あーあーと声をだす。
人差し指で押すタイプのL・Rボタンを同時に押しながら声を出した時に反応があった。
「ヒルダ神様!?」
繋がった!! 後ろの2人も身を乗り出してきた。
こちらの声を聞くや否や、自己紹介を始めようとするセスを止める。いや、君たちの事はよぉーく知ってるからね……。それよりも、まず聞かなきゃ行けないことがたくさんある。
まず、北から来た軍の話。セスによれば王様からの命令ではなく、イチカを捕まえたい王子達の仕業ではないかと言う。
このゲームに関しては、王子達はモブ以下の扱い。1つの帝国と4つの王国があるが、どの国も第○王子、殿下、としか出てこない。もちろんキャラ設定もない。
こちらからすれば何でここで王子ー!? な展開である。しかも、東の国に居るって情報が流れてるってなに?
もしかして……
「トラットさんのところの兄妹と仲いいの?」
「はい、兄のアモイは我々と年が同じで、妹のジャワ嬢は、見た限りどうやら弟のフィルソンに懸相しているようで、会えばいつもフィルの横を陣取り、5人でお茶をする仲であります。」
「あちゃぁー……ちょっと待ってて。」
後ろの2人も あちゃぁー の表情……
「フィルソンを選んでるって事は、出会えば強制的にイベント発生案件?」
「フィルソンじゃあそうだねぇ。バリーだったら面倒ごとにならなくて良かったのに……」
「でも、会わなきゃ問題無しじゃない?」
「逆に言えば、会っちゃったらイチカはヤバい状況になるよね……」
そうか……あ、そういえば!!
「聞きたいんだけど、君はあの鳥の連絡手段は使えるの?」
あの鳥マークのメールが使えればイチカと連絡とれるんじゃね? と聞いてみるも、印持ちじゃなきゃ無理だと言われた……
作ったのは我々だが、何故印持ちキャラじゃないんだ……と理不尽な事を思いながら取りあえずやって欲しいことを伝える。
「急ぎでトラット公爵の所に行ってくれる? で、イチカの情報がどういう風に分かったか調べて欲しい。もし、ジャワが関係してたらすぐにフレミッシュ公爵の元に向かってくれ。」
プロデューサーが驚いて口を出す。
「何でいきなりフレミッシュ? トラットのイベント攻略しなきゃでしょ?」
うん、当然の疑問。でもちょっと待って、と眼で合図を送り
「では、もし、関わっていなければ?」
と言う、セスの質問に答える。
「単純に黒目黒髪を見つけられて報告があがったんだと思う。そうなると見つけるのはちょっと大変かなぁ……」
取りあえず、関わっていてもいなくてもトラット邸に行き、アモイには話を聞くように伝える。何故なら、攻略対象者だから!
とはいえず、仲がよかったならなにか知ってるかも? 的な感じで話をして通信を終了させた。
「……で、なんでジャワからだったらフレミッシュに進むの?」
「ジャワがチクったのなら、イチカ達に会ってるって事です。そして、チクることによってイベントは始まります。まあ、内容的にはバリールートの方でしょうけどね。」
「えー……っと、泥棒に仕立てられて主人公だけ捕まるんだっけか?」
「そうですね、内容的には……ただ、最終目的はジャワが2人を引き離す事を目的としたイベントです。」
まだ、よく分からないって顔をするプロデューサーに説明する。
「今回、ゲームと違い、国が絡んできました。フィルもリベルも公爵家の人間です。逆らえば家の没落問題に直結しかねません。家の進退をかけてまで、イチカを守るメリットはありせん。一緒に逃げたにせよ、魔物達に捕まった事になってるにせよ、一緒に居るところを目撃されたとしたら国に戻らなければならないでしょう。」
「かと言って、イチカが捕まるような事を2人がするとは思えないねぇ。」
「……ってことは、イチカだけを逃がすって事?」
「はい。そして、フィルとイチカが別行動することによって、ジャワのイベントの肝の引き離すって行為は達成される訳です。」
ああ、そういうことか! とやっと納得したらしい。
本来ならここからミニゲームがあり、最終的に対象者の許に戻り旅を続けるのだが、イチカの場合は戻れば危険が増すだけ。
フィル達と来てくれれば我々としては居場所がハッキリして嬉しいのだが、イチカを探している王子の話を聞く限り、二人は逃がすことを選ぶ気がする。
「セスに応援要請とか来ないかしら? あの、鳥みたいな奴で!」
「それが来てくれると助かるねぇ。」
「そうですね。あの、コトリメールがまた来ることに期待です!」
と、マリアが宿で寝ていることを表すZZZ……が出たり消えたりを見るとも無しにみていた。
誤字報告を頂きました。
漢字の間違いが多くスミマセンm(__)m
誤字、脱字、内容で辻褄が合わないような箇所がありましたら、教えて頂けると嬉しいです。
今回も読んで頂き、ありがとうございました。




