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王様! それはフラグっぽいですよ!

〔王様! 侵入者です!

交戦状態に移ります〕


昼食を食べ終え、それぞれが思い思いに過ごしていた昼過ぎに、侵入者の存在を迷宮が告げた。


「迷宮、情報を表示してくれ」


〔分かりました!

情報を表示します!

ゴブリン 4体

戦術評価 20

魔術評価 2

技術評価 16

思考評価 14


ゴブリンウォリアー 2体

戦術評価 34

魔術評価 3

技術評価 18

思考評価 15

以上です!〕


「ゴブリンウォリアーとゴブリンか……マリオンたちで足止めしつつ、ガーゴイルたちの魔術で倒す……か?」


〔そうですね。

接近戦だけで倒すよりも、被害を抑えられそうです〕


「ゴブリンジェネラルやゴブリンマージもいないからな……僕も行こう」


ゴブリンジェネラルの、あの急襲は忘れてはいない。

しかし、防人たちを無駄に死なせないためにも、マイムマイムの効果を付与させたい。

今回はゴブリンウォリアーとゴブリンしかいないため、後方にいれば思考評価から僕を狙って来ることは無いだろう……。


〔万全を期しても、万が一は有ります……気を付けて下さい〕


「もちろんだ。

自分が弱いと言うことは、誰よりも理解しているつもりだよ……。

防人たちは2階層の大部屋で待機してくれ!

良し……マオ! 行こう!」


「…………!」


僕の呼び掛けに、防人たちが2階層の大部屋に向かい、マオが畑部屋から現れる。

畑を見る際には寝室の中に立てかけている鉄の剣を手にして、僕の傍に寄って来る。


「お、お兄さん。どうしたんですか……って……し、侵入者……ですか?」


マオが畑部屋から出て行ったため、何か有ると感じてシーナも寝室にやって来たが、マオが鉄の剣を持っているのを見て、恐る恐る聞いてくる。


「あぁ……ゴブリンが6体だ。

ここまでは来れないだろうが……一応、寝室か畑部屋から出ないでくれ!」


3階層までの侵攻を許す気は無いが、それでも万が一は存在する。


「わ、分かりました!

お兄さんもマオちゃんも、防人さんたちも気を付けて下さいね」


「あぁ! 行って来る」


「……!」


心配するシーナの視線を背に受けながら、マオと一緒に2階層に向かう。


僕たちが2階層に到着する前に、1階層の北と東の通路の簡易射槍壁に掛かったのだろう……地図上のゴブリンの印が2つ消え、迷宮パワーが4増えた。




「マリオンたちは守りに徹してくれ! ガーゴイルたちは上空から魔術で攻撃だ!」


「カカッ!」


「キィ! キィ!」


一方的……と言えば良いのだろうか。

完全に守りに徹しているマリオンたちを、ゴブリンたちは攻め倦ねている。

ゴブリンウォリアーすら、ウッドマリオンに対して決定打を与えられていない。

その間に、安全な上空を飛び回る3体のガーゴイルたちから放たれる、魔術の火の玉に因って、1体、2体と焼かれていき、最後のゴブリンウォリアーが倒れ、迷宮パワーが24増えた。


〔侵入者の全滅を確認しました!

交戦状態を終了します!〕


「やけにあっさりと倒せたな……」


〔守りに徹したこととマイムマイムの効果、魔術に依る攻撃とゴブリンたちが丸腰だったことが、一方的な勝利を呼び込んだのではないでしょうか?〕


「そういえば……ゴブリンたちは丸腰だったな」


ゴブリンキングと一緒に来た奴らは、かなりの装備品を所持していたが……。

ゴブリンキングが装備品の重要性を知っていた?そのゴブリンキングが倒されたことで、ゴブリンたちは装備品を持たなくなったのか?

……いや、違う。

ゴブリンキングと共に来た奴らの装備品が、ゴブリンたちが集めていた装備品のほぼ全部だったと考えられる。

先の戦いはゴブリンキング自らがやって来た。つまり、僕たちにとっても、奴らにとっても文字通り決戦だったと言える。

その決戦に戦力を上昇してくれる装備品を残して置くだろうか? ……少なくとも、僕がゴブリンキングの立場ならば有り得ない。

ならば、あの決戦でゴブリンたちの装備品は全て無くなったのだろう。

…………うん?


「迷宮! ゴブリンキングがいなくなった場合、ゴブリンたちはどうするんだ?」


「どうすると言いますと?」


「ゴブリンたちは、普通はゴブリンジェネラルが数体で群れを統率するんだよな?

だが、この山……いや、この近辺はゴブリンキングが統率していたんだろう?

そういう場合は、残ったゴブリンジェネラルが統率するのか?」


そうならば、また暫くするとゴブリンたちはやって来るだろう……。

自分たちの住み処に近い迷宮は危険だから……と。

つまり、ゴブリンたちによって迷宮パワーが定期的に増え続けることになる。その内に装備品も揃えて侵入して来そうだが、それでも守りながらの魔術攻撃で圧倒出来る。


「う~ん……迷宮には分かりませんけど、圧倒的な強さを持つゴブリンキングには従うけれど、同じぐらいの強さを持つゴブリンジェネラルに従う気は無い! みたいなゴブリンジェネラルも中にはいるんじゃないでしょうか?」


「別々のゴブリンジェネラルで、それぞれ群れを率いるってことか?」


「と、思いますよ?

中には協力するゴブリンジェネラルもいるでしょうけど……」


……なるほど。そうなると益々好都合だ。

群れが小さくなると、それだけ個々の群れの戦力が弱体化する。

戦力が弱体化すると、ゴブリンキングとの戦いのような命懸けの大規模交戦が起き難く、一度にやって来る侵入者の数も少ないはずだ。


「なら、住み処を離れなかった群れから、定期的にゴブリンがやって来そうだな」


〔確かにそうですね。

ゴブリンたちによって、迷宮パワーが安定してくれそうですね!〕


ウォルグやリッパーコルトも来るだろうが、魔術で倒せば良いだろうし、迷宮の入り口も分かり難いところで、強力な魔物も来ていないから今暫くは人も来ないだろう。


『ゴブリンの住み処』が有る限り、迷宮パワーも定期的に手に入るだろう。

そう考えると、暫くはゆっくりと過ごせそうだなぁ……。




「あっ! お兄さんとマオちゃん、お帰りなさい。

怪我などしなかったですか? 大丈夫でしたか?」


「ただいま。この通り大丈夫だったよ」


「……♪」


寝室に戻るとシーナが出迎えてくれた。

シーナは怪我などを心配してくれたが、僕たちに特に怪我が無いと分かると嬉しそうに微笑む。


「お兄さん、どうしました? 凄く嬉しそうですね」


「えっ?」


「とっても良い笑顔をしていますよ?」


心配をしてくれるシーナを良い子だなと思う気持ちが、自分でも気付かない内に顔に笑みを浮かべさせてしまっていたようだ。


「心配してくれるシーナは、良い子だなって思ってね」


「家族を心配するのは当たり前ですよ?」


「……うん、やっぱり良い子だ」


当たり前と言わんばかりに、ニッコリと笑いながら言ってくれるシーナの頭を撫でる撫でる。

可愛い家族と迷宮パワーが安定するかも知れないことが重なり、僕の気分も高ぶっているのかも知れない。


「わっ! わっ! 髪がくしゃくしゃになりますよ~」


髪がくしゃくしゃになると言いながらも、シーナは嬉しそうにしている。


「!!」


マオも撫でて欲しそうに僕の太股をむいむいと押してくる……ので、二人一緒に抱きしめて撫で回す。




迷宮の主になって一番良い日かも知れない……。


もう何も怖く無い。


そう思えるほど、今日は良い日だ。







迷宮情報 14日目

迷宮評価 8

迷宮パワー 708 毎日+13

迷宮コスト 33+2

迷宮階層 全3階

迷宮部屋数 全10部屋


住人一覧

シーナ シビリアン


防人一覧

マオ ストーンマリオン

ウッドマリオン 20体

ストーンマリオン 5体

ブロンズマリオン 4体

ストーンガーゴイル 2体

ブロンズガーゴイル 1体


罠一覧

簡易射槍壁 12個


施設一覧

畑 規模(小) 2反


人物一覧

無し

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