<実戦配備>
数日後、俺はほかの五人とともに基地の一室にいた。
「言っておくが私は負けるつもりはないぞ」
「身長以外でも俺に勝つつもりか」
装甲歩兵としてすべての課程を終えた俺たち六人はすぐに実戦配備されることになるが、どのような形で部隊を運用することになるのかはまだわからない。しかし、少なくとも俺かアリアのどちらかが小隊長として部隊を引き継ぐことになるだろう。
少なくとも・・・。まあ、俺だけではないだろうが少尉として装甲歩兵の搭乗員として恥じることのないように戦うことを心で誓う。
・・・・・
「敬礼!」
「よーし、全員揃ってるな」
扉を開けて入ってきたのは教官であったレイチェル中尉、そしてそのあとを基地の司令官であるハインズ大佐が入ってきた。そしてそのまま正面に立つとハインズ大佐は形式的な話を始める。
「今日で君たち六人は装甲歩兵としての課程を終えて正式に配属される。それに伴い曹長だったものは少尉に、軍曹だったものは准尉となるが初心を忘れず、頑張ってくれ。以上」
そういって下がると、次はレイチェルが本題に入る。
「これからお前たちは私の指揮下で正式に装甲歩兵小隊となる・・・」
これを聞いて全員の頭の中が真っ白になったのは言うまでもない。みんな教官であったレイチェル中尉や教育課程から解放されると思っていたのだ。結局そのあとどのような話をしているのか全然頭に入って来なかった。ただはっきりしているのは特に変わることはないということだ。この小隊のまま、ある時にはパトロールまたある時は敵と戦う、それだけだ。
・・・・・
こうして空を目指していたはずの俺は、いつの間にか装甲歩兵というもので空とは全く違う戦い陸での戦いへと身を投じることになった。
この戦争がいつまで続くのか、どんなことが待ち受けているのかははわからない。しかし、今の俺には確実に言えることがある。それは、俺は仲間たちとともにどんな困難でも乗り越えていく覚悟があるということだ。これからは戦友として様々な戦いに身を投じていくことになるだろう。