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10、来ちゃった(ランディア視点)

ふわりと香るバラの香り。

あたり一面バラで覆われている。


そう、ここは王宮が誇るバラの園だ。

迷路のように大きな庭の一角にバラの園があり、奥に続く道の先には、少しレトロなガゼボがある。


私ことランディアは、今優雅にガゼボでお茶しているのだ!

これが世に言う、おひとり様ってやつなのかな〜。

にははは。

※目の前に広がるお菓子をすごい速さで全種類制覇していっているところだ。あくまでも優雅ではない。


ふひゃ〜〜〜!

人間っていいわね!

美味しいものいっぱい食べられるし、美味しいものを食べたら幸せになれるんだもんっ。

特になんて言うんだっけ…こういう甘い系の食べ物?は特に好きだわ♪


あ、前回王宮に来た時にあまりにもお菓子が美味しかったからって忍び込んだわけじゃないわよ!

リンが来るのを嫌がったから代わりに来てあげたんだよね〜。

ほら、リンを幸せにするのが私の役目だしっ!


それにしても王子遅くない〜。

もうテーブルの上のお菓子無くなっちゃうもの。

ていうか、おかわりとか無いのかしら…。

私まだまだいけるわよっ!

まだ来ないかな〜(プラスお菓子が追加で来ないかなぁ〜)と少しキョロキョロあたりを見渡してみた。


すると1人のメイドが近づいて来た。


「お嬢様、気付くのが遅くなり申し訳ありませんでした。こちら胃薬でございます。どうぞ」


いぐすり?

…なんなのそれ?


「それは…甘い、のですか?」


ランディアはコテンと首を傾げた。


少し考えたがわからなかったので素直に聞いてみたっ。


途端にカッと顔を赤くするメイド。

メイドはなんとか、動揺を隠しながら質問に答えてくれた。


「っ!!!あ、ああの、先程まで幸せそうにお召しになられていたにも関わらず、急に手を止め、辺りを見渡していらしたので…てっきり体調でも悪くなられたものだと。ですので、胃薬を勝手ながらご用意させていただきましたっ」


ふむむむ…あっ!!!

前にリンから聞いた気がするわ!

人間って言うのは何処か悪いと、クスリとやらで体を治すってねっ。


…?

私は今どこも悪くないのだれけども…。


メイドがさして出してくれた胃薬を見つめるランディア。


とりあえず、貰えるものは貰っておくべきよね。


「えと、ありがとうございます?」


私が受け取るとメイドは「いえっ、こちらこそありがとうございますっ」といい笑顔で返してくれた。

なにか感謝されてしまったぞ。


私は手の中の胃薬をジッと見つめる。


「やぁ、呼び出したのは私なのに遅れてしまってすみません。なにせ急に父上に呼び出しをーーーー。……ランディア嬢?」


はい、ランディア嬢でございますわよっ!なんて答えるはずもなくちゃんと猫を被りまーす。


私は流れる動作で胃薬をドレスのポケットに入れて、サクッと立ち上がった。


「お久しぶりでございます」


「…」


いいのっ!

言わないでっっ。

あなたが聞きたいのは、なぜリンではなく私がいるのかってことよねっ。

そーーれはね、リンディアが拒否ったからよっ!!

なんて堂々と言えないよね流石に。

さてはて。どーやって切り抜けようかしら。


…でもでもでも、私すごく感心しちゃったんだよね。

だって一目で私とリンを見分けるなんて、さ?

少し見直しちゃったよ。

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