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9、お誘い

手紙が来た。


「まぁ、良かったわねリン!綺麗なドレスを注文しましょうね」


…まじか。


王宮でお茶をしないかというお誘いだ。

え、カフェ扱いかよ。

しかも1番に行きたくない理由としては…そう、誘われたのが私だけというところだ。


まだランディアがいれば前みたいに任せっきりにして黙ってればいい。

だが、2人きりになるとすると言葉を発しないわけにはいかなーーーー


っ!!


ひらめいちゃいました。

ふふ、そうよ。


「お母様、これ私じゃないです」


「?リン…?何を言っているの?手紙の宛名にも文中にもリンディア嬢ってほら書かれてるじゃない」


お母様は一瞬フリーズした後にまー照れちゃってと、うふふと続ける。


私はお母様はジッと見つめ、真顔のまま続けた。


「そんなはずありません。だって私王子様達と一言も会話してないのですよ?自己紹介ですらランがやってくれたのに続いて礼をしただけなのです。そんな相手をお茶会に誘うわけありません。それにランはとても楽しそうに王子様達と会話してました」


お母様は私の話を聞いた後少し難しい顔をしてきりだした。


「それは、つまり…。レオ・カラーナイト王太子殿下のこの手紙は、ランディアに向けたものだと言いたいの?」


コクンと私は頷く。


「間違いありません。ランが私の名前も名乗ってくれたのでややこしくなり勘違いしてしまったのですわ」


ラン、悪く思わないでね。

あなたの事は忘れないから…グッバイ。


(〜〜っ!!グッバイじゃないって!)


あ、いたんだ。


ぴょこっとベットの下から顔覗かせるラン。


(何平気な顔でペラペラ適当な事言ってるのよ⁉︎王子は間違えてないわよ、ちゃんとリンに向けてーー…まさか)


うん、そのまさかよ。

あの腹黒そうな王子が名前を書き間違えるなんてまぁーーーーーあり得ないでしょうね。

でも、そんな事どうでもいい、だって…。


行きたくないんだもん。


(もん…じゃなぁぁぁいっ!)


ラーン。

お菓子また食べれるよ?


(お・か・し…?じゅるっ)


王宮でめちゃくちゃ食べてたじゃん。

お茶会行ったらまた食べさせてもらえるし、私も行かなくて済むし2人してwin-win。


(たしかに…)


単純だなぁ。

ま、助かるけどっ。


ま、そんな事で後は頼みましたよー。

おねーさま?


「まぁ!そういう事なら仕方ないわね。…ではランに早くこの事伝えなくてはいけませんわね。あの子のドレスを仕立てなくては…」


お母様は何やらブツブツ口にした後私の部屋を後にした。



「で?ラン。あんたは人の部屋で、一体何をしてるわからのかしら。ベットの下なんか入り込んで」


ガサガサと何かを探す音。

何か物でも落としてしまったのだろうか。


「へ?だって人間ってベットの下に、エロ本隠す種族なんでしょ?だからさっきから探してるんだけど、一向に見つからないのよねぇ。ねぇ、もう降参!エロ本どこに隠したの?」


ベットの下から這いずりでたかと思えば、腕を伸ばしキラキラした瞳をこちらに向けてきた。


ないよ。


「…バカじゃないの?」


一体どんな種族だよ。

エロ本をベットの下に隠す種族ってか?

それが人間の代名詞だとしたらやばいよ、恥ずかしいよ、恥ずかしいすぎるわよ。

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