ジャン闘技大会の受付に行く
ギルドエスタ。コーリア騎士団第3部隊長のエスタが管轄しているのでその名前がつけられた
ギルドだ。それもあって世界中から冒険者になったりそれから騎士団になろうとする者達が
多くやってくる。
そのギルドの受付をしている金髪で美女のアキとジャンは話していた。
少しして店に誰かがやってきた。それはエスタだった。エスタはアキから呼ばれたと
言われて来た。実はそれはジャンが頼んで呼んでもらったのだ。
「まさか君が私を呼ぶとわね」
「すまない。ちょっと頼みがあってな」
「頼み?」
「・・・・・・アキさん。空いてる部屋ありますか?アキさんも一緒に三人で
話がしたいんですが」
「エスタ様?」
「いいだろう。アキ用意してくれ」
三人は二階の奥の部屋に向かった。二人を座らせてジャンは自分の事を説明した。
「本当にそんな事があるのか?」
「俺もまだ信じれてないぐらいです。でも、ここが夢じゃになら事実です」
「もしかしてジャンさんが街の前で倒れてたのって」
「ええ。遠くから来たのではなくそこに召喚?されたんです」
「では、君の持ってるあれも」
「たぶんこの世界のとは少し違いますね。俺の世界では銃って言って、魔法じゃなくて
弾を入れて使う物だ。普通の人は持ってはいけないんだけど、俺は警察なんで所持が
許されてるんです」
「その警察というのが我々の騎士団と同じなんだな?」
「はい。だから俺は騎士団になって国を守りたいんです」
「それは嬉しい事だが騎士団になるには大変だぞ。多くの志願者がいる中で選ばれなければ
いけないからな。条件もあるがまぁ特例もある」
「特例?」
「騎士団長の誰かに直接スカウトされるかだ。もちろん全ての隊長の承認がないと
いけないがな」
ジャンは色々エスタから聞いた。それを含めてジャンはエスタに協力してほしいと
頼んだ。少し考えてからエスタはうなずいた。
「君の話が本当かこれからも見させてもらうが困ってる者を放ってはおけんからな
協力させてもらうが、こんなことは前代未聞なんでね。あまり期待はしないでくれ」
「それだけで十分です。感謝します」
「私もさりげなく情報を集めてみますね。これでも受付での評判はいいですから」
「ありがとうございます。それじゃ俺は騎士団に入れるように訓練をします。魔法は
使えないですが、武器も使ってみたいのでそれで強くなります」
「それなら、こいつをお前にやろう。何かあったらこいつを出せば大体の事は見逃して
もらえるはずだ」
「これは!剣!?少し小さいという事はナイフか、小剣あたりか」
「それは小剣だ。ただの剣だが、私の部隊の紋章が刻まれている。もちろん私自身の
紋章もな。それを使って強くなってくれ。お前の様な正義感がある者は久しぶりに
あったからな。ぜひ自分の力でここまで来てくれ」
「ハイ!必ず騎士団になります」
そうして二人に自分の事を話して、ジャンは宿に戻った。この事をエルザ達にも
話してこれからは仕事と訓練と情報収集の為にギルドでクエストをするという
事をエルザに話て承諾を得た。
「これが剣。しかも隊長が持っていた剣をもらえるなんて。出だしは好調かな。あとは
どんな冒険になるかだな。まぁRPGみたいに世界を旅するとかはないと思いうが
それでも強くなってこの国を守りながら元の世界に帰る方法を探すぞ」
日記を書きながらこれからの予定を決めるジャン。そうして数週間が経過した。
この街にも慣れて色んな店の人とも交流ができてきた。ギルドの方でも
冒険者になってクエストをしてランクを上げていく。
ジャンは何かチートの能力があるみたいだがまだ使える事はできない。なので普通に
鍛えて魔物も倒せるようになり、その中でジャンはこの世界ではない戦い方を
始めた。それは小剣と銃の二つの武器での戦闘だ。
ジャンの持ってる銃の弾には限りがあるが、この世界には魔法を誰でも使える魔法具が
ありそれを銃に組み合わせて魔光銃を完成させた。
それを試しに外でクエストに行く。右手に小剣、左手に銃を持って近距離と遠距離を
組み合わせて戦う。
そのおかげでダメージをあまり食らわないですみ、戦闘が楽になった。
そうしてこの世界にやってきて一か月が経った。宿の方もジャンの交流もあって繁盛
している。他にもジャンが元の世界での知識を使って他にはないシステムやアイテムで
人気を集めていた。
そこで客達がとある事を話していた。それはこの街には闘技大会があるという事だ。
それは世界中から冒険者や騎士団に入る為にやってきた者達が戦いそこで上位に
入ったら騎士団になれたりランクを上げる事ができる。
なので世界中から集まりその闘技大会は一か月にもわたって行われる。最初は予選が
あり、そこで十勝した者が本線に上がり優勝を目指す。
「闘技大会。俺も出てみるかな」
「いいですね。そこで成果を出せば騎士団にも入れますから」
「でも、それに出ると店の手伝いもあまりできなくなるかも」
「それは大丈夫ですよ。ジャン君のおかげで繁盛してるから、誰かを雇う余裕も
あるわ。だから気にしないで出てみたら」
「エルザさん。ありがとうございます。でもなるべく手伝いながらしますので
何かあったら言ってください」
「わかったわ。気を付けてね」
「はい」
それからジャンはその闘技大会に出る為により訓練に励んだ。大会はあと二週間後で
先にジャンは受付を済ませる事にした。
その受付はギルドで行われこの時期恒例のギルド前大行列があった。
ジャンも並んでいると前の方で揉め事が発生した。どうやらそれもいつもの事で
ギルドが雇った店の前にいる騎士団員達が対処しているがそういう事は放って
おけないジャン。すぐにその場にかけだしてしまった。
「警察だ!おとなしくしろ」
と言うがそこにいた全員が呆然となりある意味おとなしくなった。その静かな
空間を引き裂いたのは一人の騎士団員だった。