コーリア城事件!?
「警察?キミは誰かな?」
「自分は冒険者ランクD、エルザが店主をしている宿の店員で今回の大会参加希望者のジャンです」
ビシッと敬礼をしながら返事をした。すると相手も似たような敬礼をし応えてくれた。
「自分はコーリア騎士団第3部隊所属、Bランクのレイナ―ソンであります!」
その言葉に周りがざわついた。彼女は有名でエスタの部下だ。美人でスタイルがよく他の隊員より
少し露出が多くさらに実力はあるがポンする事もあるので民からは近い距離で接する事ができていた。
「第3って事はエスタ隊長の」
「そうよ!それでキミは・・・そ、その小剣!」
「あ!これですか?エスタさんにもらったんです」
「隊長から!?う、うらやましい。レイナもまだ何かもらったことがないのに」
今度は騎士団とジャンが話し始めているともう一人の騎士団員がやってきた、レイナと同じ
女性でレイナは白だが彼女は赤い衣をまとっていた。
「レイナ持ち場に戻りな。今日はずっとここで警備しないといけないんだから」
「アンナ先輩!すいません」
「すまないね。君も戻らないと列がなくなるよ」
「あ!すいません。ありがとうございます」
「後で隊長に聞いておくとして、今度私も話をさせてもらうよ。ジャン君」
「はい」
さわぎはおさまりジャンも戻って数時間後に大会の受付を済ませる事ができた。
宿に戻り、店をしめてエルザと一緒に食事をして片づけをしていると誰かが
店に訪ねてきた。
「お邪魔するよ」
「おーいおるか?ジャン君」
やってきたのは昼にあったレイナとアンナだった。すぐにジャンがかけつけた。
「こんばんは。どうしてここに?」
「もちろん君に会いにきたんだよ!痛っ!叩かないでくださいよ先輩」
「すまないね。こんな時間に。どうしても気になってね」
「隊長からは聞いたんですか?」
「ああ。君が正義感ある人だって嬉しそうに話してくれたよ。だから君の様な人が
騎士団に入ってくれるのを私も待ってるよ」
「ありがとうございます」
「それから君の言っていた警察?というのも騎士団と同じ意味らしいから」
「は、はい。憧れが強くてつい勝手につけただけですが」
「それほどなら本当に楽しみだな。期待してるよ」
そう言って二人は戻っていった。少ししてジャンは店の玄関の所に何かがある事に
気づいた。それはネックレスの様な物だった。
「これもしかして二人のどっちかの、たぶんレイナさんのだな。よく動いていた
からな。今からでも城に届けるか」
エルザに言ってから店を出た。夜に出るのはあまりないので昼と違う感じが
新鮮だった。
「夜の街。ここはないが貧しい所とかだと娼婦とかいたりして。異世界だとそういう
店も定番だからな。届けたらちょっと散策してみよう。昼は昼で意外と自由に歩け
ないしな」
そうして街の奥へと向かっていく。この街の一番北の奥にある大きな城。そこが
コーリア城だ。ゲームなら最後に出てきそうなぐらいにでかく、門もデカい。
その前に来ると門番が訪ねてきた。
ジャンは説明しながらエルザの小剣を見せて門番達は信用してくれた。初めて入る
城内。入ってすぐにメイドらしき人が来て案内してくれた。
要件は伝えているので二人がいる場所に連れて行ってもらっていると途中で
エスタに出会った。
「そうか、わざわざすまないな」
「いえ、ちょっと夜の街も見てみようと思って。もちろんちゃんと巡回も込めて」
「見回りか。関心だな。あの二人ももうすぐ帰ってくるだろう」
「あ!見回りしてたらいないですよね。ここには」
「もう帰ってくる時間だから大丈夫だ。だからここで待っててくれ」
そういわれて少し待っていると二人が部屋にやってきた。
「ジャン君!ありがとう」
いきなりレイナが抱き着いてきた。どうやら探していたらしく、諦めて戻って来た
様だ。なので本当に嬉しそうに抱き着いてくる。
「いい加減離れなさい。本当に困った子だ。実力はあるのに普段がだらしない」
ジャンはレイナを日本で言うギャルだと思った。それから帰ろうと思ったがエスタが
泊まっていいと言われせっかくからとジャンは城に泊まる事にした。
部屋に案内されるとそこはいかにも金持ちの部屋みたいで落ち着きがなかった。
「あの、もう少し狭い部屋はありますか?」
「あいにく部屋の広さは一緒なんだ。遠慮せず使ってほしい。いずれ来てくれるで
あろう将来の兵士の予習だと思ってな」
「わかりました。ありがとうございます」
エスタが戻り部屋に一人になったジャン。店には伝えてもらえるらしいので
その心配はなくなったが、夜の街を見る時間がなくなってしまった。
しかし、ゆっくりできると思っていたがそれはすぐに壊されてしまった。
どこからか爆発がした。しかもそれは城内でだった。当然城にいた全員が驚き
すぐに兵士達が動く。ジャンも廊下に出て爆発がした方に向かう。
兵士達もそこに向かっているのでそれについていくとそこはなんとこの国の
お姫様の部屋だった。そこにはエスタやレイナ達も来ていた。すでにエスタが
指揮をとり兵を動かしている。
「エスタさん」
「ジャン!君は帰るといいと言いたい所だが」
「ええ。まだこの城の中、もしくは近くに犯人がいるかもしれない」
「あの部屋の中を見てもいいですか?俺は経験がありますから」
「そうか。今は一人でも助けが欲しいからな。入っていいぞ」
「ありがとうございます」
部屋に中に入るとそこは爆発した跡があった。窓が割られどうやらそこから犯人は逃げた
みたいだ。
「姫様ご無事でよかった」
アンナの声がしてその方を見るとそこにはアンナとレイナ、そして姫様と呼ばれてる
女の子がいた。
「レイナさん!アンナさん!」
「ジャン君!?危ないよここにいたら」
「大丈夫です。エスタさんの許可はとってます。そ、その人が」
「この方が我がコーリア帝国の姫、クリス様だ」
アンナが抱いて守ってるのが姫のクリスだ。おとなしそうな雰囲気に長い髪が
綺麗で本当に聖女の様な女の子だ。
「あの初めましてジャン、ジャスティンと言います。何があったか聞いても
いいですか?」
「は、はい」
とりあえずクリスを別の部屋に連れてエスタも入れてクリスの話を聞いた。どうやら
寝てるところを襲われたようで、今回は警告だと言われたらしい。言われたのは
闘技大会を中止することだった。
大会は国が主催するのもでそれをよく思わないものもいた。主に貧しい物や元から
国に反発する者達など。姫が無事だったのが国の幸いだった。
「どう思うジャン君」
「レジスタンス、国の反逆者達が集まり自分達の理想を作ろうとする集団。これは
やっかいですね。たぶんいくつもの組織があったりするからそれから絞るのは」
「なんかジャン君こういうのに慣れてる?」
「あ、ああえっと騎士団になった時の為にイメージをしていたんです。それが
役に立つかと。それで」
ジャン達は話し合ったが今日はとりあえず解散することにした。ジャンはとりあえず
店に戻る事にした。事件は起きたが姫様と合いえたのは少しうれしかった。
その帰り道、まだ夜が明ける前、ジャンは夜の街を歩ける事になったがそこで
またジャンは事件に遭遇してしまう。