表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/266

46. S へのご神託

マリア嬢が宴に出ることを快諾したので、準備が出きるまで宿で風呂に入ったり明日の出発の支度をし、食堂でマリア嬢と落ちあった。


「申し訳ございません、セレネス様。勝手に宴に出ることを決めてしまいました。」


「そうですね、今はなるべく早くイチカを追いたいので、出来れば先に進むことを選んで欲しかったです。」


「すみません。でも、軍の話を聞いたので、ヒルダ神様にお知らせしたくて……」


ヒルダ神様への報告の為に残ったのか……


「いえ、こちらこそ浅慮でした。申し訳ない。確かに報告してご神託を頂けるならありがたいですね。」


「はい。なのでまた今夜ご神託があるように願っております。」

「わかりました。もし、ありましたら教えて下さい。」


準備が終わりましたと昨日の案内人が呼びに来たのでそのまま宴に向かい、マリア嬢と共に明日も早いからと早めに退散させてもらった。


二人とも部屋に入り、さて寝ようか。というときに扉を叩く音がした。こんな時間に誰だ? と警戒しながら返事をすると、マリアですと遠慮がちな声が聞こえた。


流石に未婚の女性を部屋に入れる訳にはいかないので、食堂で話しましょうと向かう。明日の仕込みをしている店主がいたので場所を借りて話をする。


「あの、先程ご神託をいただきました……。」


「! そうなんですね! ヒルダ神様はなんと?」


「あの、セレネス様に神託をしたいとおっしゃられて……」


「私にですか?」


「はい。それで……申し訳ないのですが、今から教会でお祈りをして頂けないでしょうか?」


お祈りくらいは別に構わない。マリア嬢の態度が若干気になるのだが、時間もないので明日着る予定の服に急いで着替えて教会に向かう。


村の教会に向かう。街よりもずいぶん小さい造りながら、大きな双子神の彫刻が後ろにあるステンドグラスを通した月明かりでシルエットとして浮き上がっている。


夜の突然の訪問にも関わらず、神父が穏やかな顔で迎えてくれた。


祭壇の前に膝まつき、祈りのポーズをとると心の中でヒルダ神様に語りかける。


「………ー、……あ……す、あーぁ……、………テスッ!」


「!! ヒルダ神様!?」


「おっ! 聞こえる? アーアーアー、もしもーし!」


「はい、聞こえております。私、グリン・ド「あ、ちょっと待って!自己紹介は大丈夫、セス君のことは知ってるから大丈夫!」……ありがたきお言葉!」


神とお話しを出来た感動と、以外にフレンドリーな話し方に驚きつつご神託を受ける。


「我々の辿るべき道を教えて頂きたく……」


「あー、その前に……国の軍が動くって聞いたんだけど……。君と君のお父さんで話し合って、君たちだけで探すって事になったよね? なんで軍が出て来たの??」


「父と連絡が取れませんので推測になりますが……」


と、王である陛下ではなく、息子達がイチカを捕まえる為に、勇者の応援部隊とでも言ってそれぞれのお抱えの軍を送り込んだのであろうという説明をした。


それに加え、報償金や東の国に居るとの情報が流れている事についても付け加えて報告する。


「あー。東の国ね……セスはトラットさんのところの兄妹と仲いいの?」


「はい、兄のアモイは我々と年が同じで、妹のジャワ嬢が、見た限りどうやら弟のフィルソンに懸相しているようで、会えばいつもフィルの横に座り、5人でお茶をする仲であります。」


「……あちゃぁー。フィルソンだったかぁー……んー、じゃあ、ちょっと待ってね。」


そういと、なぜか神の声が複数聞こえる……女神の声とヒルダ神より少し低い男神の声。フィルソンじゃあとか、イチカがヤバいなどと聞こえるが、これが神の会議の声なのだろうか! 私は今、凄い事に立ち会えているのではないだろうか!! と興奮で鼻血がでそうである。


「お待たせ。あのねセス、聞きたいんだけど、君はあの鳥の連絡手段は使えるの?」


「鳥……? あぁ、もしや、言俐(コトリ)のことでございましょうか……。 申し訳ございませんが、あれは印持ちのみが使える術でございまして、私は受けとるだけで送ることは叶いません。」


「あー、そっか……じゃあ明日、急ぎでトラット公爵の所に行ってくれる? で、イチカの情報がどういう風に分かったか調べて欲しい。もし、ジャワが関係してたらすぐにフレミッシュ公爵の元に向かってくれ。」


ん? ジャワ嬢が関係していたら?


「では、もし、関わっていなければ?」


「単純に黒目黒髪を見つけられて報告があがったんだと思う。そうなると見つけるのはちょっと大変かなぁ……もしかしたら、アモイ辺りは陰で協力してるかもしれないけど……」


「指針をありがとうございます。明日の朝、すぐにでもトラット公の元へ伺います。」


「うん、そうしてくれるー。ごめんね、夜遅くに……ゆっくり休んでね。あ、マリアにもよろしく伝えといて!」

「はい。ありがたきお言葉を胸に休まさせて頂きます。」


気付けはマリア嬢がこちらをじっと見ている。ヒルダ神様に言われた よろしく をマリア嬢に伝えると不思議そうな顔をした。


宿までの道のりで、ご神託をマリア嬢に伝える。分かりましたと安堵の表情を浮かべる。その表情の意味が分からずマリア嬢に聞けば、協会で私が神託を得られなかった場合の対処を聞き、次回もきちんとお祈りをしようと心に決めた夜であった。

読んで頂き、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ