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第15話

ブックマークと評価ありがとうございます!

嬉しくってニヤニヤしてしまいました!わぁい!


……リアルの方ではかなり忙しく、休日の筈の日曜の今日も出勤です。

ニチアサ楽しみにしてたのにリアルタイムで見られないとは、うぐぐぐぐ。

そしてこの予約投稿がなされる頃、私はお仕事中です。うぅぅ……。

……はい、がんばります。


「……ねぇ、どうしたの?」

 境界線上の道路で顔を伏せて座り込んでいた私は、不意に掛けられた声に驚いて顔を上げた。

 自転車に乗った少年が、不思議そうな色と心配するような色を混ぜ合わせた表情をして私のことをジっと見ていた。

 学ランに身を包んだその少年の名前を、私は知っていた。今朝方に知り合ったばかりの彼は、

「三吉君……」

 今朝方に知り合ったばかりの少年にこんな姿を見られることの、なんと恥ずかしいことか。

 いや、知り合いでなくても恥ずかしいとは思うのだけれど、今は特に絶対駄目だ。だから私は顔を伏せて俯いて、

「……なんでもない、あっちいけバカ」

 次いで口を突いて出てきたのは、こんな悪態である。

 我ながら口の悪いことだと思いはするが、しかし半分くらいは本心である。

 この街を呪いたいと思う気持ちと同じように、この能天気なお人好しの少年をも呪ってしまいたかった。

 いや、呪いなんて大それた話じゃなくていい。今だけは、私の前から居なくなって欲しかった。

 だと言うのに、彼は私の気持ちなんて少しも察してくれなくて、それどころか、

「でも君は泣いてるじゃないか。何があったのか教えてくれたら、僕が力になれるかもしれない」

「うるさい黙れ。あっちいけバカ」

「……あはは、ごめんごめん。力になれる、なんてたかだか中学生の僕が言う言葉じゃなかった、言い過ぎだったね。でもさ、こんな僕でも話を聞くくらいなら出来るよ?」

「うるさいあっちいけバカ」

「そっかそっか、それじゃ話す気になるまで、僕はここで時間潰しでもしてようかな」

 なんて自分勝手で、迷惑な人なんだろう。

 私の気持ちも話も無視して、私の泣き顔を見ていようだなんて、そんな、

「もうなんなの、あっちいってよバカぁ」

「はいはい、わかったわかった」

 何がわかったのか。いや絶対にわかっていない。わかっているのなら、自転車を降りて私の隣に座ったりしない筈だ。

「……ほんとなんなの、この街の人間って。どうしてそんなに他人に構おうとするの? ほんと、意味わかんない」

「うーん……? 泣いてる女の子が居たら泣き止むまで傍に居てあげなさいって友香が良く言っててね。……まあその泣いてる女の子ってのは、その場合友香なんだけど」

 聞いてもいないのに、良く喋る奴だ。うるさいから本当に黙って欲しい。友香ちゃんの話ってことは、つまりは三吉君の彼女の話じゃないか。

 このタイミングで惚気るとか、もうこれだから救えない。

 ……なんて、心の中では幾らでも悪態がつけるけれども。でも、それらを私は直接言葉にすることはなく、

「……彼女さんと仲良くやってるって話をされても困るんですけど?」

「いや、友香は別に彼女とかそういうのじゃないし。……うーん、言うなれば妹、かな?」

 これはつまり、自覚がないパターンだろうか。男の子はそういう面は女の子より遅いというし、これは友香ちゃんも苦労しそうな気がする。

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