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王様! 侵入者がいっぱいですよ!

〔!!! 王様、王様! 再び侵入者を確認しました!

入り口から侵入してきています! 

数は……!!!

11体です!!

迷宮は交戦状態に移ります!〕


「はっ? 11体?

……えっ!?」


〔呆けている場合では有りませんよ!?

侵入者の情報を表示します……。

ゴブリン 2体

戦術評価 20+1

魔術評価 2

技術評価 16

思考評価 14


ゴブリン 6体

戦術評価 20

魔術評価 2

技術評価 16

思考評価 14


ゴブリンウォリアー 2体

戦術評価 34+3

魔術評価 3

技術評価 18

思考評価 15


ゴブリンジェネラル 1体

戦術評価 30+4

魔術評価 3

技術評価 25

思考評価 36

以上です!〕


「待て!! ゴブリンウォリアーとゴブリンジェネラルと言う奴らの評価が高すぎるぞ!?」


〔残念ですが事実です。

……ゴブリンジェネラルが来たと言うことは、どうやらこの近くにゴブリンたちの住み処が在るようですね〕


「話が見えないんだが……どういうことだ?

マリオンたち! 東と西の部屋の通路前で迎撃しろ!

通路から現れた奴だけ攻撃するんだ!

深追いはするな!」


とりあえず即席で、有利な展開になるように命令する。思考評価的に意味が無いかも知れないが、一応専守防衛のような命令も出す。

入り口から最初の部屋では入り口からの通路の幅が広すぎて乱戦になる。乱戦になれば数の利が全く無いこの状況では、単純な戦術評価が高いゴブリンたちに軍配が上がる!

だから最初の部屋は素通りさせ、ゴブリンたちを左右に分かれさせる。分かれたゴブリンたちが東西の通路を通り東西の部屋に侵入したら攻撃する。

通路は部屋に比べて狭いため、通路から現れるゴブリンたちよりも、通路前で迎撃するマリオンたちの方が必ず多い人数で攻撃出来る!




……良し! 作戦通り、ゴブリンたちは東西に分かれた!

不幸中の幸いか、ゴブリンジェネラルとゴブリンウォリアーは入り口で待機している。用心のために動かないのか……それとも、動く必要が無いと思っているのか……。何にせよ、こちらには嬉しい限りだ。

東西に伸びる通路は狭いから、ゴブリンたちは多くても2体ずつしか通路から出て来ない。そこを待ち構えていた4体のマリオンが迎え撃っている! ……はず。

位置は迷宮が目の前の壁に表示してくれているから分かるが、戦闘状況が見えているわけではない。

ただ、東西の通路前に待機している4体ずつの防人の印に、通路から出て来ている侵入者を示す2つの印が、ぶつかっているのが表示されている。8対8を1回なら負けるが、4対2を4回なら負けるにせよ、ゴブリンたちにもかなりの被害を与えられるはずだ !


「それで? ゴブリンたちの住み処が在るとは、どういうことだ?」

〔ゴブリンジェネラルはゴブリン種の中では、かなり高位な存在です。

それがこうして迷宮に、わざわざやって来たと言うことは、恐らく、自分たちの住み処から近いため早々に潰しておきたいからでしょう〕


「何故、早く潰したがる……あぁ、なるほど!

迷宮の評価が上がって、強力な魔物に来られるようになると困るのか。

自分たちの住み処にまで来られたら、防げないかも知れないからな……」


〔その通りです! だから今のうちに潰したいのでしょう。

そう考えると、朝早くにやって来た2体のゴブリンは、偵察などのために来たのかも知れませんね〕




迷宮との話の最中にも戦闘は続いている。ゴブリンたちの印が1つ消え2つ消え、話が一段落ついた時、3つ目の印が消えた。

しかし、同時に1つ消える……防人の印が……。マリオンたちに限界が来てしまったのだろう……。

1つ消えて直ぐに、後を追うようにマリオンたちの印が消えていく……。


そして、東の部屋のマリオンは3体残り、通路のゴブリンを全滅させた。

……だが、西の部屋のマリオンはゴブリンを1体残して……全滅した……。

迷宮パワーが14増えた。……消滅した防人は迷宮パワーには還元されないようだ。




呆けている場合ではない……。

生き残っているマリオンたちに、寝室前の大部屋まで下がるように命令を出す。

敵が近くにいないから、命令を優先してくれるだろう。

生き残るために最善を尽くさなければ!


マリオンたちが下がって来る間に、ゴブリンたちの動きを見る。ゴブリンの印が引き返していく……。ゴブリンジェネラルたちと合流するようだ。大部屋まで下がって来たマリオンたちを寝室の扉を少し開けて確認する。

自分の目で確認して、東西での戦況の差に納得してしまった。

大部屋に下がって来たマリオンは、全てストーンマリオンだった。そう、東で迎撃したマリオンは3体がストーンマリオンで、西にはウッドマリオンしかいなかったのだ。

マリオンたち。と、命令したため、ウッドマリオンとストーンマリオンで上手く分散しなかったのだろう。

……戦術評価の高いストーンマリオンが、全て生き残っているのを喜ぶべきか、分散していたら、もしかしたらウッドマリオンも数体生き残ったかも知れないと悲しむべきか……。

……いや、もしかしたらは今は考える必要は無いな。

残った防人でどうするべきか……それを考えるべきだ。


「迷宮! ウッドゴーレムの戦術評価はゴブリンウォリアーよりも高い……。

1対1なら、ウッドゴーレムが勝つと思うか?」


〔お答えするのが難しいですね……。

確かに戦術評価だけなら勝っています。

ですが、ゴブリンウォリアーは技術評価が高いので、あの技術評価が手数などに通じるものでしたら、連撃を受けて少しずつ削られていってしまい、負けてしまうでしょう……。

更に評価修正も有りますので、正直に言ってしまいますと、戦術評価の6程度の差は気休めにもなりません……〕


「はっきり言ってくれるな……。

だが、生き死にが掛かっているんだから、はっきり言ってもらえた方が良い」


さて、どうするべきか……。

……迷宮パワーがかなり減るけど仕方ない。

ケチった所為で殺された! などになったら愚者の極みだ。


「防人作成に、僕と素材の距離は関係するのか?」


〔素材が視界に収まってさえいましたら可能です! もちろん、作成された防人の出現位置は素材が有った場所です!〕


良し! それなら出来るな。

迷宮に聞いた後、昨日拾って来た拳大の石を、大部屋の中に無造作に投げる。


さあ! 来るなら来い!

……緊張のし過ぎで息苦しくなっている。大丈夫だと自分に言い聞かせても、胸がバクバクと音を立てている。

……防人作成が完了するまでの僅かな間とは言え、ゴブリンたちの前に姿を見せるのだから仕方ないのだが……。


再度、ゴブリンたちを確認する。

ゴブリンたちは、仲間が1体も戻って来なかった東の通路の方から進んで来るようだ……。



そして遂にゴブリンたちは、大部屋に……僕の視界に入って来た!


「……いくぞ!」


〔王様! ご武運を!〕


大部屋にて戦闘が開始される!!







迷宮情報 3日目


迷宮評価 2

迷宮パワー 181 毎日+6

迷宮コスト 5

迷宮階層 全1階

迷宮部屋数 全5部屋


防人一覧

ウッドゴーレム 2体

ストーンマリオン 3体


罠一覧

無し


侵入者一覧

ゴブリンジェネラル 1体

ゴブリンウォリアー 2体

ゴブリン 1体

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