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悪夢
「はい、チョコレートケーキ」
「いらん」
「えー、何でー? 僕の 手作りの美味しいチョコレートケーキなんだよ」
「今日はバレンタイン! 女性が男性にチョコレートを贈る日なの!
いくら女装していてもアンタは男なの!
女の私より綺麗で女の私より美味しいケーキを作るアンタからそれを受け取るなんて悪夢よ、悪夢。
それにそのチョコレートケーキを先に受け取ったら、私が作ったチョコレートケーキ『らしき物』を渡せなくなるでしょ!」
「えーでもー……」
「良いから、私が此処で待ってるからアンタ向こうから歩いて来な!
ほら行った行った」
「ハーイ『まったく強引なんだから、ま、そういう所が可愛いんだけどね』」