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12. I の舞い

結局あの後、3人のオヤジ殿に会うならば早起きをしなければ!! という勢いに押され、さっさと寝るように言われてしまい説明は聞けず終いで解散となった。


今朝目覚めた部屋をそのまま使わせて貰える事になった。夕べは汚れた服のまま寝てしまったので新しいシーツと交換する。その間、魔法を使いお湯を溜めるというのでお風呂の準備をリベルさんにお願いする。お風呂と言えば、と思いだし盥の横の壁の文字はなんて読むのか聞いたら魔法が使えない人はフロントまで。と書かれていると教えてくれた。それと、宿屋は今は休業中で私以外に泊まり客は居ないことも教えてもらった。


魔法と聞いてテンションがうなぎ昇りである。が、とりあえず冷める前に風呂! 体と髪をざっと洗い湯船に浸かる。


「……ステータス」


ノベルや漫画で、魔法が使える世界だと分かると、主人公達が一番始めに確認してたやつ! 出てくるかなぁーなんて期待しながら呟いてみた。


キタァー!!!!! 目の前に文字の羅列。ザバッと立ち上がり、裸なのも忘れて嬉しさのあまり変な躍りを繰り返す。誰も見ていないから出来る芸である。


とりあえず風邪を引いても困るので急いで体を拭き、パジャマ替わりに渡された服を着る。ドライヤーも無いので、ゴワゴワ布で何度も髪を拭きながらステータスをチェックする。


********************


名前 影野 一華

年齢 25歳

性別 女

種族 人

称号 %#&*@♪

Lv 1

HP 9/10

MP 30/30

スキル 鑑定 7

逃げ足 1

現実逃避 MAX

愛想笑い MAX ▼


********************


「よっわ!」


ガッカリステータスである。ゲームはあまり詳しくないが、兄達がやっていた冒険のゲームはHPやMPの隣は数字がもっと沢山並んでた気がする。称号もなんか変な記号が並んでるし。スキルは……………MAXは嬉しいが内容が。なんかこう、うーん。愛想笑いには思い当たる節があるが、現実逃避ってなんだよ。


ま、ステータスが見れただけで異世界気分を満喫できたから良しとしよう! と無理やり自分を納得させ、3兄弟のオヤジ殿に合うために布団に入る。興奮冷めやらぬ状態なので眠れるか心配だったが、直ぐ様夢の旅に出掛けられた。



◇◇◇◇



コンコン、コンコンと扉を叩く音で目を覚ました。カーテン越しに光が入っているので朝なのだろう。時計がないと不便である。ハイハイ、と返事をして服と髪を少し直すと扉を開けた。


キレイにお辞儀をするメイド服の女性が3人。


「おはようございます、イチカ様。本日、旦那様に謁見される為の身支度を仰せつかりました。わたくしはミーリャ、こちらはラテナとジルでございます。よろしくお願いいたします。」


寝起きで働くことを半分拒否している頭をどうにか起こしてメイドさんの名前を覚える。

そういえば……メイドさんがする身支度と言えば、主人公がだいたい悲鳴をあげているコミックのシーンを思い出した。


「あー、おはようございます。えっと、身支度? は一人で出来るので、化粧道具だけあったら貸して貰えると有りがたいです。」


彼女達は少し驚いた顔をしてものすごく困った顔をした。


「旦那様からのご命令ですのでお手伝いさせて頂きたいのですが……」


そうか。この人達は仕事で来ている訳だ。ここで断り続ければ辞めてくれるだろうが、確実に後で怒られちゃうだろうな。うーん、正直、嫌だが致し方ない。


「そうですよね。わがままを言いました。よろしくお願いします。」


頭を下げると3人ともホッとした顔をして準備を始めた。


そこからはまあ凄かった。羞恥に耐えながら風呂を済ませ、ギリギリと締め上げるコルセットに品がない悲鳴をあげ、胸元が寂しいと物凄い量のドレスの中からモリモリのフリルの付いたドレスを着せられ、やっと座ると今度は髪のセットだ化粧だと、3人のメイドさんはそれはもうよく働いて下さいました。


げっそりとしながら部屋で小さくカットされたサンドイッチを摘まむ。寝起きで身支度を始めたので朝から何も食べていなかったのだ。フィルソンさんがわざわざ用意してくれたらしい。なんて気が利く人なのだろう。嫁に欲しい。そういえば、今朝はまだ3人に会っていない。騒いじゃったけどうるさかったかも。などとちょっと反省しながらもモグモグと食べ進める。


コンコンとノックの音に急いで食べかけのサンドイッチを飲み込み、はーいと扉を開けると燕尾服をかっちり着こなしたオジ様が立っていた。執事さんらしい。


「イチカ様、お時間でございます。」


はーい。と素直に返事をし壁に手をつきながらヨタヨタと廊下に出る。3人は? と聞けばもう先に戻っているらしい。


いかんせん、モフモフしているドレスが邪魔で足元が全く見えなくて歩きづらい。そういえば、下に生地は薄いが膝下位のズボンを履いたなと思い、ドレスの前面の裾を抱え込む。


すると後ろからゥオッホン。と言う咳払いと、失礼。と言う声が聞こえたかと思うと抱きかかえられた。いわゆるお姫様抱っこというやつである。


正解が分からない。そっと抱えたドレスの裾は離したものの、こういう場合はどう動くものだったか、数少ないラノベやコミックの知識を必死に思い出していた。

読んで頂き、ありがとうございました。

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