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ネグリと付与の魔剣  作者: 椎木唯
序章 ネグリと魔剣さん
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小話 ーー移動中での好きな食べ物

 ドラゴンさんに揺られる最中、暇な時間でも潰そうかなと魔剣さんと世間話をしてみる。

 風に飛ばされないようにしっかりと手綱を握る僕と、魔剣さん。飛ばされたくないなら剣に戻れば良いのに…とは思うが風を感じていたいのだろう。レーサーみたいだねとは思う。


「そう言えば魔剣さんは好きな食べ物とかあるの?」


『…どうした、そんな合コンみたいな質問して。ま、まさかアタシに好意を抱いているのか…? 罪な男だなぁ』


「別に魔剣さんを知りたいって単純な考えで聞いたんだけど…。そして僕の好きなタイプは清純な人だから」


『夜這いはして良いが、それ相応に自分磨きはしないとダメだぜ? 素材は良いんだから』


「どうして清純って条件を言ってるのに自分かのように話してるんだ…?」


 最終的に、竜護舎の制服を掴む事で安定した姿勢を保てた様子で、風に揺られながら大人の余裕的な感じで僕に講釈を垂れる。僕の清純って辞書と、魔剣さんの辞書では意味が違うようだ。天日干しされるイカ漁船みたいな感じで靡く魔剣さんを見る。

 化粧は女の武器である。男にとっての地位と金、みたいなものだろう。そう認識し、理解は出来るけど…僕の好きなタイプはメイさんみたいな清純そうな人なのだ。真逆とも言っていい魔剣さんを好きになる事は天変地異、世界は逆さまになってもならないだろう。自信を持って思う。


『それはそれで女心が廃るってもんだが…まあ、好きな食べ物だろ? アボカドとかコーンスターチとかだな』


「へー、アボカド好きなんだ。確か栄養がいっぱい詰まってる食べ物だっけ? 意外と健康志向なんだね、魔剣さんって」


 確か教育機関でもアボカドダイエットブームが来ていたはずだ。アボカドサラダなり、アボカドハンバーガーだったり。女生徒が意気揚々にアボカドを購入する姿は南国感というか、異国感がすごい見た目をしているのだ。意識高い系のお店でしか見ないもんね…とは、僕の見解である。一週間以内にアボカドサラダを頭に掛けられた記憶が蘇る。何が「あ、同色じゃーん! 原点回帰〜」だ。意味が分からな過ぎる。


 そんな感じで良い思い出のないアボカドだが健康的な食べ物だという知識は持ってる。まあ、それを試してもっと健康に! とは思わないので多分一生食べる機会はないだろうけど。


 って事は機嫌良くさせるためにはアボカドを出せば良いのか…と、考えているとふと気になったことがある。


 アボカドとか“コーンスターチ“? 何だろうかコーンスターチ。名前的にアボカドと同じような健康志向な食べ物みたいな感じだけど…。


 コーンフレークのような見た目を想像していると魔剣さんから正解が出される。


『コーンスターチはトウモロコシから作られるデンプンだな。ここまでネグリに学がないとは…アタシ心配だぜ。将来、コーンスターチが分からなくて困ってしまう未来が見える、見える』


「デンプンで困るって…栄養失調か何かかな…? 学がないって言われてもその分野に精通している訳でもないし…でも、どうしてコーンスターチが好きな食べ物なの?」


 アボカドのように豊富な栄養が詰まっているのだろうか? そう考える。豊富な栄養が詰まってるって言ったってトウモロコシから作られるデンプン、て正解が出てるんだけど…。

 オートミールのような活用方法で考えていると、しょうもない答えが返っていた。


『語感が良いから選んだだけだな。別にアタシは『ーー』であるし、食べ物を摂る必要がないからなぁ。ほら、トッポギとかカンジャンケジャンとかコチュジャンとかさ』


「語感が良いってのは分かるけど…って、最後調味料じゃん」


『だからコチュジャンって言ったじゃん!!』


「いや…え? 調味料じゃん…」


 ダイレクトに風が当たる事で頭でもおかしくなったのか、永遠と「コチュジャン! ターメリック!!」と叫ぶ魔剣さんをスルーする。様々な地方のやつだねー。

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