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<協同隊>

 「協同隊・・・ですか?」

 「そうだ装甲歩兵と普通歩兵の混成部隊だ」


 アリアの問いにレイチェルが答える。俺たち小隊ができてから一年しかたっていないが、戦闘は日々変化していた。戦争は装甲歩兵が主体となり、陸軍は基地を壁で囲うことによって防衛する方式を取った。この壁は装甲歩兵がもつ対戦車ミサイルでは壁を破壊できない物理的で究極の防衛手段なのだ。また、国境からこちら側に敵は要塞を作り、これもコンクリートによって頑丈に造られている。

 では、逆にこのような場所を破壊、制圧するためにはどうすればいいのか。これに対して陸軍は削減が進んでいた戦車を再び登場させた。戦車砲による貫通力によってミサイルでは貫通できない壁に対応することにしたのだ。もともと壁のない拠点で穴を掘って車体下部を隠し、その上から土嚢を積むという砲台のような使い方しかできなかったが、壁で囲う防衛方法になってしまってはそれも使うことができず、絶滅しかない状況だったが、これによって消えるしかなかった戦車が息を吹き返したのだ。

 しかし、戦車単体では従来と同じように装甲歩兵たちに撃破されてしまう。そこで戦車に随伴歩兵をつけて作戦を行なうようにしようとしているのだ。幸い装甲頬兵の搭乗員には戦車兵だったものもいて連携はうまく進んでいるそうだ。しかし、一年間で戦闘方法がころころと変わるということは戦闘方法がいまだに確定していないということでもありこれからいくらでもこの戦闘方法が変わる可能性があるということでもある。

 そこで俺たちには歩兵との協同が検討された。これはあくまでも実験であり、歩兵と接触したりして怪我をさせないように新式の中でも一番操縦のうまい俺たちが行なうことになったのだ。



・・・・・



 ゼンセン基地司令司令官室


 「いや~まさかあなたが来てくださるとと思ってもみませんでした」

 「あんま邪見にすんなよ」

 「いえ~そんなことありませんよ」

 「それじゃあ、いちいち変なところで言葉を伸ばすな」


 ハインズ大佐と話すこの男は陸軍歩兵ガルシア准尉である。机の上に開かれた書類によれば、彼が装甲歩兵と歩兵の混成部隊、通称協同隊に配属される歩兵の指揮官として転属してきた兵士である。


 「基地の歩兵部隊はどこも引き受けなかったんだろ」

 「はい」


 実はこの歩兵と協同する案は装甲歩兵が戦車に随伴することが決まった時から出ていたのだが、どこの歩兵部隊も協力的ではなかったのだ。そのため外部から准尉が派遣されることになったのだ。


 「とにかく人事は俺に任されているからな、好きに部下は決めさせてもらうぞ」

 「はい」



・・・・・



 それはレイチェルにしては珍しい反応だった。協同隊の話の最中に歩兵側の指揮官が到着したというので部屋に来てもらった時のことだ。


 「ゲッ!」

 「そんな反応はないだろう中尉殿」


 部屋に入ってきた准尉の姿に驚くと同時に会いたくない相手に会ったような反応をした。しかし、そんな中尉の様子を気にするようなそぶりも見せず准尉は俺たちの前に立つ。


 「歩兵准尉のガルシアだ。協同隊に所属することになる歩兵は俺以外の人員がまだ決まっていないから三日以内に編成する予定だ、以上」


 准尉はそれだけ言うとすぐに部屋から出て行ってしまった。それを見送ったレイチェル中尉は何とも言えないような顔をして固まっていた。


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