プロローグ
プロローグ
寒い、ジャージ姿で、古い建物中に、閉じ込められている、窓が開けられていて、そこから、風が、入ってくる、体が、冷え切っていて、口が開かない、手足には、ガムテープで固定されていて動かそうにも、動けない。
雨が降ってきた、風と共に、冷たい雨が、建物の中に入ってくる、体は、ますます冷えてくる、このままだと死んでしまうかもしれないと思ってしまうくらいだ、こんな時だからこそ、神様のことを信じたくなってきた、誰でもいい、助けてくれ・・・・・。
うっ・・・・夢か・・・最近同じ夢ばかり見てしまう、誰かに、監禁される夢ばかり・・・・
俺の名前は、隙騨太久郎 ここ、『ニコニコ探偵事務局』に勤務している、探偵である、おもに浮気捜査やペット探しなどの仕事をやっている。
相方は、黒人のボブ・カッコ、日本人と黒人の間にできた、子供だと言っているが、実際は、わからない。
ボブ
「イマダサン、キョウハ、ジムチョウ二、ソウサジョウキョウノ、ホウコクヲシロッテイワレマシタ」
隙騨
「だから、俺はヒ・マ・ダ、イマダではなく、ヒ・マ・ダ、お前ともう2年間組んでいるんだから早く覚えろよ」
ボブは、イエスと言った。
1週間に一度、捜査報告をしないといけない、事務局長は少しでも、報告に誤りがあったら、その捜査から外される。
隙騨
「失礼しまーす」
ボブ
「シツレイシマス」
事務局長の姿が見えない、どこかに行っている様子だ。デスクの上には、捜査資料がやまのように置かれている、個人情報を隠すこともいちお探偵の務めというのに、この人は何も考えていないようにも見える、デスクの後ろには、今月の給料割がランキング形式に書かれている
第1位都次 大典と宮崎 恵子
第2位浦繼 太郎
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最下位隙騨 太久郎とボブ・カッコ
・・・何とも言えない、確かに今月仕事も少なかったしさぼっていたことも事実だ、だけど何で最下位なんだ、俺たちは、そんなに信頼されていないのか・・・・・。
事務長
「来ていたか、オーナーがお呼びだ・・・・お気の毒に・・・」
とうとうきたか、2年間この職場に来てからいろいろあったけどほとんどこいつのせいだ、黒い肌に、ムキムキのボディー どんな事件でもこいつのせいで裁判も起こったこともあったけどまだ、一回もオーナーにお呼びがかかったことは、一度もない。
階段を上がるにつれ、緊張感が汗となり体をびちょにちょにする、思い起こせば、この職場に着いたのもオーナーのおかげ、仕事もなく、夜道を歩いていた、俺をスカウトし今では、探偵として働いている。
オーナー室、何とも言えない、緊張感と冷や汗が俺自身を怖がらせている、それに比べてこいつは、汗をかくどころか自棄に落ち着いている。
2回ノックして、失礼しますと言いながら、ドアを開けた。
都次
「来たか、ズッコケコンビ」
ランキング1位のコンビのリーダー都次大典、スーツを着ていてまじめに見えるが、実際はナルシスト。
宮崎
「失礼ですよ、大典さん、この方たちだって、私たちのことをそう思っていたら嫌でしょう」
都次
「たしかに、こんな奴らにそんな風に見られているとムシズが走る・・・・まぁーいい、今度からコメディアンとでも・・・・」
宮崎
「だから、人を馬鹿にするのはいけませんよ、大典さん」
隙騨
「馬鹿にされてもいいですから、恵子ちゃんは、気にしないでください、こんな『ナルシスト』の面倒みているほうがすごいですから」
都次は、言い返そうとしたが口を閉じた。
オーナー
「座りたまえ、隙騨君」
隙騨
「はい、失礼します」
オーナー
「すまないのだが、お前たちに潜入捜査をしてもらう」
隙騨
「潜入捜査?お前たち(都次たち)がいちばん適切だろ、俺達には関係ない・・・・」
宮崎
「実は・・・・私たちは警察に顔を知られていて、潜入捜査なんてできないんです」
都次
「そういうわけだ、お前たちに仕事をくれてやる・・・・」
宮崎は、都次の頭を殴った
宮崎
「いい加減にしろよな、ナルシスト、隙騨さんにそれ以上暴言叩いてみろ、おめーの頭の毛をすべて刈るぞ」
もう一人の人格を見ているようだ、前にも一回見たことがある、ラーメン屋の店長を泣かせた実録を持っている、かわいさの影に怒りあり、バラにはとげがあるというが恵子ちゃんの場合、ひまわりにはとげがあると言ったほうが適せつだろう。
都次
「わっ・・・・わかったよ、恵子君、今度からきおつけておくよ」
宮崎
「ならいいんだよ、さっさと理解しやがれ・・・・・隙騨さん、すいません、大典さんも心の中では謝っていますから、ねっ」
都次
「もちろんだとも、俺は心の中では、お前の事をよきライバルであり、よき友達だと思っている」
顔が嘘をついている、見ればわかる、目が充血して怒りを隠しきれないでいるようだ、それを恵子ちゃんは横で不気味な笑みを浮かべながら見ている
都次が、俺の肩に手をのせた、都次の生ぬるい汗が俺の冷や汗にのめり込んでいるようだ、それにしても恵子ちゃんの違う人格には毎回驚かされる。
オーナー
「君たち二組のペアで解決してもらいたい事件は、警察内での裏取引についてだ」
ボブ
「ソレハ、センジツ、サクラダサンガソウサシテイマセンデシタ」
桜田、こいつは、この探偵社の中でいちばん凄腕の探偵
オーナー
「桜田君は、この前拳銃で胸を撃たれて、今は入院中、浦繼君に頼むこともできるんだが、彼は警察恐怖症と女性恐怖症を持っているから、今回は使えない、そこで、都次君と恵子君のペアでやってもらおうと思っていたけど顔が警察内に知られていて動けない状態、そこで、一番暇そうな隙騨君とボブ君に潜入捜査をやってもらおうと、私は思っているんだけどどうかな、久しぶりに大仕事、やってみない」
あの桜田が撃たれている、こんなやばい仕事を俺たちに押しつけようとでも言うのか・・・・
ボブ
「ヤラセテ、イタダキマス、ボス」
隙騨
「お前な〜一人撃たれているんだぞ、それでもやるっていうのかお前は」
ボブ
「イエス」
こいつの一言で、俺の人生が、変わる・・・・
続く