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怨念


綺麗な夜景が見渡せる展望台の上で10歳前後くらいの女の子が1人、歓声をあげたり飛び跳ねたりしながらはしゃいでいた。


でも此処の夜景、綺麗なのは綺麗だけど飛び跳ねて歓声をあげてはしゃぐほどの物では無い筈、だから僕は不思議に思い女の子に声をかける。


「夜景を見てはしゃいでいるのかい?」


「夜景? 夜景なんてどうでもよいの。


私が見ているのは、街のそこかしこから噴き上がる渦巻く炎、それを見ているの」


「渦巻く炎?」


「そう、1年で今日だけ物凄い炎の舞が見られるの。


今日は女の子から何も貰えなかった男たちの怨念の炎が渦巻く日なのよ。


そう言えば、お兄さんの身体からも噴き出ているわ、フフフフ」






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