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<分隊長>

 倉庫に閉じ込められた事故から数か月たち、俺たちレイチェル中尉指揮下の小隊も随分と様になってきた。


 「第一分隊は側面に、第二分隊は私とともに援護しろ」

 「「了解」」


 俺はルカとシルヴィアを率いて敵(といっても仮想敵だが)の側面へと回り込む。レイチェルと第二分隊長のアリアとティノとティカの四人が敵を引き付けてくれる手はずだ。


 「ルカは見張りに、シルヴィアは迫撃砲を設置」

 「「了解です」」


 手っ取り早く相手陣地を制圧するにはやはり火力が一番だ。というより、相手も装甲歩兵となるとそれなりの火力で攻撃をしないと攻撃が通らないのだ。



・・・・・



 その後、予定通り訓練は終了した。会議室へ行き、いつも通りレイチェルが今回の訓練についてまとめる。


 「何とかお前らも人並みには戦えるようにはなってきたな。今度は実際に基地の外に出ることになるから、引き続き頑張ってくれ」


 レイチェルが会議室から出ていくと、俺たちはそのまま椅子に座ってそのままだらける。いつもならこのままゆっくりして夕食の時間になったら食堂に行く。しかし、なんだかいつもと空気が違う。俺はシルヴィアに声をかける。


 「どうかしたか」

 「さすがに外に出るのは不安なのです」

 「大丈夫だよ。シルヴィアは細かい作業でも確実にこなすし」


 どうやらシルヴィアを含め、新兵として直接来た四人は不安なようだ。

 しかし、先ほども言ったようにシルヴィアは細かな作業を早く確実にこなすし、ルカは状況判断が上手い。ティノとティカに至っては連携がうまいというレベルを超えて一心同体レベルだ。

 そしてアリアについてだが全体を見て的確な指示を出すことができ、戦車兵だったこともあってか敵の注意を引き付けるのもうまい。さすが随伴歩兵を守りつつ行軍させられる訓練をさせられていたというだけはある。

 じつは倉庫の一件からというもの、アリアのことについても少しずつだがわかるようになってきた。ほかの四人ほどではないが会話が増え、何となくわかるようになってきたのだ。

 今ではレイチェルとともにアリアとティノとティカが敵の注意を引いて、別動隊として俺とルカ、シルヴィアが回り込むのがいつものパターンになっている。これには俺とアリアの違いがそうさせている。

 俺はもともと飛行兵だったがアリアは戦車兵だ。飛行機はミサイルや機銃が当たれば撃破されてしまうが、戦車であれば銃にはある程度耐えられるうえ、もともとそれなりの装甲を備えている。最近ではその装甲も意味がなくなりつつあるが耐えることを前提にしたものだ。そういったこともあってか俺は引いた方いいと思えば引くが、アリアはそのまま押し通ろうとする。

 それが、俺とアリアの違いだ。しかし、実際にその土地を制圧占領するにはアリア以上の適任はいない。制圧占領をするためにはその場に行かなくてはならないのだ。

 まあ、俺たちの扱いについてはあレイチェルが一番よくわかっているはずだ。こちらは部下として動くだけだ。




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