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王様! 初めての侵入者ですよ!

〔王様! 朝ですよ! 今日も頑張りましょう!〕


迷宮と(一方的に)契約して迷宮の主となって3日目の朝。

今日も迷宮は元気一杯のようだ。


〔!!! 王様、王様! 侵入者を確認しました!

入り口から侵入してきています! 数は2体です!

迷宮は交戦状態に移ります〕


欠伸を噛み殺しながら、寝室を出ようとした僕に迷宮が告げてきた。

……3日目にして遂に来たか。

侵入者。迷宮パワーを得るために必要だけど、出来れば来て欲しくない存在。


「交戦状態に移るとどうなるんだ?」


〔交戦状態の間は、侵入者と防人、罠の情報解析に集中します。故に迷宮内の防人、侵入者の評価と位置情報が分かるようになります。反面、情報解析に集中しますので他のことに手が回らなくなり、前日申し上げた通り内装の位置変更が不可能になり、扉や罠の作成も不可能になります。

防人だけは作成可能ですが、通常状態の5倍の迷宮パワーを作成に必要となります。素材の量は変わりませんし、迷宮コストも変わりません〕


「防人作成の必要迷宮パワー以外は大して問題ではないな……。

侵入者の情報を表示してくれ」


〔了解しました! 侵入者の情報を表示します。

ゴブリン 2体

戦術評価 20+1

魔術評価 2

技術評価 16

思考評価 14

以上です!〕


侵入者はゴブリンと呼ばれる魔物だった。ゴブリンとは、体長70~80セントで全身は緑色、頭に毛は無く、潰れたような顔(ガラスに顔を押し付けた時に向かいから見るような顔)している下級の魔物である。


……ゴブリンが2体程度なら、マリオンたちで倒せそうだな。ウッドマリオンの戦術評価は負けているけど、ストーンマリオンも合わせれば数で圧倒出来る。


「ウッドマリオン! ストーンマリオン!

侵入者を倒せ!」


僕の言葉に不規則に迷宮を徘徊していたマリオンたちが、一斉に入り口の方へと向かう。

防人たちは迷宮内に存在していて、思考評価が余りにも低く無ければ、王様の命令に反応するらしい。これにより、寝室から命令していても問題無い。


「そういえば、ゴブリンの戦術評価の表示されている部分の+1とは何だ?」


〔あれは、武器に依る評価修正です。

評価に修正が加えられるので+なら強くなり、-なら弱くなります〕


「つまり、ゴブリンたちの戦術評価は21と言うことか?」


〔いえ、評価と評価修正は別物です〕


「うん? どういうことだ?」


〔評価修正とは簡単に言ってしまいますと、武器や防具などの評価です。

例を言いますと、戦術評価が2の人物が評価修正+100の装備をしていても、戦術評価が60で評価修正+20の装備をしている人物には勝てないと言うことです。もっと分かりやすく言いますと、貧弱な少年が伝説級の武器を持っていても、熟練の傭兵には勝てないと言うことです〕


「元となる評価は経験なども含まれているから、装備品などの評価では越えられない強さが有ると言うことか……」


〔その通りです。

だからといって全く意味が無いわけでは有りませんので、評価修正はやはり有る方が良いですよ。

評価が低い者同士の戦いや、評価が拮抗している者同士の戦いならば、最終的には評価修正が重要になったりしますので〕


「難しいものだな……」




〔ストーンマリオン2体が、ゴブリン2体と戦闘を開始しました!〕


説明が終わって数秒後、遂に戦闘が始まったらしい。


「映像などは見れないのか?」


〔流石にそこまでは無理です〕


「そうか……」


戦果を待つとしよう。


それから更に十数秒後、残りのマリオンたちも参戦し、ゴブリンを討伐したと迷宮が伝えてきた。迷宮パワーが4増えた。


〔侵入者の全滅を確認しました。

交戦状態を終了します〕


「意外にあっさりと終わったなぁ。

防人に任せていたら、王様って暇なんじゃないか?」


〔今は暇ですが、侵入者の数が増えてきますと、大変になられると思いますよ?〕


「……防人の動かし方を、今の内に練習した方が良いのかな?」

〔そうですね。

何体かは正面から攻撃させ、何体かは背後から奇襲させるなど、王様次第でとても有利に戦わせられますよ〕


「思考評価が極端に低いと、命令が出来ないんだったな?」


〔厳密には命令を覚えられないんですよ。

一概には言えませんが、思考評価が5以下ぐらいの防人は命令を聞いても直ぐに忘れてしまいます。更に、20以下ぐらいまでは侵入者討伐を優先してしまいますので、敵前での撤退などもしにくいです〕


「何だその狂戦士たちは……」


〔応用出来ないので、退くことを知らないと言うことです〕


「……命令するってのも難しいな」


〔王様! ファイトです!〕


「……頑張る。

……うん?」

カタカタと音をさせながら、木の棒を持ったストーンマリオンたちがやって来た。


「木の棒?」


〔ゴブリンたちからの戦利品ですね。

木のこん棒です〕


「きっと+1の評価修正の装備だな。

ストーンマリオンに装備させよう。

えぇ~っと? お前たちが装備しろ! ……で大丈夫か?」


ストーンマリオン2体がそれぞれ片手に持つ。装備? したようだ。ブンブンと軽く振っている。

2本しか無いので、装備出来ないストーンマリオンが一体いるが気にしない。

……人形なのに、哀愁が漂っているように見えるけど気にしない!







迷宮情報 3日目


迷宮評価 2

迷宮パワー 171 毎日+6

迷宮コスト 6

迷宮階層 全1階

迷宮部屋数 全5部屋


防人一覧

ウッドマリオン 5体

ウッドゴーレム 2体

ストーンマリオン 3体


罠一覧

無し

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