Chapter1 星の銀貨の少女 プロローグ
やっっっと更新です!!!
よろしくお願いします
ねぇ、君は神様はいると思う?人は人生は変えられるけど運命はそう変えられない。神様は決めることらしいし。変えられるのなら、もう既に「彼女」の人生は良いものになってる。
何で分かるって?
数多くある綴り屋さんの中でも、私達の綴り屋ちゃんが書くこの物語を選んでくれた『君』だから。この物語を選ぶということは……そういうことなんだよ☆
『君』で無ければ、こうしてわざわざ、本文が始まるこの時に私が話していることも無いからね。
長くなるし、教えてあげる。今教えてあげれるのは、私達は綴り屋ちゃんとは「違う存在」ということだけ。
もう1人いるけど、この物語を任されたから私しか出てこないよ
さて、そろそろ始めるね。ここからは画面越しにいる『君』が「彼女」と一緒に物語を進めて欲しい。
何を感じるのも思うのも『君』の自由だ。
それでは、いってらっしゃい。
夏の夜の風は生温いが心地よい。風に揺れる度に草木の匂いが鼻をふんわりと掠った。その場所には来る人を癒すとされ、宵が明ける現在でもまばらに人はいる。その中で1人。
大層見当違いな雰囲気を放つ少女___「神崎 心陽」がいた。
「ここでいっか……」
白い花柄のワンピースに身を包んだ彼女はそよそよと風に揺られる草原に座りこんだ。まばらにいる人達とは違う、無表情だが哀愁が漂う目をし月を見上げていた。
彼女の足元には月下美人が至る所に咲き誇る。甘いこの花の匂いは彼女の哀愁の感情をかき消すには十分だった。
この場所は、夜明けが明ける前大事な記憶と想い出を思い出すとされる場所。マイナーな地であり、一部の住人しか知らない穴場スポットだ。
かつてこの付近には幾つかの昔話が存在している。
この現世と同じように命があり生きられる場所が存在する“幻想の居場所”。
異端とされた人を救う、幻想の居場所とは対で裏側の“廃墟の居場所”。そして、この街は青い月の伝説。
ネオンが消え、月の光だけが頼りのこの街は昔から
月が良く見え、月下美人が咲き誇る小さな街、幻想の居場所がある街とよく似た、通称「夜の街」と言われる。
気がつけば彼女1人になっていた。空はもう明け方に近づいている。小鳥も鳴きだし朝が来ようとしていた。
「……学校、行きたくないな」
ボソッと呟いた彼女の言葉を包み込むようにふわりと風が草原と彼女の髪をなびいた。