1日目「ダンスウィズバード
2
午後10時、おれはみんなの声援を受けながら、福岡県警鷹凪署に来ていた、署内の受付に
偽の許可書を提出しネームカードを受け取った。首からぶら下げる、簡単に言うなら名札を首からおろして、掃除を開始する。
署内は明るさも見えていて、刑事ドラマみたいなハードボイルド性は一切なかった。受付から見て左側の壁に、署内の見取り図がつけられていた、スーパーや美術館に設置されているやつと形が似ている、なかなかの完成度に驚かせながらも、署内をうろつく。
1階に捜査本部を設置する、スペースが2つある、ここなら使われてないときは裏取引や横流しなどが誰にもばれずに行える、だが、ドアの前には監視カメラが設置されていて入っていく人影はすべてこれに、写ってしまう。
「おっはよ〜」
何ともしまりのない挨拶、青いズボンに白いカッターシャツの上から革のジャケットを着ている二人組が現れた。二人組の登場と同時に、あたりに制服警官が集まった、俺はその圧力に押しつぶされそうな勢いである。
「名鳩ーいつものあれ、やれよ」
制服警官の一人がそう言うとみんながその名鳩という人物の名前をまるでコンサートの時みたいに言う、俺もつられて名鳩、名鳩と言ってしまった。
名鳩
「やるとするか、ミュージック、スタート」
受付の人に名鳩が言うと音楽が流れ始めた、何とも言えないリズムに合った音、ブレイクダンスとかに使われそうなヒップホップが署内に響き渡る。
中央にいる、名鳩という人物がステップのいいダンスを披露、ぐるぐる回ったり、飛んだりまるで本当のダンサーみたいに華麗に踊る。
名鳩
「そこのお前」
名鳩という人物から指でさされた。
隙騨
「俺ですか?」
名鳩
「俺とダンスバトルしない?」
ダンスバトル?この人は正気なのかこんなところでそんなことができてたまるか。
名鳩は、隙騨の耳元まで来た。
名鳩
「おまえだろ、潜入捜査をしている探偵は?」
きずかれた、まさかこんな風に幕が下ろされるなんて思ってもいなかった。
隙騨
「なんでそのことを知っているんだ」
俺は冷静な口調で小さく言った、こんなに音量が高ければあまり聞こえない、周囲の制服警官は誰も気づいていない。
名鳩
「理由か・・・・俺は特別保安2課の齊藤名鳩、泥船先輩から頼まれてお前たちの手伝いをすることになったよろしく」
ゆびでパチンと音鳴らせたら音楽が止まった、そしたら集っていた制服警官たちも仕事に戻って行った。
名鳩
「さてと、屋上に行きませんか?ここでは話がほかのやつらに気付かれてしまう」
さっきとは違って、冷静だ、エレベーターを使わず、横にある階段から屋上に向かった、さっきはブレイクダンスを踊っていた人とは別人のようにも見えた、確かにエレベーターに盗聴器が付けられていたら、すべての音声が犯人にばれてしまう、そこを考えての行動だと思うと、見直すばかりだ。
隙騨
「でっどうするんだ、この警察署は裏取引をしているのか・・・・・」
名鳩から口の中にパンを入れられた、パンの上に今書いたような、汚い字で『しゃべるな』と書かれていた、もしかして犯人が階段にも盗聴器を隠しているんではないかと考えての行動なのか俺は、またこの男に関心感を抱いてしまう。
3
俺、泥船沈むは、ニコニコ探偵事務局に来ていた、ここのオーナーにあいにここに来た、この前署にきた、桜田のことで話があったからだ。
オーナー室、事前にアポはとってあるから心配はないが緊張する、署長室に入るくらいの緊張感だ、歩いてここまで来た、署からここまでものすごい距離を歩いてきた、最近太り気味だから少しでも歩こうと思い歩いてきた。
オーナー室のドアをノックなしで入る、そこにはオーナーらしき人物が座っていた、ひげを伸ばし髪の毛は白く、背も小さい、腰が曲がっているのだろう、50〜代後半くらい、松井課長と年は4歳くらい違うくらいだろう。
泥船
「福岡県警の泥船だ、この前撃たれた、桜田のことで話がある」
泥船は胸ポケットから警察手帳を出してそういう、だが今の時代手帳ではなく折りたたみ式の警察証明書だが、火事の家の中に入って行って、燃えてしまった。
オーナー
「君は・・・・・・気付いたようだね・・・・・あのことに」
泥船
「あいつは偽物、本物はどこにいる、答えろ、本物の桜田 諒太郎はどこにいる」
俺は老人の目の前で大きな声で言ってやった、こいつみたいなやつは、聞こえないとか言ってごまかすことが多いここは、最初からどなって話せばいいわけができない。
オーナー
「彼はいま、記憶が欠けていて君のことも覚えていない状態だ、しかも別の記憶を植え付けられていて思い出すのにも苦労するはずだ・・・・それと彼は・・・・・命を狙われている、だから替玉を使って命の危機から救った」
泥船
「そこで、自分の記憶を戻させるために潜入捜査を・・・・・・」
泥船は警察手帳を落とした。
続く