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11、お友達ゲットです(引き続きランディア視点です)

これは、…ごくん。


ランディアは喉を鳴らしてしまった。

なにせ、元神様であったランディアにとっては、今おこる体験は初めてのことであったのだからしょうがない。


私はまた1つ学んでしまったわよ…。

これが“気まずい”ってやつなのねっ。


それもそのはずだ。

1ヶ月も楽しみにしていたリンディアとのお茶会に姿を現したのは、紛れもないランディアであったのだから。

なので当然王子はニコニコと微笑んではいるが、纏う空気はすごくピリピリしているのが伝わる。


王子が大きくこちらにも聞こえるように大きく息を吐いた。


「…ふーーーっ」


ここまであからさまに落ち込まれるって言うのはあれね。

私のせい(リンディアのせいだけれども)だけど…。

むかつくものなのねっ。

私初めてよ、人間にため息をつかれるなんて。

※ランディアも人間です。


「どういうことなのかな?」


安心しなさい、人間の子供よ。

私は大人なのでこんな事で怒ったりなんてしないのだからっっっ。

※しつこい様ですがランディアも人間です。

ルイ・カラーナイトと同じ5歳児のただの人間です。


「どういうこと…とは。一体なんのことでしょう?」


王子に負けじと笑顔を張り付け聞き返した。


ふっふっふっ…私はすっとぼけまっっす!

あらかじめすっとぼけるって決めたからねー。


確かに黙ってて尚且つ私も無表情でいればリンディアとの区別をつけるのは難しいと思うわ。

髪が多少うねってるだけで見分けるなんて難しすぎるに決まってるもの。


「すごいね。逆に尊敬してしまいますよ。あれだけ手紙にリンディア嬢と書いていたにも関わらず、あなたがここに居るのですからっ」


あんた本当に5歳児?

私とリンは5歳の始めの方はまだ滑舌も甘かったけど、今はもう大人顔負けに話せる。

けれどそれは前世の記憶があったり、ランが神様をやっていたからだ。

※神様という職業はありません。


つまり、普通の5歳児でここまで堅苦しく話している王子も結構異常ってことよ。


ていうかシンプルに嫌味いわれたんですけどーー!

でもでも、私のすっとぼけ作戦はまだ引き続き実行中でーす。


「あら、そうなのですね…。私もそう言ってみたのですが、リンディアが頑なに「私は王太子殿下とは一言も会話していないから何かの間違いだ」と言うものですからつい納得してしまいましたの。」


グッと王子が言葉に詰まる。

私は怯むことなく、なんなら楽しーー…。

あー、じゃなーくーてー…ごほんっ。

少し悲しい顔を作り続ける。


「確かに…まさか一言も会話してないのに、王宮でお茶をしようと2人きりで呼び出すなんて、そんなまるで見た目が好みだからとナンパみたいなことを王太子殿下はなさらないだろうと。きっと名前を書き間違えたのに間違いないと言う見解に至ったのです」


フィニッシュに、今日1番の無邪気な笑顔を浮かべた。


王子の口元がひくついてる。


あららら。

せっかくの整った顔が台無しですなぁ。

ま、ここまで言えば例えリンディアを呼び出したくても、リンディア1人を王宮に呼び出すなんて事はできないよねー。


私はトーントーン釘を刺した⭐︎


しばらくして王子を右手で顔を覆った。

そして、肩が小刻みに揺れ出した。


「???」


「………くっ、くははははっ」


わ。

笑い出したーーーーーーっ!?


「いやぁ、すまないっ。まんまと君たちにやられたなってね!先日は、リンディア嬢が気になって正直あまり君のことは印象になかったけど…。ふっ、君も悪くないね」


王子は、ニカッと意地悪く笑った。

それはさっきまでとは違う、感情のこもった笑顔。


なんだ神様に向かって悪くないってよぉーう。

※元です。本当にただ人間です。


「ご満足いただけた様で何よりですわ」


私も先程までの淑女の仮面ではなくランとして片方の眉を上げドヤ顔を見せた。


「いいね。最高だよ。ね、君もその被ってる猫取りなよ!どうせ半分くらい取れてるんだしさっ」


…まだ取れてない、はず!

そんなことしたら、お母様に怒られちゃうじゃん。

私はむーーっと、考えてみたがお母様のお怒りの顔が浮かんでうへーーっとなった。


「あはっ、何その顔っ!別に誰かに言いつけたりしないよ。僕もこんな感じで話してるし、君も気軽にして、ね?」


確かに纏ってる雰囲気、1人も私から僕になっていたりと、とてもさっきまでとは別人の様だ。

王子自身がいいって言ってるんだし…。


いっか。

怒られたらその時はその時だっ!!


「王子も今の感じの方が…なんて言うんだっけ。そう!…なかなか悪くないですよー」


私はフッと鼻を鳴らし、さっき言われた言葉をそのまんま言い返した。


「ふふっ…。君って思ったよりも子供っぽいんだね。…ねぇ、僕と友達にならない?」

 

子供だよっ!

ちゃんと5歳児の子供なんですー。


それにしても…友達、かぁ。

そういえば!人間は弱いから誰かと連む生き物だって、以前母さまがいってたなぁ。

ふむふむ。

これから人間として生きてく上で1人くらい友達とやらを作っておくのも悪くないわねっ。



と言うことで、私ランディアはルイ・カラーナイト王太子殿下とお友達になりました!


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