第四回:「チート」にしすぎないために
現在、「異世界転生、転移チート」というジャンルがとても流行しています。
全ランキングを総ナメするぐらいに流行しています。
ですが、やはり「チート」が嫌いな方もいるでしょう。
私もその一人です
今回はキャラを「チート」にしすぎないような方法を考えていきます。
まず「チート」と「強力」の境目はどこにあるのでしょうか。
「チート」とはズル、セコいといった意味です。
代表的なチート能力は思考加速、回復能力、膨大すぎる魔力などです。
これらは確かにその能力を持つキャラと戦うキャラに言わせてみれば「ズルい」となるでしょう。
思考加速は時間の流れをゆっくりにできますし、回復能力があればまずそのキャラは死にません。
膨大すぎる魔力があればキャラの魔力切れといったマイナス要素を消すことができます。
ですがこれらの「チート」な能力はバトルのパターン化を招きます。
必ず勝てるようなパターンが現れてしまいます。
雷を思考加速で連射してダメージを受けたら回復、とかです。
ではパターン化しないためにはどうすれば良いのでしょうか。
それは単純に強さが分かる「チート」な能力を考えるのではなく、応用の効く「強力」な能力を考えることです。
私が能力を考える時に参考しているのはジョジョの奇妙な冒険です。
この漫画は能力バトル漫画の始祖とも言える作品ですが、能力の使い方がパターン化することはほぼありません。
それは最初から応用の効く能力をキャラクターに与えているからです。
「チート」作品がよく打ち切りになってしまうのは作者、読者がチート能力に飽きてしまうことも主な要因の一つです。
能力を強化すれば能力の飽きは改善されますが、キャラクター全体のインフレを招きます。
私は作中の最も強いキャラを最初に考えることにしています。
そうすればそれ以上キャラクターが強くなることは少なくなります。
「チート」な能力は作品の停滞を招きます。
そこは作者の力でうまく乗り越えることもできますが、とても高いスキルを要求します。
始めてファンタジーを書く!という人はまず弱点があっても良いので「強力」で「応用の効く」能力をキャラに与えてみましょう。
そうすれば「チート」作品を書くよりはずっと展開が思いつくはずです。