最凶少女と苦労猫? 2
私と朔が目を丸くしたふわふわした物
(正確には人)の正体は、
カスタード色に毛先だけ淡いピンクになった髪をふわりふわりとゆらし、
若草色の瞳を輝かせながら話す少女だった。
「おぉ…、架純か…おはよう。」
私が少し驚きながら朝の挨拶を交わした
この子は、私が所属している
『共同課』(きょうどうか)の後輩の 架純である。
「架純ちゃんおはよっ!
しかしよくみてたね!たまたま今日だけ?」
相変わらず朔って切り替え早いよね。
「ノア先輩、朔ちゃんおはようございます!
ううん!365日毎日欠かさずみてるよ!
私、運が超絶悪いから毎朝のおはモニ星占いのラッキーアイテムだけが頼りなの!」
あ、忘れてた。架純 は、兎にも角にも
運が悪い。
いや、世間一般、並大抵の悪さじゃない。
んー、例えば
〇前に課でした忘年会でのロシアンルーレットでも10回中 10回全部からし入りシュークリームを引き当ててたり…
○一緒にスケートに行った時には架純の所だけリンクが底抜けるし…
○生まれてこの方おみくじでは
「凶」・「最凶」しか引いたことがないらしい…
もうここまできたら、運が悪いってゆう次元じゃなくて、
神に見放されてるとゆうか、神に恨まれてる域ではと思った。
「で、今日はりす座は何位だったの?」
すると架純はよくぞ聞いてくれました!
とゆわんばかりの笑顔をにっこりとみせ
「それがですねっ!なんとなんと7位だったんですよ!!すごくないですか!!」
とぴょんぴょん跳ねながら語る。
そんな架純に無慈悲に
「え、架純ちゃん7位って普通に半分以下いじゃない?」
と言い放とうした朔 を見計らい
私は朔の口を蓋した。
「ふごっ、ふがふご!!
(ちょ、ノアなにんの!)」
そんな朔を他所に私は話を進める
「いいじゃん。ラッキーアイテムは?」
「はいっ!今日は゛イカ ゛だったんで、
これっ!゛スルメイカ ゛ もってきました!
たくさんあるんで、ノア先輩!小腹がすいた時は私に声かけてくださいね!」
そういうとカスミはリュックの中から
スルメイカが入った袋を私の顔の前にだした。
「あ、う、うん。ありがとう。」
「いえ!あ、それと今日のねこ座のラッキーアイテムは ゛黒いもの ゛でしたよっ!」
「あ、そうなんだ…なら、大丈夫か。」
「ふごっ!ぷはぁ。
ん?ノアなんでー?黒いもの持ってたけ?」
「ん…?あぁ、のってる。」
「んは?のってる?」
私は懐からコンパクトを取り出し
中のミラーに朔 を映し出す
「んー?ボクがなに?って
あーー!なるほどねっ!ボクが
゛黒いもの ゛っねワケね。」
「そゆこと」
私はそういうとコンパクトをパチンと
閉じ懐に直した。