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116. I の特訓

後半、ドラド オマケ②がある為、いつもより少しだけ長めとなっております。

出兵の準備をする為、3日後に。と言って寮に帰ったドラド総隊長が、何故か次の日、朝早くからグッドル邸にやって来た。


「イチカを同行させるならば、最低限、身を守るすべは会得して頂きます。」


そう言って何故かドラドさん(みずか)ら講師役をすると言う。


「隊の方は良いのか? 総隊長ともなれば色々とやるべき事が多いのではないか?」


ハスキスさんが聞くと、何故かチラチラとこちらを見ながら、


「各隊の隊長にはそれぞれ指示を出しました。皆優秀ですので心配はありません。それに……先ほども言いましたが、イチカに身を守るすべを教えなければ連れていけませんので。」


「任せろ! 俺が鍛えておいてやる!!」


……全力でお断りしたい。


「!! い、いえ、お待ち下さい。彼女には多分武術より魔力を中心とした護身術の方が使い勝手が良いかと……」


ナイス! ドラドさん!! この間のバセットさん達との手合わせを見た限り、到底私には出来そうもなかったので助かります!! の感謝を込めてドラドさんを拝む。ドラドさんはチラッとこちらをまた見て、フイッと目を反らす。ありゃ、相当嫌われてるかも……


ドラドさんがその後も説得してくれて、どうにかハスキスさんの熱血指導は免れた。そして、ドラドさんが護身用にと貸してくれたのは、光属性用の拳銃のような魔道具。玉は勿論魔力。


慌ててこっそりハスキスさんに確認を取る。


「私、聖属性ってステータスに書いてありましたけど、光属性の物も使えるんですか?」


「あ、忘れてた。魔道具は詳しくないが、聖属性は光属性の上級属性の位置付けだから大丈夫だろう。」


それならばと大人しく説明を聞く。普通の人なら魔力1で1発。なので私に関しては無制限に撃てる! ハズでしたが、まず、玉が作れない……


『違います。』『ダメです。』『こうではなく、こう!!』『死にたいのですか?』『集中して!!』と叱られながら、休む間もなく魔力玉を作る練習です。


はぁーー。とドラドさんが深いため息をつくと、覚悟を決めたような顔で、


「手を……両手を前に……。」


叱ってるときの1/10のボリュームで指示が来た。言われた通り両手を前に出すと、顔を真っ赤にして、失礼。と言いながら少し震えて私の手を取る。あぁ、不出来な生徒で申し訳ない……


「目を閉じて、イメージしてください。魔力が私の左手から貴方の右手に、背中を通って今度は貴方の左手から私の右手へ。」


言われた通り、目を閉じてイメージする。想像力の乏しい私は丸い玉状の魔力達がバスに乗って血管の上を走っているのをイメージした。すると、不思議なことにバスが走った所が熱を持っているように感じる。


ドラドさんの言うとおり、手から手へ、背中を通ってまたドラドさんに戻ってゆく。これが魔力か!? と、そのままドラドさんの手を離し手のひらをバス停に見立て、魔力玉の乗ったバスを集めるイメージをする。


「ちょ、ちょっとストップ! イチカ、ストーップ!!」


ドラドさんの慌てた声に現実を見る。手のひらにはバレーボール程の魔力の玉。


「1発にどれ程の魔力を込める気ですか? もう少し少ない魔力で結構ですので。取りあえず、玉作は合格です。あと、それは逆に体内に戻すイメージで消して下さい。」


呆れられながらも、合格を貰えた。次は射撃訓練。グッドルさん家の訓練場を借りて簡易の的を作る。


「いいですか? 魔物と一言に言っても、グロテスクなものから、愛らしい容姿の者まで様々な形の者がおります。決して可愛いからと侮らないように!! 見つけたらすぐに撃ってください。」


可愛い魔物もいるのか……とちょっと興味をそそられながらも言われた通り銃を構える。的に狙いを付け、引き金を引く。


『ポフッ』何とも気の抜けた音がする。が、そのすぐ後、ベシッ、メリメリ、ドスン、ドゴッと何とも重々しい音が響いた。


私の撃った玉は的から逸れ、支柱に当たり、的は無傷のまま落下。的の後ろにあったレンガの壁にはクモの巣状のヒビ。


「…………きちんと的を狙って下さい。それより、貴方は本当に光属性ですか?」


疑いの眼差しを感じる……やっぱり分かる人には分かってしまうか……。


「ごめんなさい!! ホントは聖属性です。」


「……聖属性……。聖属性!? 本当ですか?? なんと……」


ドラドさんは物凄く驚いて、眉間に皺がよった。ヤバい、怒らせたか……!?


「フゥ。貴方は……本当に不思議な方だ。 聖属性などおいそれとは口に出来ない事情は分かっております。ただ、聖属性となると、魔道具がありません。なので、そのままその銃をお使い下さい。それと、魔力玉の大きさに気をつけて下さい。魔力を込めすぎると銃が壊れてしまうかもしれません。」


……どうやら怒ってはいないようだ。それどころか、今日1で優しい表情をしている。


ホッとしてありがとうございます。と見上げて言えば、ドラドさんはフリーズしてしまった。あ、ヤバい。近づき過ぎたか……


スミマセン……と下を向くと、頭にポンッとなにかが乗った。見上げれば、ドラドさんの手が頭に乗っているようだ。ナゼだ? とドラドさんをみれば、顔を真っ赤にしてもう片方の手で顔を覆っている。


「あの、だいじょ……「その顔! やめてもらっていいですか!?」…………えっ? えっと、……スミマセン……」


思わず、ドラドさんの視界に顔が映らないように俯く。この顔をやめろとは、また理不尽な要求だが、これから一緒に旅に出る事になるのだ、なるべく波風立てないように気を付けよう…



◇◇◇◇



116.5 ドラド オマケ②


おかしい。寮に帰って、食事中も風呂に入ってる最中も、昼間に会ったイチカと言う女の子の顔が頭から離れない……


手も……ありがとうと言って握った手も、温かく柔らかかった……思い出すだけで、身体中が熱を持つのを感じる。


3日後と言って出てきたが、会えばこの熱も引くだろうか……そう思ったらいても立ってもいられず、夜にも関わらず緊急で隊長達を集め、明日からの支度の指示を出した。


次の日、失礼に当たらないギリギリの時間からグッドル邸を訪問する。適当に理由を付け、イチカに合う。ハスキス様が何かごちゃごちゃ言っているが、適当に返事をし、イチカをチラチラと見る。暫くすると、キラキラとした目をして、私を拝み始めた。何だそれは……そんなキラキラした目で見ないでくれ!!


その後、魔力操作の基礎を教えるため、イチカの手を取る。……近い! 柔らかい!! あぁ、目を閉じた姿を直視出来ない!! と、スッと手を離されてしまった。少し残念に思いつつイチカをみれば、手のひらで徐々に大きくなる魔力玉……驚いて急いでイチカを止める。……光属性にしてはやたらと眩い光を放っている……。何故だ??


魔力玉は出来たので、射撃訓練に移る。相変わらず、ポフッっと間抜けな音を出して飛び出た魔力玉は、全てが想像力以上の威力だった。イチカに詰め寄れば、光属性ではなく聖属性だと言う。魔導師の憧れの聖属性……


隠し事をさらけ出したからか、ホッとした表情で私を見上げている。心臓がキュゥッと絞られるような感覚と、頭の中で、コラドのダメだ……女は怖い! 気を許すな! と言う声。


気がつけば、何故かイチカの頭にポンと手を置いていた。このまま撫でてしまいたい衝動と戦っていると、不思議そうにそちらを見上げた視線が絡まる。…………可愛い!!!! 心臓が持たない!


「その(可愛い)顔! (直視出来ないので)やめてもらっていいですか!?」


思わず出た言葉。このせいで誤解が解けるまで、イチカに避けられるとは夢にも思わなかった……。


読んで頂き、ありがとうございました。

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