<歩兵の外の歩兵>
「おー。立ってると結構デカいんだな」
「12.7㎜の銃弾も防げますし、バックパックには地対空ミサイルと、対戦車ロケットを搭載しています」
「わざわざ、弾薬庫背負って歩いてるのか?」
「はい、そうなります。ですが匍匐前進の態勢に入った時は、地面に降りて引っ張りながら進めます」
実際に協同して行動するにあたり、歩兵たちは装甲歩兵に関しての知識を学ぶことになった。アリアの乗った機体をレイチェルが説明していく。
「最大何日間行動できる」
「動いているときの音はこれ以上小さくならないのか」
「もう少し機体の反射を少なくできないのか」
「誘爆した際はどうやって安全を確保している」
その頃アレックスはワイラーとともに質問する准尉や兵士たちの様子を見ていた。
「お前は気になるところはないのか」
「どの方も自分とは比べ物にならないくらい実戦経験のあるかたですから、逆にあそこまで質問することがあるのがすごいですよ」
確かにレイチェルがワタワタするぐらいの質問の多さだ。ほかにも重量や地雷への耐性、炎への耐性など数えればキリがない。
「歩兵としたら相当な欠陥だぞこいつ」
彼らの中では装甲歩兵に対する評価が一応決まったようだ。本来であれば反論するところなのだろうが・・・。
「ある程度の木を使えば歩兵は通れてこいつは落ちる落とし穴が作れる」
「火炎瓶で中の機械をオーバーヒートさせられるのではないか」
「有刺鉄線がこいつでも有効なのではないか」
対策が次から次へと出てくるのを聞いてしまうと反論する勇気もなくなってくる。そもそも装甲歩兵が戦車や航空機に対して優位に戦うことができるのは戦車特有の視界の悪さ、航空機の地上索敵の低さを利用して敵から隠れ、一番近くにいる誰かは隠れたまま仲間が敵から見えない位置でも攻撃することができることが理由なのだ。
しかし、逆に歩兵に関しては見渡せるような地形でない限り先に見つけられる可能性のほうが高い。実際歩兵と会敵した場合は火力と装甲で圧倒するという形になるが、下手をするとこちらから発見できないところにいる敵の歩兵が仲間に位置を伝えてどこからともなくミサイルが飛んでくる可能性だってあるのだ。
そのため装甲歩兵の天敵は歩兵であり、現在こういった問題が起きていないのは敵がこちらの支配地域へ歩兵部隊を送って来ないのが理由なのだ。
現在陸軍では敵のミサイルに対抗するための方策を考えているそうだが、それがまだ開発されていない以上、この状況がしばらく続くのは間違いないだろう。




