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1日目 「過去とのつながり」

               4


俺は、名鳩につれなられて、屋上に来ている。なにもなく、ただ単に、タンクや倉庫みたいな場所があるだけだ、中はきれいだがここは、古いビルの屋上を思いつかせるほどの汚さである、ずいぶん前の新聞も捨てられていた。

息も詰まるこの場所で話をするのかと思ってしまうがそうなんだろう。


名鳩

「最初に言っておく、お前らにうろつかれると迷惑なんだ、こっちの立場になって考えてもらいたい」


冷静な声で10秒もかからない速さで言った。


隙騨

「俺たちの協力者ではないのか?特別保安2課は」


俺は、冷静に話した、だが、内心疑いを持つことにもなる、こいつは本当に警察なのか?それともこいつが裏取引をしている張本人なのか?疑いは増える一方である。


名鳩

「そう言うと思って、お前たちには夜ここに忍び込んでもらいたい、昼はこの署の警戒態勢が高い、夜なら何とかうろつくことができると、思う・・・・」


隙騨

「だけど、今回の仕事を成功させないと俺は、クビになるんだ、ちゃんとした理由を聞きたい」


俺は怒鳴るように言うと名鳩は、笑い始めた。あたりに響き渡る声で・・・。


名鳩

「こいつは面白い大物だ、よーし、そう言うと思っていたのも半分、言わないと思っていたのも半分、なかなかの大物だお前は」


隙騨

「なんだ?どうしたんだお前、おかしいぞ」


名鳩

「今さっきの話は全てうそ、実際は夜のほうがガードが堅いんだ、俺達、特別保安2課は、夕方5時15分には、帰らされる、だからお前に、俺たちと一緒に、深夜乗り込んでもらいたい」


名鳩は、笑いながら言った、少しおかしいのではと思いつつ、懐かしさも感じられる、どこかでこの笑い声を聞いたことがある・・・・・あー、思い出そうとすると頭が勝手に違う記憶を出してごまかそうとする。


名鳩

「帽子を取って、俺にお前の素顔を見せろよ、俺は味方だ、見せても大丈夫さ」


俺は静かに帽子をとった。


名鳩

「リョ・・・・諒太郎?なんでお前が・・・・あの時に確かに・・・・えっ」


名鳩は、一歩、一歩後ろに下がっていく、鉄の網にたどりつき、名鳩は、網をつかみ、握りつぶした、驚きを隠せない状態だと見える。だが、俺は諒太郎ではない、太久郎だ、誰かと見間違えているようだ。


隙騨

「俺は、隙騨 太久郎、諒太郎ではない、お前は誰かと間違えているだけだ」


俺は、名鳩のそばに着てそう言った、だが、名鳩の表情は変わらない、おびえているようにも見える。


名鳩

「諒太郎、お前が生きていただけで俺はうれしい、うれしいぞだけど何でこんな時に出てくるんだ、お前は命を狙われているんだぞ」


名鳩は、泣きながら俺に言ってきた、だが、何を言っているのかわからない、狙われている?そんなことはない、俺は確かに悪いこともやった、だが、狙われることは一切やっていない・・・・・・と思う。




                5

 

泥船は、ニコニコ探偵事務局を後にして商店街を歩いていた。自分の教え子が記憶を亡くしているというのに俺は、何もすることができない、むなしくなる、俺は教え子も守れない、駄目な先生だ・・・・・思いながら歩いている俺・・・・・徳太郎と名鳩は、特別なのか?40になる俺は、父との約束、教え子に自分の素晴らしいところを教え、その教え子から違うものに自分の存在を覚えさせること・・・・・・俺は、諒太郎を・・・・・・・。


6年前、俺は特別保安2課に、徳太郎、名鳩、そして、諒太郎を入れた。無理矢理あの3人を入れた、警察嫌いの徳太郎、馬鹿な、名鳩そして、やる気のない諒太郎この3人は、俺が一時期、失業者だった時に家庭教室をしていた。 亡き父の遺言、教え子に、自分のことを覚えてもらう、ということもあって俺は、あいつらを、俺のことを覚えてもらう、うつわにした。


松井

「名鳩君に徳太郎君、そして諒太郎君、はじめまして、特別保安2課で課長をやらせてもらっている、松井と申します、皆さん、末長く、楽しみましょう」


何とも、普通の言葉を言うと怖く感じてしまう、松井課長当時50歳。


名鳩

「よろしくお願いします」


名鳩、この頃はまだ、おとなしい。


徳太郎

「お願いしま〜す」


何とも、不良のときと変わらない、この当時20歳の二人、若々しく、なんでもやります、的な状態である、名鳩は、染めていた髪の毛を茶色が混じっている普通の色の髪、そして徳太郎は、黒い髪の色、普通である。


諒太郎

「噂はかねがね、泥船先生から聞いています、桜田 諒太郎です、よろしくお願いします」


丁寧な口調のこいつが、桜田 諒太郎当時20歳、髪の色は、黒と金色が混ざっている。


大塚

「何とも個性感がある、後輩だね、先輩(泥船)の教え子としては、面白い顔ぶれだ。僕は、大塚 だ、よろしく」


ナルシスト感をいっぱいだしている、俺の相棒の大塚、黒い眼鏡に、きっちり揃っている前髪と袖につきそうで付かない、後ろ髪が特徴なもて男。警察にいるべきではない、モデルや俳優アイドルだってできる顔立ちに、きっちり着ている紺色のスーツにネクタイ一見、まじめに見えるが外に出ると女たらしで服装が崩れると現れる、もう一つの人格が特徴的だ。


徳太郎

「拳銃とかもらえるんですかね、課長さん」


生意気な態度、今ここで懲らしめてもいいが課長の前でそんなことはできない。


諒太郎

「佐藤君もそろそろ、敬語を覚えたほうがいいと思うよ」


諒太郎の言葉に徳太郎が切れたのか、殴り刈ろうとする手を名鳩が止める。


名鳩

「やめろよ、二人ともそんなどうでもいい喧嘩をしたって無駄なことは分かっているはずだ」


冷静な行動をとる名鳩、今では考えられない。


徳太郎

「言葉にきおつけろよ、諒」


諒太郎

「君が悪いんだ、この人に敬語を使わない、君が」


話に追い打ちをかけるように諒太郎が言う。徳太郎はローラー付きのいすを持ち上げて投げようとした、だが、今回ばかりは、名鳩一人では無理だと考えて、普段いやなやつの大塚もとめにかかる。


大塚

「やめるんだ、このままじゃ保安2課が壊れちゃう・・・・・先輩もボーとしてないで早く、手伝ってよ、『ナマケもの』じゃないんだから」


大塚の言葉にはいやみも含まれていたが今回はしょうがない、大目に見ておくとするか。


1時間後・・・・・・・あたりを見ると花瓶は割れているしデスクはつぶれている、電話の受話器を結ぶコードはちぎれている、松井課長は、机の下に隠れていて特に問題はなかった、だが、俺の横には、整っていない服装の大塚、眼鏡が割れ、スーツは破れている、気絶しているようだ、諒太郎と徳太郎は、机を盾にして資料投げ合っている、前のデスクでは松井課長がつぶれたやかんの水をコップに入れて飲み始めた。

コップを床にたたきつけて徳太郎と諒太郎の前にきて・・・・・


松井

「君たちに質問です、警察とはなんですか?」


怖い、松井課長が切れている証拠だ、こんなに壊されたら怒るに決まっている。


徳太郎

「市民の安全を守る・・・・・」


徳太郎に一言正解といった松井課長は拳銃を取り出して、徳太郎に撃った。その弾は徳太郎の耳をかすった、そのまま弾は、壁にめり込んだ


徳太郎

「痛い、イテーよー、血が出てる、血が、血がーーーー」


徳太郎が叫ぶ、何とも痛々しい悲鳴だ、耳の先からポタポタと血が、地面に落ちていく、それを手で押さえている徳太郎、いたいに決まっている。撃った時の松井課長のあの笑みを見ていると恐怖感が俺の中にも出てくる


松井

「正解なんだけど・・・・・こんなことをするのが警察かな?若いからって何でも許されると思わないでくださいね」


徳太郎

「でも、撃つことはないだろう、耳から血が、血がー」


松井

「そんなものすぐに止まりますよ」


目の前に殺人鬼がいるように見えるのは、現実かそれとも嘘か?俺は自分に問いながら、この場をのりきようとしたが無駄であった・・・・・・・・・・・・・・



そういえばそんなこともあったな、そのあと諒太郎も耳をかすって痛がっていたことを思ういだす、だが、この後起こることまでは、想い出したくはなかった・・・・・・


続く



                     

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