表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/266

18. T の上司

メイドが迎えに来たのでマリアを操作して着いていく。扉を開くかどうかの選択を迫られ、 開く を選ぶ。


プログラムにないアニメ画像のムービーが始まった。俺も横で見ていたハルさんも驚いて顔を見合わせる。


マリアの目線のムービーなのか黒髪の、昨日の夜見た女性に似たキャラクターがいた。その奥にはウリーボ3兄弟が見える。


ハルさんが何か問うようにこちらを見たので、


「……似ています。昨日の女性も背はあまり高くなく、髪も長かった。」


そのあと、更に驚く事がおきた。マリアが声優の声で録音した以外の言葉を発したのだ。


「ダゴン村のマリアです。」


と、お辞儀でもしたのか目線がさがる。

顔を上げると、


「イチカ カゲノです。 お見知りおきを。」


イチカと名乗る女性は少しグラグラと揺れながらドレスの端を持ち上げ、いかにも慣れてないと言う感じの挨拶をした。


と、マリアの視点がイチカが着けている赤い珊瑚の髪飾りで止まった。そして、プルプルと視界が小刻みに揺れると


「……まめ。」


と呟く。まめ?と聞き入れば、突然イチカに向かって突進した。


何故かテーブルを振り返っていたイチカの髪飾りを、髪の毛と共にむしり取る。イチカは頭を押さえ、涙目でこちらを見ている。


だれかに体を押さえられたのかイチカとマリアの目線が徐々に離れる。


グリンの止めなさいという声が聞こえ、フィルソンが目の前に立ちはだかる。その奥ではリベルがイチカを抱え起こし抱き締めている。


「何をするんだ! 君が会いたいと言うから場をもうけたと言うのに!!」


グリンが物凄い形相で怒ってくるが、マリアはお構い無しだ。


「悪魔め! 魔人じゃないですか!! 黒い髪に黒い目。ローナを連れ去った奴と一緒よ! ローナを返しなさいよ!! あの子に何かしたら只じゃおかないから!!」


イチカに近づこうともがくも、連れていけとグリンに言われた後ろの人間に引きずられるように遠退いていく。


「ローナは関係ないじゃない! 魔人も魔物も殲滅してやる! 返して! 返してよぉぉ!」


どんどんとキャラクター達が離れていき、目の前で扉が閉まったと同時にムービーが終わった。セレネスのキャラクターの絵姿が中央に現れ少し落ち着けと部屋に強制連行された。


部屋に戻るとグリンがきた。かなりご立腹らしくテロップには小言が流れている。一通り言い終わったのか、何故襲いかかったのかやっと理由を聞く気になったようだ。


マリアはイチカから毟り取った髪飾りを見せる。


「この髪飾り、リボンやレースは上等な物ではないですが、良い珊瑚が採れたので髪飾りにしてローナの誕生日に私が贈ったものです。」


「間違いないのか?」


「はい。珊瑚は2つと同じ形の物はありませんし、何よりここに Rに感謝を込めて M と私が入れたメッセージが入っています。」


グリンは うーーん と頭を抱えている。暫くすると、悪いようにはしないから今日は部屋に居てくれと出ていった。


マリアは待機状態なので通信するためにマリアをベッドまで誘導する。と、ハルさんから待ったがかかった。


「ごめん、平良……ちょっと待って。一回整理させて。」


中断セーブさせられ、また休憩スペースに移動する。と、一つ一つまた確認しながら説明させられた。


一番重点的に聞かれたのが、ゲームデータを弄ってないかどうかと、キャラクターの追加について。ムービーが始まった時点で俺1人では出来ない仕事だと分かってはいるのだろうが、確認せずにはいられなかったのだろう。


後はカゲノ イチカと言うキャラクターについて。これはなんとも言えない。俺自身何が何やらさっぱりなのだ。


ゲームを進めれば正体が分かるのか、一時的に出てきて消えてしまうのか。聞かれても答えられない。


2人してああでもないこうでもないと暫く話していたら、ハルさんが


「よし、デバッガーは免除。修正は君の担当の部分はお願いするけどそれ以外はあのゲームをやって。ほかに知れると処罰しなきゃいけないことしちゃってるからブースじゃなく1部屋どっか使って。」


「え、良いんですか?」


「その代わり、時間がある限り僕も参加させて貰う。」


「もちろん。こちらからお願いしたい位です。」


じゃあ早速とばかりに、一番小さな会議室を専用に与えられ移動した。色々と記録を取る物が用意され、2人で見ても見易いモニターなんかもセットされた。


冒険物のRPGとはいえ、途中から乙女ゲーム的要素が強いのでオッサン二人でプレイするのは若干照れるが、R指定が無いだけましだと言い聞かせて続きを再開した。


ベッドの横で待機しているマリアを操作。通信のコマンドを する。 にする。


「マリア、さっ「ヒルダ神様! ありがとうございます!! ご神託通りイチカという女にローナの手がかりがありました!」……」


「イチカは黒目黒髪でローナを拐った魔人と同じでした。あの女を問い詰めればきっとローナを知っているに違いありません!髪飾りも持っていたし……」


マリアの妄想テロップが止まらない。ハルさんもテロップを目で追いながら苦笑いしている。


イチカについては現状ではどんな判断も下せない。何故なら、キャラクター本人が日本からきた。としか言っていなかったから。

とりあえず前回同様、マリアが落ち着くのを待つ。


愚痴がおわり、さあ話を!と思ったのもつかの間、いつのまにやらローナの素晴らしさを語り始めたマリアに口を挟めるわけがなく、暫く延々と流れる無意味な友達自慢を読む羽目になった。


読んで頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ