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<エピローグ>

 その後、協同隊は正式に解散となった。結局歩兵は歩兵で、装甲歩兵は装甲歩兵で編成した方が効率的だと判断されたのだ。こうして純粋に装甲歩兵だけが戦場で活動するという戦闘方法が決定されたが、戦争中の技術の進歩とはすさまじいものだ。いや、戦争だからというよりも「必要は発明の母」だからだろうか。

 現在、陸軍では新素材によって戦車を開発しており従来のように高性能化した歩兵装備でも装甲を貫けないようにしたり、迎撃したりするための装置が完成間近だろうだ。また、空軍でもチャフやフレア、デコイや電子妨害でも回避できなかった対空ミサイルを新たに妨害する技術が完成間近なのだという。

 これが実現すれば戦場を戦車が走り回り、戦闘機が飛び回る従来の戦争へと戻るだろう。しかし、それに対応する形で装甲歩兵が開発されることになるのは間違いない。結局はいたちごっこで技術開発が進むことになるだろう。


 「少尉殿、戦争もそろそろ終わりますかね」

 「だろうな」


 俺はワイラーとともに基地の一角に座り込んで事の成り行きを考えていた。俺もそう考えるのは朝方に聞いた話が理由である。まだ正確な情報は入ってきていないのだが、「ジーナ王国」に逃げて徹底抗戦を唱えていた「アタセン」の臨時政府の人間が全員死んだのだそうだ。ガス爆発による事故とも仕組まれた事件だともいわれているらしい。

 この話から戦争が終わるまで三日とかからなかった。数年前と同じように両国間で講和が結ばれ、戦争は終わったのだ。



・・・・・



 数か月後


 「それじゃあ、シルヴィア。向こうに行っても元気でな」

 「はい、頑張ります」


 終戦を迎え、戦争中や終戦の混乱が収まり俺たち全員に辞令が出た。俺とアリアは中尉に昇進してそれぞれ小隊を持つことになり、ティノとティカはレイチェルの小隊で少尉となって分隊長となった。そしてルカは装甲歩兵を利用した工兵活動を研究するために工兵科へと転属だ。ここまでは同じ基地内の配置換えだが、ただ一人シルヴィアだけは本国への転属となった。

 俺が話し終えると次はアリアがシルヴィアに歩み寄る。


 「向こうにはあの歩兵もいるんだろう。確か名前は・・・」

 「ワイラーさんです」


 シルヴィアは顔を赤くして両手で隠すようにして恥ずかしがる。このことを知ったのは終戦後間もない時のことだった。事故で怪我を負ったワイラーを心配するシルヴィアの姿を見て小隊の全員が察したのだ。

 こちらからできることはなく怪我が治って戻ってくるのを待つしかなかったが、今回まるで二人の仲を知っていたような人事が行われたのだ。ワイラーの怪我が治り次第、本国の憲兵隊に配属されることが決まったと同時にシルヴィアも同じ本国の憲兵隊への配属となったのだ。

 少なくとも何らかの力が加わったのは明らかであるが、どこからどのようになったのかはわからない。ガルシア准尉やその部下であった曹長に聞けばわかったのかもしれないが、二人とも終戦後すぐに引き継ぎのために本国に帰国してしまったためすでにこの国におらず聞くこともできない。



・・・・・



 それにしても本来であれば俺は空軍の人間だったはずである。それが今ではどういうわけか陸軍で地上を歩き回っているどころか、率いる立場にまでなってしまった。だが、これからの兵器の発展によってはこの装甲歩兵が重要な立ち位置となるのか、それとも消えゆく存在なのかはわからない。

 しかし、そんな先のことを今の俺には考える余裕がない。俺はただ戦争が終わったことに安堵するばかりだ。



 物語としてはこれでおしまいになります。最後までお読みいただきありがとうございました。

 また、どうでもいい話ではありますが個人的には「戦車不要論」にはどうかと思っています。


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