13. T のテスト
ゲームを再開する。なんやかんやと1日動き周り、風呂に入るそうでゲーム内のイチカが肌色になる。ただの点の集合体だと分かってはいるのだが、これも見てはいけない気になる。特に、女キャラの名前を知ってから、夕べの女性と被ってイケナイ想像をしてしまいそうだ。
イチカが湯船に入ると、突如彼女のステータスが表示された。
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ナマエ カゲノ イチカ
ネンレイ 25サイ
セイベツ オンナ
シュゾク ヒト
ショウゴウ %#&*@♪
Lv 1
HP 9/10
MP 30/30
スキル カンテイ 7
ニゲアシ 1
ゲンジツトウヒ MAX
アイソワライ MAX ▼
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「よっわ!」
って、え? バグ?? ショウゴウ? あ、称号か。片仮名だと判りづらいな。それにニゲアシはともかく、現実逃避や、愛想笑いのスキルって初めて聞いた。なにそれ、そのスキル俺も欲しい。あと、この▼はなんだ? プルダウン? 説明出るの? 見たいんだけど!!
いや、それより、バグをすごく修正したい……が、干渉できないのが歯がゆい。ヤキモキしながら画面を見る。すると、イチカか風呂から出て変な動きをしだした。ヤバい。本格的にバグったかもしれない。どうしようかと悩み、規約違反だが、一か八かでゲームの基となるデーターを自分のノートパソコンにコピーし、コピーしたゲームとゲーム機をリンクさせてみた。
ゲーム機が一度ブラックアウトした後、宿の風呂場とは違う場所が写し出されている。中央に居るのは主人公のマリアのキャラ。どこかのお屋敷のベットでローナと呟き眠りにつく所だった。
「あれ? イチカは? バグは??」
言いながらノートパソコンをカタカタと弄ってみる。
画面にテロップが出る。
《あれ? イチカは? バグは??》
画面内のマリアが起き上がり、何かを探すようにキョロキョロと首を振る。
「だれ?」
マリアの台詞が自動でテロップに表示された。
思わず口を押さえる。手で隠された口は 何で…? を繰り返す。
しばらくするとマリアが寝たのか、ブラックアウトした画面にZZZ……が出たり消えたりが始まる。数秒の音楽の後、明るくなった部屋でマリアはベットから起き上がりベットの横で足踏みをしている。プレイヤーの操作待ちの状態だ。
コントローラーをさわる。グリグリとスティックを動かすと連動するようにマリアが同じ場所を回る。スティックから手を放し、話しかける。
「声が聞こえますか?」
心臓がバクバクと脈打つのを感じながら画面を見つめる。
何も起きない。あー、もう、訳わからん。と頭をガリガリと掻く。そうだ! と思い付き履歴を確認する。さっき俺が口にした言葉がそのままテロップに流れた事を物語っている。が、それ以前の履歴が綺麗さっぱり無くなっていた。
プレイの進捗状況は1章のまま。マップを確認しても屋敷の見取り図しか出てこない。
はぁぁ。と深いため息をつくとマリアを操作し、セオリーを無視して屋敷の出口に向かう。屋敷を出れば街のマップに切り替わるはずだ。
出口の扉を見つけるも、男性とメイド服のキャラが立ちふさがって屋敷の外に出られない。
近寄れば会話が出来る様なので話をする。二人とも旦那様から誰も外に出すなと命令されております。としか言わない。こんな軟禁イベントは無かった筈だ! と思いながら仕方なく屋敷中を歩き、全てのキャラと会話をし、何処かに出られるところはないかと家具などを触りまくる。
キャラとの会話はプログラム通りの会話。家具などを開けてもプログラムで配置されたアイテムしか出てこない。
肝心のイベントを進める為に必要であろう旦那様も出掛けているらしく、話も出来ないので物語が進行しない。どうすることも出来ないので、もう一度1部屋1部屋隅々まで歩き回る。と、最初の部屋のベットの横に立ったときコマンドが出てきた。
通常、ベットの横に立つと 休みますか? はい・いいえ のコマンドが出るようにプログラムされている。しかし、画面上には 通信しますか? はい・いいえ のコマンド。迷わず はい を選択する。するとマリアが蒲団に入った。
ノートパソコンでプログラムを弄ってみる。が変化無し。
文字入力で テスト、テスト と入力してみる。やはり変化はない。
「テスッテスッ」
小さく声に出してみた。
《テスッテスッ》
テロップに表示さた。マリアが蒲団から起き上がりキョロキョロし、昨日と同じ台詞を言ったらしい。テロップに だれ? の文字。
さて、どうするか…………。
読んで頂き、ありがとうございました。




